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トレーナーを封じてしまえば何もできない!
旧裏環境屈指の極悪デッキ、『わるラフポルター』をご紹介!


サンプルデッキレシピ『わるラフポルター』

新殿堂×
(4点超過)
杉並殿堂2019
高槻殿堂
(2019年7月度)
クラシック
レギュレーション
×
(ポケモン20枚未満)

ポケモン:19枚

トレーナー:31枚

エネルギー:10枚
10 超エネルギー

攻撃力★★★
耐久力★★
速度★★★★
安定性★★★★★
対応力★★★
オリジナリティ★★
完成度★★★★

デッキのコンセプト

「ポケモンカードゲーム」はその名の通り、ポケモン同士が戦う、ポケモンが主役のカードゲームです。
しかしながら、ポケモンだけで戦えるのかというと、実際はそうではなく、ポケモンを補佐するための「トレーナーカード」が非常に大きな役割を果たしています。

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旧裏環境でも、現行のサンムーンレギュレーションでも、半分以上のカードがトレーナーで占められているデッキは決して珍しくなく、むしろそちらが多数派と言っても過言ではないくらいかもしれません。

では、そんな重要な役割であるトレーナーカードを、まとめて全部封じてしまうポケモンがいたとしたら?

それが"わるいラフレシア"です。

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特殊能力「アレルギーかふん」は、場にいるだけでお互いのトレーナーカードの使用をすべて禁止してしまうという、とんでもない効果。

これ以降に作られたラフレシアのカードは、これのリメイク的な能力持ちも多数いますが、それでも「バトル場限定」だったり、「封じられるトレーナーの種類が制限」されていたりと、いくらかマイルドな性能に抑えられています。

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「バトル場でもベンチでも」「何の条件もなく」「あらゆるトレーナーをすべてロックし続ける」ポケモンは、ポケモンカードの歴史上、後にも先にもこのわるいラフレシアだけなのです。



とはいえ、パッと見ただけでは、何がそんなに強いのかわからないという人も多いかもしれません。
相手だけでなく自分もトレーナーが使えないのですから、自分だって困ってしまうのでは……?

確かに、これ単体ではなかなか使い辛い、難しいポケモンではあります。ワザも別に大して強くないですしね。
しかし、このわるいラフレシアには最高の相性を誇る、最強のパートナーがいるのです。

それが、ゴーストLV.26(Green)!

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エネルギーわずか1枚で撃てるワザ「ポルターガイスト」は、相手の手札を見て、その中のトレーナーの数だけダメージを与えるというもの。
おわかりでしょうか。「アレルギーかふん」でトレーナーが使えない状況下では、手札にはトレーナーが溜まっていく一方。そこに「ポルターガイスト」を撃ち込めば、とんでもないダメージが出せてしまうのです!

旧裏環境の1エネワザは、せいぜい20~30点も出せれば充分という水準。しかしこの「ポルターガイスト」はそんな水準を軽く超え、しかもターンが経つごとに勝手に威力が上がっていきます。
旧裏の多くのポケモンはHP50~100程度ですが、あっという間にそれらを一撃で倒せるくらいの火力に達するわけです。たった1エネのワザなのに!


そんな中で反撃しようにも、トレーナーカードを封じられた相手は、ほとんど何もすることができません。
ポケモンカードは元々展開の大部分をトレーナーに頼っていますし、そもそもデッキの約半分がトレーナーで占められている以上、毎ターンのドローの1/2が無駄カードに変わってしまうわけで、そんな状況でろくに反撃などできるわけがありません。


トレーナーロックで相手の反撃を封じ、使えなくなった手札を火力に変換して勝利する。それがこの『わるラフポルター』なのです。


デッキの使い方

次はもうちょっと具体的な話。このデッキで戦う際の基本的な流れを説明していきます。

わるいラフレシアでロックして、ゴーストで攻撃するデッキなので、序盤は当然、ナゾノクサとゴースを展開するところから始まります。

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わるいラフレシアは1体だけで機能するので(そもそもデッキに1枚制限ですし)、ナゾノクサも1体展開すれば充分。しかしゴースに関しては、戦える頭数が多いに越したことはないので、できる限り複数展開していきたいところです。

理想としては、1ターン目にナゾノクサ、2ターン目にわるいクサイハナ、3ターン目にわるいラフレシアと最速で進化させたいので、ドローカードはバンバン使っていきましょう。
(一応「ポケモン育て屋さん」も入っているので、最速2ターン目には出せますが、これはどちらかというとナゾノクサが出遅れたときの保険的な役割のカードで、2ターン目から揃うことは滅多にありません)

ポケモンを速やかに揃えるために、このデッキにはポケモンサーチである「ポケモン交換おじさん」と「礼儀作法」がフル投入されています。普通のデッキなら合わせて4~6枚程度の採用で充分ですが、このデッキは速攻命なので、可能な限り採用。

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また、もうひとつ展開要員として重要なのがピィ(プロモ)です。
ワザを使って2枚ドローという地味なポケモンですが、少しでも展開の確実性を上げるために、なるべく1ターン目からバトル場に出して使っていきたいところ。

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このデッキはナゾノクサ以外は全員にげるゼロなので、初手にポケモンサーチが1枚でもあれば即座にバトル場に出せますし、エネルギーも3ターン目にゴーストに貼るまでは特に必要ないので、ピィのために割く余裕もあります。1~2ターン目は「ピッピッ」に徹し、とにかく1枚でも多くドローして、確実に"3ターン目わるいラフレシア"に繋げましょう。

そして3ターン目にわるいラフレシアを出せたところで、ゴーストが2~3体、エネルギーも2~3枚確保できていれば完璧です。
ここまでで「エリカ」を何回か使っていれば、相手の手札もそこそこの枚数になっているでしょうし、「ポルターガイスト」でガンガン攻めていけます。逆に相手の手札がまだ少ないようなら、手札が溜まるまでいったん「ナイトメア」で様子見が吉です(あるいはしばらく「ピッピッ」を使い続けるという手も)。

いずれにしても、わるいラフレシアを出した時点で相手の展開はほぼストップするので、あとはゴーストの物量さえ整っていれば、攻め勝てるはずです。


カード個別解説

ゴース(化石)×4、ゴーストLV.26(Green)×4、ゲンガー(化石)×1

メインのゴース、ゴーストは当然フル投入。

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ゴースは進化前のたねポケモンでありながら、HP50かつにげるゼロ、弱点なしで抵抗力持ち、おまけにマヒの足止めワザまで持っているという、至れり尽くせりのハイスペックポケモンです。

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ゴーストは「ポルターガイスト」がメインワザですが、「ナイトメア」もなかなか侮れない性能。表ならねむり、裏ならこんらんと、妨害性能が非常に高く、状況によってはこちらを使っていくこともよくあります。HP70と絶妙に高い耐久も魅力的。

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ゲンガーはデッキの基本コンセプトには直接関係ないポケモンですが、単体のカードパワーが高いので、1枚だけ採用。
特殊能力「のろい」は相手のダメカン1個移動という地味な効果とはいえ、最大HPの低い旧裏環境ではHP10の差が勝負を分けることも多く、意外と使える場面はあります。後述するわるいゲンガーと組み合わせると、さらに凶悪に。
ワザ「ナイトヘッド」は3エネ必要なので、積極的には使いませんが、ベンチ狙撃ができるので、「のろい」を併せて一度に2体倒すなんて動きも可能。主にフィニッシュに使います。2進化でありながらにげる1という軽さも偉い。


わるいゴースト(neo4)×1、わるいゲンガー(neo4)×1
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ゴース4枚に対して、その進化型のゴーストが計5枚という偏った配分ですが、ゴーストLV.26(Green)はデッキのメインカードなので削れず、このわるいゴーストも特定の相手への対策として必須のポケモンなので、このようにせざるをえませんでした。

さて、この『わるラフポルター』の凶悪コンボには、いくつかの致命的な欠点があります。
そのひとつが特殊能力対策、具体的にはベトベトン(化石)とププリン(neo2)です。

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ベトベトンはすべての特殊能力を消す、そしてププリンはピンポイントで1体の特殊能力を消すという能力持ちで、どちらもわるいラフレシアにとっては天敵です。特にププリンは使用者の番にだけ働くので、相手だけ一方的にトレーナーロックを解除できてしまうのです。

どちらも出されるとプランが全崩壊しかねない強敵なので、これらへの対策としてわるいゲンガーを入れています。

ワザ「ひきずりこむ」は3エネとやや重いですが、確定で「突風」効果が付いているのが大きく、これでベンチから引っ張り出して、ププリンは確定1発(ププリンがベンチにいる場合はベイビィ判定も必要ない!)、ベトベトンも弱点を突いて2発で倒せます。

なのでこれらのポケモンを出された場合は、まず全力でわるいゲンガーを育てていきましょう。

そもそもわるいゲンガーは、これらの対策に関係なく、普通に使っても充分に強いポケモンです。特にゲンガーの「のろい」との組み合わせが非常に強力。
わるいゲンガーは「ふかいねむり」でねむりのコイン判定を2回に増やして回復させにくくするのが強いのですが、相手を倒してしまうと返しに普通に攻撃を喰らってしまうという欠点があります。
それを解消するのが「のろい」。「ひきずりこむ」と「のろい」で相手の残りHPを10に調整してから、次の「のろい」でその相手を倒すことによって、新しく出てきた相手をまた「ひきずりこむ」で眠らせることができるのです。
2進化2体のコンボ(しかもデッキに各1枚)なので、一見揃えにくいですが、このデッキはドローもサーチもサイド落ち対策も豊富なので、案外決まります。わるいラフレシアを出すのが難しい場合などには、積極的に狙って行きたい動きです。


ナゾノクサ(ジャングル)×2、わるいクサイハナ(R)×1、わるいラフレシア(R)×1
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ロックのメインパーツ。草エネルギーが入っていないので、もちろんワザは撃てませんが、特殊能力だけで充分。
ナゾノクサの種類はどれでもいいんですが、ナゾノクサ(R)だと、相手のピクシー(ジャングル)の「ゆびをふる」などで「どくのこな」をコピーされるのが厄介なので、ワザの弱いナゾノクサ(ジャングル)に。ナゾノクサ(neo1)はHPは低いものの、1エネで回避ワザが撃てるので、選択肢としてなくはないといった感じです。

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初手のたねがこれ1枚というパターンを避けたいので、2枚のみの採用ですが、逆に相手の「突風」を警戒するなら3枚に増やしてもいいと思います。

わるいクサイハナの「くさいかふん」も相手をこんらんさせられるというなかなか強力な効果で、活きる場面も多々あります。
自分がこんらんしてしまうリスクもありますが、このデッキはにげるゼロのポケモンが多く、こんらんになっても解除しやすいですし、ゴーストに進化させる直前のゴースがバトル場にいるときなどは、実質ノーリスクになります。


ピィ(プロモ)×2
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先に述べた通り、このデッキの地味に重要な潤滑油。
基本的に序盤の展開はゴースとナゾノクサを並べるところから始めたいのですが、手札が事故ったりして、展開が遅れそうなときは、それらよりも優先してピィを引いてきて、ドローを進めることもあります。

腐ってもベイビィポケモンなので、相手の攻撃を足止めできうる点も普通に優秀。わるいラフレシアを出した後も、ゴーストの数が足りないようなら、しばらく「ピッピッ」で手札補充に努めるのも得策です。どうせ数ターン経てば「ポルターガイスト」の威力は勝手に上がっていくので。


コラッタ(R)×1
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わるいラフレシアがサイド落ちしたら困るので、サイド落ちケア要員として必然の採用。他にも細いわるいゲンガーラインの回収に使うことも。
もちろんドローカードを戻してドロー基盤を安定させる役割も重要です。ただ、それで代わりにわるラフがサイドに行ったら泣くしかないですが……(笑)


ドロー&サーチカード
(ウツギはかせ×4、エリカ×4、オーキドはかせ×3、ナツメの眼×3、クルミ×2、ポケモン交換おじさん×4、礼儀作法×4)

サーチカードの重要性については上述したので省略。
それ以外で目を引くのは、「オーキドはかせ」を3枚に留めた点でしょうか。「オーキド」は普通のデッキなら4枚確定採用ですが、このデッキの場合、「エリカ」でどんどん手札が溢れていくので、「オーキド」の手札トラッシュとは相性が悪いということで、思い切って1枚減らしました。わるいラフレシアを捨てるリスクもありますし。

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逆に「エリカ」と相性の良い「ナツメの眼」は多めの3枚。これは単純に手札入れ替えができるだけでなく、相手の手札を掻き乱すことで、「ポルターガイスト」の対策をしにくくする効果もあります。ナゾノクサとゴースが見えた時点で、相手はトレーナーロックを警戒して、トレーナーをガンガン消費しようとするわけですが、そこに「ナツメの眼」を撃ってリセットしてやれば、相手の計算を崩せるわけです。

そして「エリカ」は、「ポルターガイスト」と相性が良いのでフル投入していますが、実を言えば、「エリカ」は可能な限り、わるいラフレシアが出せる前の1~2ターン目には使いたくないカードでもあります。というのも、1~2ターン目に撃っても、その時点でこちらはまだ無防備なので、普通に相手に展開を許してしまい、場合によってはわるラフ対策のカードにアクセスされてしまう危険性もあるからです。

なので理想としては、1~2ターン目はカードの使用は最小限に抑えたいところ。1ターン目は最低限ナゾノクサとゴース、あるいはピィまで出せれば充分、2ターン目はわるいクサイハナさえ進化できればOK(まだゴーストはなくてもいい)、と割り切ります(ここまではなるべく「エリカ」以外で回したい)。
そして3ターン目にガンガン「エリカ」を使って手札を補充し、適宜「ナツメの眼」でリフレッシュさせつつ、ゴーストとエネルギーを充分確保したところで、満を持してわるいラフレシア降臨、という流れが最高です。

もちろんいつもこんなに上手く行くわけではなく、途中で「エリカ」を使わざるを得ない場面も多いですが……
とはいえ、サーチカードを多めにしたおかげで、あまりドローに頼らずとも展開しやすくはなっています。場合によっては「エリカ」があっても使わず、ピィでドローしにいくという判断も重要。


ロケット団参上!×2
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コラッタ(R)と相性のいいサイド落ち対策カード。このデッキの場合、単にわるいラフレシアのサイド落ちケアというだけでなく、ロックが完成して攻め始めたときに、サイドから無駄カード(=トレーナー)を引かないようにする役割もあります。
いくら相手がロック状態とはいえ、わるラフを出すまでにはある程度展開されているわけで、ゴースト1~2体だけで応戦していくのは難しい場面もあります。そういうとき、サイドから引いてくるポケモンやエネルギーが生命線になることもあるのです。
なので、わるいラフレシアがサイド落ちしていない場合でも、なるべくロック成立前に使っておきたいカードと言えます。


ポケモン育て屋さん×1
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これを使えば一応最速2ターン目にわるいラフレシアを出すことはできますが、ただあまり急ぎ過ぎても、こちら側も大して準備できていないわけで、中途半端な物量では押し負けてしまう危険性もあります。

どちらかというと2ターン目降臨を狙うのではなく、1ターン目にナゾノクサが出せずに出遅れた場合の保険として入れています。それと、ゲンガー&わるいゲンガー進化の補助という意味合いも。


夜の廃品回収×1
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デッキ本来の動きを考えると、必要ないカードではありますが、やはり「オーキド」でわるいラフレシアをトラッシュしてしまうリスクを考えると、ゼロにはできませんでした。これも保険的な役割のカード。
また、相手によってはわるいラフレシアを出さずに普通にビートダウンする展開もありますが、そういうときは素直にゴーストなどアタッカーやエネルギーを補充するために使います。


ワープポイント×1、ふうせんのみ×1
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初手ナゾノクサスタートのケア。
「ワープポイント」は気持ち程度に相手の場に干渉できる手段として。「ふうせんのみ」はあらかじめわるいクサイハナに貼っておけば、わるいラフレシアに進化してからも発動できるため。この辺の配分は正直好みだと思います。
ただ、「ふうせんのみ」だけにするとヤミカラス(neo1)で詰みやすいので注意。


抵抗力低下ジム×1
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超抵抗対策。「ポルターガイスト」は最終的には抵抗力も無視できるくらいの超火力になりますが、それでもベロリンガ(ジャングル)などの高耐久ポケモンには、これがあるかどうかで遂行速度がかなり変わってくるので、1枚入れました。
いくらロックで展開を封じられると言っても、ベロリンガを壁に延々粘られたら、普通にベンチを育てられかねないので、何だかんだ速度は重要かなと。あと一応「錯乱ジム」対策の意味合いも。
他のスタジアムを入れるなら、「エネルギースタジアム」も候補だと思います。意外とエネルギーが欲しい場面は多いので。


超エネルギー×10
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従来の『わるラフポルター』は、ゴースト1体さえ立てば充分ということで、エネルギーは8~9枚に抑えることが多かったようですが、このデッキはゴースト複数展開を前提に、「ナイトメア」も積極的に使いたい、何ならわるいゲンガーまで立てたい……と、結構エネルギーが必要になったので、10枚まで増やしました。
これでトレーナーロック下でも、素で引ける確率も若干ですが上がりました。


その他採用候補

くすぐりマシーン
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このデッキの一番無防備な1~2ターン目に妨害手段として使えるカード。昔はコダック(化石)の「ずつう」で妨害していましたが、殿堂ランクの都合でわるいラフレシアと両立できなくなった今、代替候補として有力な1枚です。

コインが表なら1ターンの間相手は手札を一切使えないという、今でいうゲンガー&ミミッキュGXの「ホラーハウスGX」に近い性能で、決まればもちろん強力なのですが、所詮はコインですし、これ自体のスペースを作るのも難しいということで、今回は採用を見送りました。
とはいえ一応「礼儀作法」と「育て屋さん」を1枚ずつ削るくらいはできるので、もしかしたらアリかもしれません。1回だけでも妨害できればさすがに強い。


ミュウツー(コロコロプロモ)
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単体で優秀なアタッカー。「オーキドはかせ」をフル投入してガンガン展開していくタイプだと、トラッシュにエネルギーも貯まりやすいので、1ターン目から「エネルギーきゅうしゅう」を使う動きもできます。
ただ、このデッキだとにげる2個という重さがどうしても気になり、ピィでの展開も考えるとちょっと合わないかなと判断しました。


使用感・問題点

実際に使ってみましたが、デッキの安定性はかなり高く、高確率で3ターン目にゴーストを複数体並べつつ、わるいラフレシアまで持っていくことができました(ただ、回し方にかなり独特のコツがあるので、事前の練習は必須です)。特にピィには何度も助けられ、これが影のキーパーツになっていると改めて実感。

対戦が始まってしまえば、どんな相手でもほとんど関係なく、回して縛って殴って終わり!(これだけ読むと酷い表現)……と理想的な展開ができるのですが、ただ一番の問題は、対戦が始まる前のステップ。

先攻・後攻の決定です。

はっきり言ってしまうと、このデッキ、先攻だと滅茶苦茶強いのですが、後攻だと一転してかなり厳しくなります。

ポケモンカードは(というかポケカに限らず大体のカードゲームがそうだと思いますが)、大なり小なり先攻のほうが有利なのですが、このデッキの場合はそれが他のデッキ以上に極端に影響してくると感じました。

特に相手が2進化デッキの場合、こちらが先攻を取ってしまえば、3ターン目にわるいラフレシアを出した時点で相手はまだ1進化。直前に「ナツメの眼」で手札を掻き乱すことで、相手は2進化を立てられず、そのままこちらが押し切れるわけなのですが……

反対にこちらが後攻を取ると、先に相手に2進化を立てられてしまい、さらにそこから「突風」でわるいクサイハナが呼ばれて倒され……などと、かなり不利な展開を押し付けられてしまいます。特に『リザバク』相手だとこれが顕著で、先にバクフーン(neo1)を1体でも出されると、相手の基盤が安定して、制圧しにくくなることが多かったです。

2進化デッキに限らず、「わるいラフレシアを出す前に、相手に何回行動を許すか」がそのまま勝率に直結する、という印象で、先攻・後攻の差は物凄く大きかったです。
まあこれはプテラデッキなんかも同様に抱えている問題で、ロックデッキの宿命かなという気もしますが……

従来ならコダック(化石)で解決できた問題でしたが、それができない今となっては、これが『わるラフポルター』の限界かなと若干感じています(上述の「くすぐりマシーン」採用にまだ光明がありそうですが)。

とはいえ、先攻を取ったときの制圧力は凄まじいですし、一応後攻でも相手がある程度上振れない限りはそれなりに応戦できるので、デッキ自体のポテンシャルは非常に高く、充分にトップ環境でやっていけるデッキだとは思います。



基本的には相手に関係なく、こちらがやりたいことを押し付けていくデッキなので、デッキの有利不利というのはそこまでないんですが(ゴーストに弱点がないのも大きい!)、それでも苦手な相手というのはいくつか存在します。


厳しい相手
・ピクシー(ジャングル)
・『スライ』
・『ピュアグドラベトン』
・『錯乱エンテイファイヤー』


まず最悪の天敵がピクシー(ジャングル)。
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超抵抗で攻撃が通りにくい上に、「ゆびをふる」で「ポルターガイスト」をコピーされるのが非常に厄介。トレーナーロックはこちらも同様に適用されるので、現実問題として、こちらもトレーナーはどんどん溜まっていくのです。なので実は『わるラフポルター』が一番辛いのは、"自分も「ポルターガイスト」を撃たれること"だったりします。あと「ナイトメア」も地味にコピーされると困ります。

そして何よりピクシーが嫌らしいのは、進化前のピッピ(Blue)の「このゆびとまれ」。トレーナーを使わず、しかもたねポケモンのわずか1エネワザでわるいラフレシアを引っ張り出されるのは本当にやめてほしい(笑)

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これも超抵抗持ちなので、一度わるラフを逃がして「ポルターガイスト」で倒そうにも、倒し切れないことがほとんどですし、そうなるとまたわるラフが呼ばれてしまう……。ピッピ、ピクシー共に本当に厄介な天敵です。


『スライ』もなかなか厳しい相手で、ライチュウ(neo3)の「らいげき」+「プラスパワー」+「ポケモンぎゃくしめい」で、わるいクサイハナが落とされてしまうのが非常に困ります。しかも『スライ』側はこの動きを最速2ターン目にできるため、こちらが先攻を取ってもやられかねず、対策のしようがありません。『スライ』側もある程度ピーキーな動きは要求されますが、それでもトータルではこちらが相当不利です。


『ピュアグドラベトン』は余計なギミックを入れず、キングドラ(neo3)とベトベトン(化石)に特化したデッキですが、元々『わるラフポルター』(コダック入り)へのメタとして作られた(というか僕が作った(笑))デッキなので、その名残もあって、まあ普通に不利です。
ただのベトベトン入りデッキならわるいゲンガーでどうとでもなるんですが、このデッキはキングドラの物量と回復量が尋常ではないので、ベロリンガの妨害も相まって、かなり突破が困難です。これは実際に相手にしてみないとちょっとわかりにくいかも。「だくりゅう」のベンチダメージでゴーストが削られるのが地味にキツいです。


『錯乱エンテイファイヤー』はある意味最悪の相手で、そもそもトレーナーをほとんど入れていないので、ロックも「ポルターガイスト」もまったく刺さりません。それどころか先に「錯乱ジム」を貼られるとこちらが逆にロックされるという……
勝ち筋としては、「錯乱ジム」を出されたら死ぬ気で「抵抗力低下ジム」を引きに行って割り、あとはわるいラフレシアは諦めてわるいクサイハナとゴーストでひたすら特殊状態を撒いていく展開になります。
『錯乱エンテイファイヤー』は特殊状態の回復手段がないので、こういう搦め手はかなり刺さります。そのままわるいゲンガー&ゲンガーのコンボに持っていければ、何とか勝てます。とにかく「錯乱」を割れるかどうかが最大の関門。


逆にこれら以外の相手なら、先攻を取れれば高確率でロックして封殺勝ち、後攻でも五分五分くらいの試合には持っていけます。


一見すると、初心者には扱いにくいようにも見えますが、実際はこちらの動きをひたすら押し付けるだけなので、相手のカードに関する知識があまり必要なく、また、他のデッキ以上にドロー&サーチが重要なことから、旧裏特有のデッキの回し方の練習としてもうってつけで、意外と初心者にオススメのデッキと言えるかもしれません。

ただ、組もうとすると、拡張シートのアンコモンであるゴーストが4枚必須なのが、恐らくネックになると思われますが……
他のポケモンは比較的安価で、トレーナーも他のデッキに使い回しが効くものばかりなので、ゴーストさえどうにかできれば、組みやすいデッキではあると思います。