アニメブログ界隈で毎年開催されている「話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」という企画。
去年はいろいろと忙しくてあまり本数を見られなかったため、参加しなかったのですが、今年は割と充分な数を見たかなと思うので選んでみました。今年のアニメ感想の総決算的記事です。

ちなみに一昨年(2012年)は参加しました。↓
【アニメ感想】話数単位で選ぶ、2012年TVアニメ10選
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/23029166.html


「続きを読む」から、今年のベスト10を列挙!

1作品につき1話のみという縛りで、順位は付けない、とのことです。
(記事内の順番は、概ね放送順という並びです)



・そにアニ -SUPER SONICO THE ANIMATION-
session7「スターレイン」

脚本:黒田洋介/絵コンテ・演出:中山奈緒美/作画監督:木宮亮介

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理由としてはこの記事に書いた通り。↓
【アニメ感想】2014年冬クールアニメ感想・その2
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/37460314.html

この回単体で見ても非常に完成度が高いのですが、やはりシリーズの中でこのタイミングでこういう話をやったというバランス感覚がとにかく素晴らしい。
そもそもアニメに限らず、作劇というもの全般において、どうしても人と人のつながり、絆みたいなものが重視されがちなのですが、この作品のこの回はそういうものを極力排した、「ひとり旅」という要素をクローズアップしています。
一応、旅の中での人々との触れ合いは描かれますが、あまりベタベタしたものではなく、非常にあっさりすっきりとした心地よい味わい。普段人と触れ合うアイドルという客商売をやっているからこそ、「ひとりの楽しさ」というものが際立つ、その対比。観光地を巡るわけでもない、目的のない旅というのもイイ。

そしてこういうものがアニメとして成立する、という事実を提示してくれたことが何にも代え難いこの作品の価値だと思います。


・ポケットモンスターXY
特別編「最強メガシンカ ACTⅠ」

脚本:冨岡淳広/絵コンテ・演出:浅田裕二/作画監督:岩根雅明

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個別感想記事はこちら。↓
【アニメ感想】ポケットモンスターBW・XY特別編感想
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/37774922.html

やっぱり「ポケモンXY」からも1本選ばなくちゃということで、ちょっとズルい(?)ですが特別編から1本。
メガシンカに焦点を当てた特別編ですが、やはり何といっても見どころは岩根雅明さんの神作画!!
ただでさえ普段のTVシリーズでも素晴らしい作画を披露されている岩根さんですが、この特別編ではより一層力の入った超次元の作画を拝むことができます。このクオリティでひとり原画なのですから、ただただ驚くしかありません!
上の記事でいろいろ説明してますが、要するにとにかく実際に見ろ!の一言に尽きます(笑) 岩根さんの凄さを知るならまずこの1本から、と言っていいくらい、岩根さんの作画の魅力がこれでもかと詰まっています。

ちなみにメガシンカ特別編は現在第2回まで放送されていて、2回目も岩根さんのひとり原画です。
そちらも非常に素晴らしいお仕事で、どちらを選ぶかとんでもなく迷いました。結果、僅差でバトル描写がより充実していた第1回の方に。
もちろん第2回もメガメタグロスVSメガリザードンや、メガレックウザ降臨など神作画満載なんですがw(作画ばっかり言ってますが、お話自体も面白い!!)
XY本編の方もメガルカリオVSメガクチート回を筆頭にこれまた候補が多くて、ホント1作品1本という制約が惜しまれます。


・彼女がフラグをおられたら
第2話「この寮に姉たちがいる。だが、今はまだ言えない。明日まで待ってくれ」

脚本:あおしまたかし/絵コンテ:誌村宏明/演出:重原克也/作画監督:をがわいちろを

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個別感想は、間接的にですがこちらの記事で。↓
【アニメ感想】2014年春クールアニメ総評・その2
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/39092013.html

「劇場版ドラえもん」の短編などで有名な渡辺歩監督。近年深夜アニメにも活躍の場を広げられていますが、今年はなんとラノベ原作アニメに挑戦。
1クールでヒロイン10人越えという凄まじい設定で、非常に密度の濃い作品でした。

中でもこの2話は終始カオスなハイテンションを保ちながら、1話の2人のヒロインを中心に、更に4人ものヒロインを捌いてみせたという高等テクニックを評価したいです。
同じ誌村宏明さんのコンテ回で言うと、10話のミスコンの話も笑いましたw


・一週間フレンズ。
#4「友達とのけんか。」

脚本:國澤真理子/絵コンテ・演出:徳本善信/作画監督:大城美幸、川添政和

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個別感想記事はこちら。↓
【アニメ感想】「一週間フレンズ。」第4話の演出がすごい!
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/37886191.html

記事に書いた通り、演出が素晴らしい回でした。伝統的な東映作品を思わせる、非常にロジックの効いた象徴的な演出の数々。徳本善信さんの名前を記憶に刻み付けるきっかけになりました。今後のご活躍に期待。
続く担当話数の8話は、どちらかというとロジックに頼らない自然体の演出で、そちらもとても良かったです。


・ご注文はうさぎですか?
第4羽「ラッキーアイテムは野菜と罪と罰」

脚本:井上美緒/絵コンテ:小林公二、大島縁/演出:小林公二/作画監督:大島縁

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作品の総評記事はこちら。↓
【アニメ感想】2014年春クールアニメ総評・その1
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/39091825.html

キャラクターを魅力的な芝居と作画で彩るという点において、この手の日常系のアニメとしてはひとつの到達点に達したと言っていいくらい、完成された話数だったと思います。

僕のアニメ史観では、「日常系」というジャンルは「ひだまりスケッチ」に端を発していて、そこから「けいおん!」始めとする、いわゆるリアリティあるドラマで魅せていくタイプに派生していったと考えています。
もちろん更に起源を遡れば「あずまんが大王」に行き着くんですけど、あの頃はまだコメディというジャンル認識だったと思われます。「みなみけ」もかなりコメディ寄りという印象。
そういうものから極力コメディ感を排したものが純粋な「日常系」で、そこから更に「けいおん系」のドラマ感まで取り除いたものが「ごちうさ・きんモザ系」なのではないかと。

だからジャンルとしてはかなり派生した下位区分なのですが、その中においてこれはもうある種の究極ですね。
最近「ごちうさ難民」という言葉もよく耳にするところで、要するに「ごちうさ」に代わる新しいアニメが出てこないという話ですけど、まあそりゃこれ以上このジャンルで何かを生み出すのは難しいわなと思う次第です。


・ピンポン THE ANIMATION
#6「
おまえ誰より卓球好きじゃんよ!!」
脚本・絵コンテ:湯浅政明/演出:久保田雄大/作画監督:浅野直之、戸田さやか、伊東伸高
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あの湯浅政明監督の新作ということで、問答無用にランクイン。話数は非常に迷うところで、正直全部入れてしまいたいくらいでしたが、ひとつ選ぶとすれば、あえて試合シーンの少ない幕間的な6話で。
激しいテンションの多い話の中で、一際目立つ"静かな"回で、その対比が非常に印象的でした。

そういえば序盤の感想で「脚本とコンテの融和具合が凄い、脚本の指定が想像できないくらい脚本が見えない」と書いたんですが、その後、監督ご本人のインタヴュー(↓)を読んだところ、「脚本を書かずに絵コンテから描き始めている」とあって、やっぱりなとガッツポーズ。やはりアニメ歴が長くなるとこういうのは肌感覚でわかるんですな(何様だ

アニメで蘇るヒーローの物語──湯浅政明が語る松本大洋の『ピンポン』
http://kai-you.net/article/2751/page/2

そんなくだらないこと言ってないで、湯浅演出のどこが具体的に凄いのか語るべきところなんですけど、そこまでできるほどの力量がない辺り、自分の未熟さを痛感します。ただ、素晴らしいと感じることしかできない。


・ハピネスチャージプリキュア!
第32話「いおなの初恋!?イノセントフォーム発動!」

脚本:高橋ナツコ/絵コンテ・演出:山内重保/作画監督:赤田信人

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個別感想記事はこちら。↓
【アニメ感想】ハピネスチャージプリキュア!第32話「いおなの初恋!?イノセントフォーム発動!」
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/40249795.html

山内演出回は毎年選んでる気がしますが、やはり今年も選出。10年ぶりの山内プリキュア再臨に歓喜。
しかし毎年何かしら新しい発見があるのが山内さんの底知れないところだと思います。具体的なことは上の記事で散々語ったので省略。

それにしても、こうやって毎回いろいろと気付いているにも関わらず、未だに山内さんのことが全然わかった気がしません。
やっぱり天才というのは、「理解した」と思ったときには既に更なる高みへと登っているものなんですよ。常に進化し続けている。
これは他の作家などでも言えることで、そういう"天才の速度"を追いかけることができるという幸せこそが、アニメや小説などを味わう上で一番の醍醐味かもしれません。


・グラスリップ
第12話「花火(再び)」

脚本:西村ジュンジ/絵コンテ:西村純二/演出:安斎剛文/作画監督:竹下美紀、深川可純、朱絃、川面恒介、大東百合恵、秋山有希

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作品総評記事はこちら。↓
【アニメ感想】2014年夏クールアニメ総評・その2 「グラスリップ」―アニメの時間ではない、"作品固有の時間"―
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/40427133.html

またしても天才の所業。
毎週毎週常に驚かされっぱなしだった作品「グラスリップ」。「ピンポン」同様、どの話数も非常にレヴェルが高くてどれもランクインしておかしくないんですが、しかし1本選ぶとしたらやはりこの12話になってしまうでしょう。それくらい圧倒的な印象を植え付けてくれる回でした。
(3話の河原の会話、9話の月夜の告白なども捨てがたいんですが……!)

多分、「作品というのは理解できないと面白くない」「理解できることが面白さの最低条件」などと考えている人にとっては、何の価値もない作品だったと思います。
(でも「理解」なんて、作品を面白いと思うためにはほとんど必要のないものでしょう、実際)

しかし「考えるな、感じろ」という安易な言い方も、多分正しくない(少なくとも僕はそんな言葉で納得できない)。
考えて考えて、とにかく考えて、それでもわからない。だけど考え続けたいと思えるほどの原動力を与えてくれる何かがこの作品にはある、と思えることが、この作品の価値ではないか、と今では思います。だからこそ、何度でも見返したい。
そういう見方をさせてくる辺り、やっぱり押井守の弟子筋だなーって感じですがw

総評記事含めていろいろ言ってますけど、こんなのでこの作品の魅力を説明できるわけがない。
自分で見て、自分で考える。実際のところ、それ以外にないと思います。ああ、当たり前のことを書いてしまった。


・四月は君の嘘
第3話「春の中」

脚本:吉岡たかを/絵コンテ:神戸守/演出:いわたかずや/作画監督:河合拓也/演奏作画監督:浅賀和行

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個別感想記事はこちら。↓
【アニメ感想】「四月は君の嘘」とどまることを知らないハイクオリティ!
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/41083733.html

上の3つが天才の所業だったとすれば、こちらは圧倒的に精緻な職人芸という感じでしょうか。現行放送中で、個人的に今一番注目している作品です。

これまたどの話数も極めて甲乙の付けがたいレヴェルの高さで、全部まとめてランクインさせたいところ。
演出的な好みで選ばせていただくなら、上の記事にも書いてますが、一番技巧の効いていた第3話になりますかね。
Aパートの演奏シーンなんか、労力的には滅茶苦茶凄いことやってるのに、その凄さをあえて目立たせずさらっと流す辺り、非常にストイックで真のプロの仕事だと感じました。
そう、本当に凄い人はわざわざ凄いものを凄いと主張したりしないんですよ(また知ったようなことを

一方でこの作品には、最近の記事にも書きましたが(↓)、ぜひ突き詰めてほしいテーマ的な問題がありまして、今後どう描かれていくかとても楽しみだったりします。後半クールの話数が、来年のベスト10に入ることを願って。

【アニメ感想】2014年秋クールアニメ 最終回付近の感想その2
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/42009558.html


・ソードアート・オンラインⅡ
#22「旅路の果て」

脚本:菅原雪絵/絵コンテ:小島正幸/演出:西片康人/作画監督:仁井学、梅津茜、平野絵美

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個別感想記事はこちら。↓
【アニメ感想】2014年秋クールアニメ 5~10話くらいの感想その1
http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/41740810.html

SAO2期は、途中までは1クール目のアクションの凄かった話数のどれかから選ぼうかな、なんて考えていたんですが、22話を見て、いやどう考えてもこれしかないぞと意見を改めた次第。
理由としては上の記事に書いた通りです。2クール目すべてをかけた大トリックだった……

もちろん続く23、24話も素晴らしかったのですが、まあこの2話は22話を見た時点で正直予想のつく内容だったので、ひとつ選ぶなら、それらの契機となったこの話数に。できるならこの3話分まとめてランクインさせたいところなんですけどね。

あとはまあ、現実的に在り得る未来の方向性(技術的にだけでなく、思想的にも)を指向した作品というのは、見ていてわくわくするものだな、なんて思ったりも。
やっぱりSFというのは、単なる絵空事じゃなくて、現実にこうなったらいいな、という期待を抱かせてくれるものが、僕は好きです。そういう意味では、もはやロボットアニメなんてSFじゃないもんな、という認識(別に差別的な意味はなく、むしろあれはもう古典芸能の部類だろうという話)。



以上、個人的にベストだと思う10本でした。
今年も何だかんだとレヴェル高かったですね。
この中にランクインはしないけど面白かったという作品ももちろんたくさんあります。

具体的に挙げると、

・凪のあすから(2クール目)(特に西村純二脚本回)
・いなり、こんこん、恋いろは。(特に5話)
・ノーゲーム・ノーライフ(6、9、11話辺り)
・蟲師 続章(全部)
・僕らはみんな河合荘(特に1話)
・ヤマノススメ セカンドシーズン(作画回全般)
・Free! -Eternal Summer-(オーストラリア行く回)
・大図書館の羊飼い(8話、山内回の9話)
・グリザイアの果実(エンジェリック・ハゥル編)
・SHIROBAKO(特に12話)

辺りは最後まで入れるかどうか迷いました。
「蟲師」なんか、どの話数も素晴らし過ぎるせいで結局1話に絞れなかった、という理由ですからw

作画オタク全開で行くなら、「ヤマノススメ」の憲生回と「SHIROBAKO」のカリ回は確定でしたw(一応自重しました)


はてさて、来年はいったいどんなアニメに出会えるのか……