毎年恒例の年納め企画、「話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選」に今年も参加します!
今年は全然アニメ感想書いていませんでしたが、まあ最後くらいは書いておこうかと。

・ルパン三世(第4シリーズ)
第13話「ルパン三世の最期」
脚本:高橋悠也/絵コンテ:富沢信雄/演出:小山田桂子/作画監督:湖川友謙、白井裕美子 

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実は最速放送が去年の12月25日だったので、厳密にはルール違反かもしれません(関西での放送は1月に入ってから)。ただ元々はイタリアでずっと前に先行放送されている作品ですし、いろいろ考えると基準があやふやになるので、まあ許してください((
この13話はルパン第1期の4話「脱獄のチャンスは一度」のオマージュになっており、原典のトリックを使いながらもそれが看破され、さらなる窮地に追い込まれたルパンが新たな方法で脱獄する、というまさに原典超えの構造になっています。
昔、アニメ様がどこかのコラムで「第1期のルパンが作中で一年もかけて脱獄を企てたのは、若さゆえのプライドだった、そしてその後ルパンはプライドに固執せずに盗みをただ楽しむようになった」というようなことを仰っていました。そして今回ルパンがわざわざこんな方法で脱獄を計画したのは、プライドではなく、(ラストの台詞で語られていますが)愛のため。いわゆるサザエさん時空のルパンシリーズですが、ここには間違いなくシリーズ40数年越しの「ルパンの在り方」の変化が見て取れます。これだけでもこの第4シリーズを作った甲斐があると思えるくらい感慨深い回でした。

・アクティヴレイド -機動強襲室第八係-
File 6「夢は、彼方の黄昏」

脚本:荒木憲一/絵コンテ:平野俊貴/演出:本間修/作画監督:小澤円、馬場竜一、山根まさひろ

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特撮関連の脚本家が数多く参加されており、特撮ファン(それもかなりマニアックなファン)的にニヤリとする部分の多かった作品、アクティヴレイド。井上敏樹好きとしては5話か8話を選びたいところですし、仮面ライダークウガ好きとしては荒川さんの緻密な地名描写に拘った1話なんかも外せないのですが、それらを差し置いてもランクインさせたかったのがこの6話。

コードギアスの谷口悟朗監督が、なぜ本作ではロボットをメインに据えなかったのかという理由付けになっており、ひいては現代のロボットアニメにおけるロボットの存在理由とは何なのかという構造にまで昇華されている、非常に挑戦的な話数でした。そもそもこういう話が作れる時点で、この作品が築き上げた土壌の強固さを称賛すべきなんですが、それは本企画とは直接関係ないので割愛。

ロボット愛に溢れつつも、ロボットというガジェットをとても客観的に、冷静に見ている(ロボットアニメの作り手ってこういう視点が欠けてる)という両面が素晴らしいと思います。


・ばくおん!!

第4話「おんせん!!」

脚本:西村ジュンジ/絵コンテ・演出:森邦宏/作画監督:小美戸幸代、岡崎洋美、福地友樹、小松香苗、大川美穂子、三浦雅子
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1話丸ごと通して漂うこの不条理感。やっぱり西村純二なんだよなあ。 

元々原作からして不条理の塊のような作品で、けいおんはパロるわ、バイクメーカーや自転車乗りまでディスるわでやりたい放題。アニメにするなら確実にブレーキがかかるところですが、一切手を緩めずストレートに打ち出しているところが、このクレーム社会の現代日本に活路を与えてくれるような情熱を感じさせてくれました。

全体的にはっちゃけまくってる本作ですが、中でもこの4話は初めて見たとき、「今までより明らかにぶっ飛んでるな。誰だ脚本」→ 西 村 純 二 のインパクトにやられてしまいました。他の監督脚本回も大概ぶっ飛んでいましたけど、4話は特に、深夜に突然ラーメンを食べに行く謎行動、唐突に現れる神様、西村純二特有の現実と幻想が曖昧になる感じ、そして最後の「ドゥカティは壊れないのです」からのハーモニーでED突入。完璧ですわ。

実は僕も昔、自転車で北海道を縦断した経験があって、それでちょっとは感情移入できるかなと思ったのですが、キャラがみんなイカれ過ぎててまったく感情の入り込む余地がなかった辺り、さすがだと思いました(謎 

あ、でもセイコーマートが神だという意見には賛成せざるを得ない。セイコーマートは神。


・あんハピ♪
#5「5月9日 迷子の登校風景」

脚本:田中仁/絵コンテ:湊未來/演出:伊部勇志/作画監督:橋本真希、井本由紀、向河原憲、井嶋けい子、原友樹、重松佐和子
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ブヒアニメ枠(そんなものはない)から1本。4話と迷いましたが、全体の完成度の高さ的にやっぱりこっちかなと。個人的に雲雀ちゃんが好みなので彼女の出番が少ないこの話数を選ぶのにちょっと躊躇いもありましたが()、それでもやっぱりこれですかね。他には7話を選ぶ人も多そう。
まあ、これは見ればすぐわかるタイプの面白さなので、特にコメントはなし。登校に1話丸ごと使うアニメは名作の法則ですな(キルラキル



・コンクリート・レボルティオ~超人幻想~THE LAST SONG
第24話「君はまだ歌えるか」

脚本:會川昇/絵コンテ:黒川智之、大塚健、石平信司、松尾衡、水島精二/演出:大久保朋、菱川直樹/作画監督:伊藤嘉之、小平佳幸、長谷部敦志、小田嶋瞳
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2クールかけて昭和のヒーロー史を総括し、寓話化するという壮大な取り組みに挑戦した作品、コンクリート・レボルティオ。僕がアニメにおいて重視しているのは、リズム・構造・志の3点ですが、この作品は後者ふたつが突出していました。

あまりの情報量の濃さに、僕自身まだ完全に咀嚼しきれていないんですけど、それでもこの作品を入れないわけにはいきませんでした。最終回を選ぶのはちょっと反則気味かもしれません。でもこの作品の場合、どこに着地するかが、どう我々の生きる現代に繋がっていくのかという分水嶺になるので、選ぶならやはりここになるのでしょう。

彼が選んだ道は正しかったのか。それはこれからゆっくり考えていきたい。


・planetarian~ちいさなほしのゆめ~
第3章「ゆめみの投影」

脚本:ヤスカワショウゴ/絵コンテ・演出:町谷俊輔/作画監督:横山謙次、生田目康裕 35f9bddf

WEB配信限定のアニメなので、「TVアニメ10選」に入れていいのかわかりません。ルール違反ならノーカウントでお願いします。
ただまあ、TVでやらなかったのがもったいないくらい良い作品だったことは間違いありません。

近年のkey作品は、群像劇というか、たくさんの仲間の繋がりみたいなものを重視していますけど、本作は主人公とヒロインの一対一の関係性がメイン。なのでいかにも初期の作品ならではという感じがしますし、同時に2000年代前半のセカイ系の雰囲気もあったりして、まさにその当時にオタクに染まった自分としては、何ともノスタルジックな気分に浸ることができました。

(ノヴェル形式で恐らく低予算であった点もキャラが少ない理由に絡んでいるでしょうし、そこから今話題の新海誠監督のインディーズ時代の作品群に関連付けたりもできそうですが、脇道に逸れすぎるのでここでは割愛)

マルチの時代から、我々オタクはアンドロイドに様々な幻想を託してきましたが、本作のそれは珠玉といってもいいくらい完成された存在に昇華されていたと思います。3話を選んだ理由は、プラネタリウムパートの美しさとラストの台詞の粋に打ちのめされたから。

ちなみに劇場版も観てきましたが、そちらも最高でした。もし映画もアリなら絶対ランクインさせたかった。


・甘々と稲妻
第7話「五平餅とだいぼうけん」

脚本:広田光毅/絵コンテ:佐野隆史/演出:備前克彦/作画監督:池内直子、渡邉慶子 84fd5001-s

全話通して安定して質が高く、1話だけ選ぶとなると非常に迷いました。まあでも、どうしても1話となるなら、ドラマ的な盛り上がりを考えてこれになるのでしょうか。 本作をドラマ的な視点で判定するのもなんか筋違いな気はしますけどね。

これもわかりやすいタイプの面白さなのでコメント省略。別にわかりやすいのがいけないという意味ではまったくなく、単に余計なコメントを付けるのが無粋だと思っているだけですので、悪しからず。要するに気の利いたことが言えないという、自身の表現力の無さゆえです。

・Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀
第九話「剣の神髄」

脚本:虚淵玄/操演・撮影:霹靂國際多媒體股份有限公司
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これはアニメなのか? そもそもアニメの定義とは何ぞや? そんな命題を揺さぶりかけてくる挑戦的な作品でした。 僕は、命のないものに命を吹き込む=アニメ(Animate)だと思っているので、本作もアニメだと認識しています。
その中で9話を選んだのは、どの話数も甲乙つけ難い中で、単にシリーズで個人的に一番気に入った台詞が入っていた話数だったからという、それだけです。
「正しいがゆえに騙される奴は大勢いる。騙されたことを悔やんでもいいが、正しくあろうとしたことは悔やむんじゃない」
虚淵玄はアンチヒーロー気質の書き手と思われがちですが、こういうハッとするような台詞も書かれる辺り、この人はちゃんと王道を知っているのだなと気付かされます。こういう台詞が1シリーズにひとつでもあると、それだけで「ああ、この作品を観てきて良かったな」と思えますね。

・響け!ユーフォニアム2
第十回「ほうかごオブリガート」

脚本:花田十輝/絵コンテ・演出:山村卓也/作画監督:池田和美 

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ユーフォニアムも1話だけ選ぶのは本当に難儀しました。ドラマ的には4話が完成されているし、5話の演奏シーンも良かったし、9話のラストの河原のシーン、そして12話と最終話の締めくくり方…… (あえて全国大会の演奏をカットして卒業パーティのほうを強調するというその心意気よ!)

しかしまあ、去年は久美子の主人公性という点で、小説において語り手という役割で担保されていたその主人公性を、それが成立しないアニメ版ではオリジナルパートで補ったという構造を評価して12話を選んだわけで。ならば今年は語り手の視点に関係なく、名実ともに主人公らしい行動を初めて起こした(=自身の強い感情の発露で他人を揺り動かした)この10話を選ぶのが道理ではないかと。というかこんな理由付けでもしないと、とても1話だけなんて選べません。

とはいえ、他人を揺り動かしたと言っても、その時点であすかは既に模試で良い成績を取っていて、久美子はそこから母親に直談判させる後押しをしただけなのですが、そこが安易に主人公の万能性に頼っていなくて、何ともまたいいなと思うのです。


・3月のライオン
第10話「贈られたもの1/贈られたもの2」

脚本:木澤行人/絵コンテ:黒沢守/演出:宮本幸裕/作画監督:よこたたくみ、野道佳代、藤本真由、杉藤さゆり、西澤真也
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この話数はかなり最近ですが、それでも選ぶ人が多いんじゃないでしょうか。Aパートをずっと静寂で溜めて溜めて溜めまくってからの、ラストの感情の爆発。この静と動の対比が非常に印象的でした(多分「静と動」ってフレーズも他で使われてそう)。

シャフトは昔はどちらかというとアクロバティックな搦め手の演出で派手に盛り上げることが多かったのですが、近年は何というか、地に足が付いてきているというか、堅実かつ良質な演出にシフトしていっている感じがしますね。個人的には昔の尖っていたシャフトもまた見てみたいのですが、今のシャフトもこれはこれで充分シャフトらしさを感じますし、こういうのもアリだなあと思うのです。


以上10選。今年は去年と比べると観た母数はやや少なめでした。なので、「あれが入っていないぞ!」というものの大半は、恐らく観ていない作品です。

正直、今年はあんまり面白い作品がないなあと思うこともあったのですが、それでもこうして10本選べているわけで、何だかんだと楽しめた1年なのでした。それに気付かせてくれたこの企画に、改めて感謝。

ちなみに毎年いつもランクインさせているポケモンとプリキュアシリーズですが、ポケモンは最新話数まで追いつけていない、プリキュアはギリギリ10選に届かなかったという理由で選外としました(プリキュアはモフデレラの回を入れるか迷った)。プリキュアはまあ、さらに低年齢向けにシフトしていくという方針らしいので、仕方ないのかな。ポケモンはサンムーンの最初のほうだけ少し観ました。とても面白かったので、早くXY含めて追いつきたいですね。


・その他10選に入れようか迷った作品たち
昭和元禄落語心中
赤髪の白雪姫 2ndシーズン
僕だけがいない街
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
ふらいんぐうぃっち
甲鉄城のカバネリ
91Days
ユーリ!!! on ICE
灼熱の卓球娘


ではこの辺で。今後アニメ感想を再開するかはわかりませんが、この企画だけはまた来年も参加させていただきたい思っています。