November 02, 2017

グアムのダイビングショップ物語2183―今日のグアムと、この柱はどうやって曲がったか?

11月一回目のレックスペシャル。
沖縄でダイバーになり沖縄でよく潜っているというダイバーで本数はまだ多くないものの、アドバンスドダイバーですでにディープ、エンリッチドエアSPも持っているという、そりゃあ最初からレックダイビング好きなんじゃないの?っていう方。
ところがレックは初めてと言う。
やはりグアムで一番面白いと思う東海丸にまずはご案内となるのだが、どこまで行っていいのかが問題。
いきなり真っ暗になってもいけないだろうし、かといって深い方に先に行っとくべくだし。
レックに入る前に普通のダイビングを一緒に潜っていればそのダイバーをどこまで案内するかはわかるんだけど、初日の初対面がレックというリクエスト。
この後3日間でビーチも普通のボートもナイトも行くんだけど初日の最初がレックダイビング。
レックスペシャルツアーが基本的に午後開催なので深夜便でグアムに到着すると自然とそうなっちゃうのかな。

本当はライトがあるのでそういうことはないんだけど、ひと言だけ質問しておくことに。
「真っ暗になっても平気ですか?」
通常のライトさえ持っていないガイドが行く東海丸ではもちろん真っ暗はないわけで、それと同じレベルでは申しわけなく、ちょっとは「おお!」ってなる景色にしようと思うとやはり艦橋の下の方だったり、エンジンオープニング(機関室)なんだと思う。
誰がどう見てもわかる、知っている形のものや文字なんかを見ることができたらそれは興奮するよね。

guam1102tokai1エンジンオープニングと言っても3階建てなのでその一番上。
2基の巨大な6気筒ディーゼルエンジンのヘッド部分で、ちゃんとピストンが6本ずつあるのがわかるし、巨大なパイプがそれぞれのエンジンの真ん中辺りから上へと伸びているのも見える。
薄らと明るいところが見えるが、あそこが煙突の頂上だ。
エンジンからの排気を煙突へ導いているマフラーと言えばいいのだろうか。

guam1102tokai2最近使っている進入路はエンジンオープニングの上からではない。
上から来ると出て行くときと同じルートを通ることになるのでにごりが発生してしまう。上から降りて行くのは本来の乗組員たちの通った通りで面白いがなるべく同じところは通らない方が無難だ。
そのまま突き当たって上を見上げれば階段の上の方にスカイライトが見えてるし、青い明るい光が差し込んで来ていて、ここまで来ればライトがなくても泳げる。
楽しいかどうかは別としてだけど。



guam1102tokai3そして1フロア上には予備発電機が残されている。
ラジエーターグリルには文字が見えて、これはかなり興奮するものだ・・・と思う。
確実にKOHLERっていう言葉は調べるでしょ?!
アメリカ製のKOHLERは元々は発電機なんかを作っていた会社だ。
今はグアムにも取り扱い会社がイパオロード沿いにあるがホテルの洗面台などのメーカー名を見てみて欲しい。
日本でいうところのINAXとかTOTOみたいな会社と同じものを作っているようだ。
こうして見た文字を調べて行くっていう部分がレックダイビングにはまるきっかけの一つだと思う。

エンリッチドエアを使っているのでまだまだ余裕。
こんな深さのままどんどん行ける。
艦橋より前方には船艙が3つある。
その2つ目の第二船艙のセカンドデッキ(地下一階)は右舷左舷側ともにシルクルームだ。
シルクを濡れたりしないように入れておく専用の部屋で後部にも2つあるので、東海丸には全部で4つのシルクルームが装備され、後部のシルクルームの隣にはスペシャルルームという小さい部屋もあって、もしかすると金魚を運んだとすればその部屋に入れておいたのではないかと想像している。

横浜に浮かぶ氷川丸の第一船倉にもシルクルームがあったはずだが公開していないのでまだ見たことがない。
金魚を運んだ記録はあったし、今でも錦鯉は海外に向けて高価な輸出品の一つだ。

guam1102tokai4そんなシルクルームの天井に真っ黒なオイルが溜まっている。
なかなか写真ではよくわからなかったが今日は丸い玉になっているオイルがわかるように写真を撮ることができた。
魚雷を撃ち込まれたところにホワイトガソリンの大きなタンクはあるが、このオイルはどこから来たものか?
エンジンからとすると位置的に何故ここの天井に溜まっているのかということになるので、エンジン内にあったオイルではないと思う。

guam1102tokai5そのまま船首方向に向けて移動して行くと第一船倉が見えて来る。
ライトを当てずに自然光だけで撮ったので船艙の様子が逆によくわかる。
そして初めて気が付いたことが出て来た。
いつもライトの光を当てて景色を見ているので、たとえば曲がっている柱も一本一本を見てしまっている。
しかし並んだ2本を同時に見ると同じ方向に曲がっていることがわかる。
上からの力で押しつぶされたとは考えずらく、何故ならもっと太くて丈夫な壁や柱がいくつもあってデッキを支えているわけだから。
そうなるとこの細い柱の手前に置いてあった荷物が前方向に押し出されてぶつかり、そして曲げてしまったと考える方が納得できる。

ではいつぶつかった?
記録では東海丸は左舷側に当たった魚雷のため左に傾きつつ後から沈み始めたとなっている。
最初の沈没。
船体後部がまず着底して一度沈没が収まったとき、右舷側の艦橋の一部と船首は水面から出ていたという記録も残っている。
それが約3時間後に船体内の空気が抜けて行き全ての箇所が水中に沈んだとなっているのだ。

つまり沈没時の傾きで荷物がこの柱に当たったとすれば後方向に曲がらなければおかしいし、柱の前方には床がないため荷物は何も存在できない。
いつ曲がったんだ?
何がぶつかって曲げたのか?
けっこう長めの重たいものがぶつからないとこうは曲がらないと思う。
限りなく正解は見つけられそうもないけど、こういう謎がレックダイビングの面白さに繋がっていくのだ。

Posted by aquaacademy at 19:24│Comments(0)