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 表の顔をシモ手に向け、裏の顔をカミ手に向ける主人公・ハルト…対するもうひとりの主人公・エルエルフはその逆で、表はカミ手裏をシモ手に向け続ける。出ずっぱりの主人公に比べると、エルエルフはその出番が限定できるだけに、このルールの徹底度は高い。彼はいつもカミ手を見据え、カミ手の方に歩いてくんだ。エルエルフは常に冷酷で傲慢な「仮面」を被り続けてるけれど、ほんのわずか、これがシモ手を向く一瞬こそが彼の本性。
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 OPでいつもの穏やかなハルトはシモ手向き、野性的な激情のカットだけカミ手を向かせてるように、エルエルフなんか奥から手前に真っ直ぐ歩いてくるシーンでさえも視線は常にカミ手を向かせ続けてる。雨に打たれ思い詰めるひととき、そこだけは彼はシモ手を向くのよね。
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 EDもそう。エルエルフが一心不乱に少女を追いかけるときはシモ手に進み、組織の中で決意を固めてるときはカミ手向き。意識してひたすらカミ手を向こうとする「非情な人間兵器エルエルフ」は偽りの姿で、シモ手…感傷に浸ったり、惚けたり、意識を失ったり、見とれたりして時折みせてしまうのが彼の本質。
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 ふたりのこのカミシモ対比ではひとつだけ例外があって、それが1話で鍵をふんだくって挑発した主義対決のシーン。シモ手からつっかかるエルエルフ、カミ手で応じるハルトなんだけども、エルエルフはわざわざ脚を掛けて転ばせて、位置関係を逆転させてから説教すんだ。ここの解釈は自分なりにはある(相克する両者の再対決、その時点のプロット上発生する構図の先取り予約)のだけれど、それはここでは置いて「一見して例外がある」ことの提示に留めとく。
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 ※6/1追記 7話&8話でした※

 それ以外はまぁもう徹底的にカミ手にズンズン進んでくのがエルエルフ。冒頭の船内ではシモ手を向いてるけれど、ここでの彼は腕組みしてアンニュイな表情だから、これは内面サイドの状態とみてなんら問題ない。ショーコの前でハルトにつっかかるシーンでは、それまでシモ手を向いてエレベーターを待ってるハズなのに、そこは見せないw エレベーター内部の俯瞰シーンでもガンコ一徹、彼ひとりだけカミ手の壁を向いて立ってんのよね。(ヴァルヴレイヴ初遭遇シーンについては『絶対外れる予言』を参照のこと。)
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 2話ではコクピットに居るシーンばかりだけど、シモ手に陣取ってカミ手のハルトを観察しまくってる構図は皆覚えてると思う。
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自分が裏切ったと聞かされ戸惑うとき、ハルトと共に666越えをハラハラするとき、ハラキリパワーを目撃して惚けるとき。取り繕いから開放されるいくつかの瞬間だけ彼はシモ手を向くの。
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 (えっコイツ生きてる!?) 目覚め
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 (俺が?撃った?) サキさん煽り上手
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 (ドキドキ…) 可能性…しかない
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 (マジなんなん…アレ…) フィーバータイム終了

 面白いのは、ヴァルヴレイヴが海中に落っこちて天地が逆になるシーン。とうぜんシモ手に放置されてたエルエルフがこんどは逆にカミ手配置になるハズなんだけど、ここも彼だけフレームの外に押しやってシモ手向きの姿は見せない。喋るときは正面を向く。
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 しかし序章で圧巻なのは1話ラストの殺し殺され乗り移られのくだり、アクロバチックにコンテが駆使され、カミシモがきっちりコントロールされ切ってるの。物理的には「倒して」「乗り越えて進んで」「振り向いて」の一直線横向きの芝居のハズなのに、巧妙にイマジナリーラインを欺きまくり、エルエルフとハルトのルールを守り切ってる。

 1:湖側のカメラが左右を見渡す。
 「勝ち負けのない世界は幻想だった」と認めるハルトはカミ手向き エルエルフは正面向き

 2:エルエルフがハルトを刺すと同時にカメラがグルッと廻り込む。

 3:廻り込んだカメラはさっきまでと逆に陸側に据えられる。
 犠牲者ハルトはシモ手向き 冷酷非情のエルエルフはカミ手向き

 4:無防備にシモ手に振り向いてしまうエルエルフ。そして驚愕。

 5:正面からのハルトの口をドアップにして引くと同時にまたカメラが廻り込む。

 6:カメラは再び湖側に。これでふたりの周囲をひとまわりしたコトになる。
 シモ手向きのハルトは見せず、カミ手向きのエルエルフが痛みに耐えられず絶叫しておわり。

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(※ここまで、5月16日第5話視聴時点の感想です)