第18話「チーム・イーブイ出動せよ!ポケモンレスキュー隊!!」
脚本:米村正二/絵コンテ:川田武範/演出:浅田裕二/作画監督:岩根雅明
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先日現実のポケモンセンターでイーブイグッズが売られ始め、ゲームでも来月イーブイカップなる大会が開かれるというイーブイプッシュシーズンの中、アニメでもイーブイメイン回でした。
アニメでこういうわかりやすいタイアップって今まであんまりなかったと思うんですが、ちょっと珍しいですね。
まあ僕としては単純に岩根雅明さんの作画回として楽しみにしていたんですけどもw
詳しいことは続きから!

脚本としては良くも悪くも米村正二さんの個性が出ていたと思います。
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ムーランドの「かぎわける」やブラッキーの「フラッシュ」など、バトル以外の場面でポケモンのわざを上手く絡めたシーンを作るのは米村さんらしいです。他の脚本家だとこういう場合、わざとか一切使わずに進めることが多いので。
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「てだすけ」もアニメでは珍しいわざですね(DP編のコンテストバトルでプラスルマイナンが使ったとき以来?)。

ただそういうところは凝っている反面、肝心なところで詰めが甘いのもまた米村脚本の特徴なんですよね……
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今回も、最初は建物内の精密機器を壊したらいけないからと、凍った建物に炎わざを放つのをためらっていたのに、最後には遠慮なくぶっ放していたのはさすがにどうかと思いました。こんなのすぐに気付くことだと思うんですが……

そして最後の方で手持ちのブイズを全員出すシーン。
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トレーナーはポケモンを6体までしか連れ歩けないので、こういう場面でイーブイ+進化系5体までしか出せないのはしょうがないことなのかもしれませんが、せっかくのイーブイ回なんだから、なんとかして残りのエーフィとリーフィアも出してほしかったですね。いくらでもこじつけはできたはず。

まあエーフィはまだ冒頭でサトシとアイリスを助ける活躍があったから良いものの、リーフィアはまともな出番がなくてかわいそうでした。
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あともうひとつ、これは前々から気になっていることなんですが、ポケモン図鑑でポケモンを調べるシーンって、もう少しテンポよくならないものなんですかね。
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説明音声が流れている間、ずっと図鑑がアップになるだけで映像的には完全に固定されちゃってるので、テンポが物凄く悪くなるんですよね。特に今回はブイズ一体一体にいちいち説明が入ってたんでかなりダレました。別に図鑑を写さずにポケモンがのびのび動いている場面のバックに説明音声を流すだけとかでも良さそうなものですが。
まあ原作ゲームの宣伝媒体である以上、こういうシーンは必要なのかもしれませんけど。演出家に関係なくこのくだりは毎回同じ演出なので、あらかじめこういう演出にするように上から指示されているのでしょうか。

なんかいろいろいちゃもんをつけてしまいましたが、トータルで見れば脚本は結構良かったと思います。ポケモンたちが力を合わせて問題を解決していく話というのはやはり良いですね。


まあ、脚本に関してはそんなところで、次は作画の方に行きましょう!
岩根さんの作画回にしては動かし方はやや控えめでした(これについては後述します)。
というかイーブイメイン回でありながら、ブイズより他のポケモンの方がよく動いていたような……w

例えばキリキザンの「きりさく」。
相変わらず大胆な影の付け方がかっこいいです!!
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いったん前に飛びかかって……
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脚を思いっきり付きだして後退。
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ぐぐっとのけぞって……
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再び顔のアップ!
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そして腕を振り下ろす!!
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まさに岩根さん!という感じの洗練されたアクションです!

チャオブーがフリージオの「こうそくスピン」を避けるシーンも良かったです。
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岩の破片が遠近感を強調していて迫力を増してますね!

あとはヒヒダルマの「ばかぢから」も。
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このように良く動く作画もそこそこあり、岩根さんの作画を見られるだけでも満足ではあるんですが、ただどうしても他の岩根さんの作画回、特に原画として参加した回に比べると物足りなさがあったように思えてしまいます。

その原因(……というと失礼ではありますが)は僕は絵コンテの川田武範さんにあると思ってます。
岩根さんの作画監督回はこれまでほとんど浅田裕二さんが絵コンテ・演出を担当してきました。ところが今年の初め辺りからこの川田さんが岩根さん作画回の絵コンテをたびたび担当しています(演出は変わらず浅田さんです)。
川田さんはAG編でも一時期絵コンテを切っていましたが、元々は東映アニメーション出身の方で、古くはキン肉マンみつのアッコちゃん、最近はプリキュアシリーズ(最近と言っても初期の頃ですが)の演出をされていました。僕はその中だとプリキュアシリーズの演出しか見たことがないんですが、はっきり言ってしまうと、川田さんの演出であまり面白いと思ったことはありませんでした。

その頃(プリキュア初代・MaxHeartが放送されていた2004~05年頃)は僕自身、コンテや演出という仕組みを知ったばかりの時期ではあったんですが、それでも当時のプリキュア演出陣の上手い下手は素人目にもわかるくらいはっきりしていて、正直言って川田さんの演出は後者の部類でした(実際、当時の2chなどでもかなり酷評されてました)。
アクションシーンがやたらともっさりしていて何の迫力もなく、日常シーンも特に上手いカットがあるわけでもない。原画に上手いアニメーターさんが参加しているときはそこそこ見られるアクションもありましたが、それも他の演出家だったらもっと上手い組み立て方ができたんだろうなーと思ってしまうことも多々。雑誌の情報などで来週が川田さんの演出回とわかると、どんなに脚本が面白そうでもゲンナリしてしまった記憶があります。

それはポケモンBWの演出においても特に変わることはなく、やはり僕は川田さんのコンテには魅力を感じられません。
今回も上に挙げたカットがそこそこ見られるという程度で(それも岩根さんの作画補正があってこそですが)、その他のカットはレイアウトも見せ方も非常に平凡で、はっきり言って退屈でした。これではどんなに良い脚本だって台無しです。

最初のブイズ勢揃いのシーンも、もっといくらでも魅力的な見せ方ができそうなのに、止め絵で横一列に並べただけでした。
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これはいくらなんでもあんまりな画面ではないでしょうか……?

まあ東映アニメーションは他の制作会社に比べて作画の枚数制限が厳しく、東映出身の演出家はあまり作画を贅沢に使った演出をしない傾向にあるため、大暴れ系の岩根さんの作画とは相性が悪いのでは?という見方もできます。ただ東映の演出家というのは枚数が使えない分、テンポを巧みに操ったり一枚絵でぐっと見せるような効果的な演出を得意とされる方が多いのです(「新世界より」で話題になった山内重保さん、そしてその弟子筋の細田守さんなどが典型的ですね)。しかし川田さんはそういう演出ができるというわけでもなく、本当に平凡な画面構成なんですよね……。
プリキュアのときなんてBGMのセンスすら酷かった。戦闘シーンで意味もなく無音とか平気でやってましたし(東映では各話の演出家が音響監督も兼任しています)。

なぜ東映出身の演出家がOLMのアニメ、しかもスタジオコクピットのグロス回のコンテを担当しているのか?その背景事情は一視聴者の僕には知る由もありません。浅田さんが他の仕事で忙しいとか、岩根さんの仕事量が多すぎるから省力コンテを切れる川田さんが選ばれたとか、推測することはできますが、あまり意味のないことでしょう。
ただせっかくの岩根さんの素晴らしい作画技術が、平凡なコンテによってその魅力をスポイルされてしまうことが、岩根さんファンのひとりとしては残念でしょうがないのです。

まあこんなところでぐだぐだ言ったところで何が変わるわけでもありませんし、感想ブログではあまりネガティヴな意見は書くべきではないのかもしれませんが、これだけはどうしても言っておきたかったので書いてしまいました。
別に川田さんにコンテをやめろとまでは言いませんが、岩根さんの作画監督回よりも原画参加回の方が作画がいきいきとしている、なんてことにはなってほしくないですね……

といいつつ、次回も岩根さんが原画参加されているようで、見た感じ良く動いてそう……w
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(ただこれ、この前のジュニアカップのときの使い回しなような気もしますw)