証券アナリストの資格をとるためにマクロ経済学の勉強をしていますが、難しいですね。IS-LM分析で引っかかってしまいましたので少し頭の整理をします。参考にしたのはビジネスの掟というブログなどです。

3.2マクロ経済
(1)GDP
国内総生産(GDP):新たに生産された財・サービスの付加価値の合計。
付加価値の合計は、総産出額から中間生産物の取引額の合計を差し引いたものに等しい。

GDP
生産:付加価値
分配:要素所得
支出

国内総産出=国内総生産(GDP)+中間生産物
国民総所得(GNI)=国内総生産(GDP)+海外からの純所得受取
国内総生産(GDP)=国内純生産(NDP)+固定資本減耗
国内総生産(GDP)=国内所得+間接税−補助金+固定資本減耗

国内所得+間接税−補助金=>国内純生産 +固定資本減耗=>国内総生産(GDP)+中間生産=>国内総産出

GDP=内需+貿易・サービス収支
GNP=内需+経常移転収支を除いた経常収支

GDP=C+I+G+EX
GDI(国内総所得)

GDP:間接税を含む、補助金を含まない、直接税は関係ない。

所得収支=GNP−GDP

GDP=C+I+G+EX(貿易サービス収支)

資金余剰=貯蓄−投資
貯蓄=所得−消費

利子率:お金の価格
 お金が安い(r↓)=>需要が増える(L↑)

(2)物価指数
ラスパイレス式:基準時:消費者物価指数
パーシェ式:比較時(現在):GDPデフレーター

(3)貨幣の機能
交換媒介機能
価値尺度機能
価値保蔵機能

(4)古典派とケインズ派

現実経済観 古典派・新古典派 ケインズ派
生産 自然率生産水準 現実生産水準
GDP Gap の存在

失業 完全雇用(自然)失業率 不完全雇用失業率

貨幣 価格伸縮的ゆえ実質変数に無影響 価格硬直的ゆえ実質変数に影響
⇔古典派の二分法・貨幣数量説

利子 資本市場(投資貯蓄需給) 貨幣市場(貨幣需給)⇔流動性選好
理論
⇒自然利子率 ⇒現実利子率

需要 ワルラス法則(予算制約)下の効用最大化解 生産物市場体系と貨幣市場体系の連立解

供給 利潤最大化及び費用最小化解 労働市場に関する諸モデル


古典派の二分法
生産物市場と貨幣市場は分離。貨幣供給量は物価水準を変化させるだけで実物経済(生産物市場)に影響を与えないとする貨幣数量説を主張。

古典派貨幣数量説
社会に流通している貨幣の総量とその流通速度が物価の水準を決定しているという理論。
 フィッシャーの数量方程式
 M*V = P*Y
  マネーサプライ×貨幣流通速度=物価×実質国民所得(GDP)
  M :マネーサプライ
  V:流通速度
  P:物価
  Y:GDP

 ケンブリッジ方程式
 M/P = k*Y
 実質マネーサプライ=実質貨幣需要
  M:マネーサプライ
  k:マーシャルのk(マネー・サプライを名目国民所得で割った比率)
  P:物価
  Y:実質GDP
  PYは名目GDPであり、ケンブリッジ方程式の要諦は「現金として保有される残高は名目GDPに比例している」

古典派の公準
古典派の第一公準:実質賃金は労働の限界生産力に等しい
古典派の第二公準:実質賃金は労働の限界不効用に等しい

流動性の罠
金融緩和により利子率が一定水準以下に低下した場合、通常の金融政策が効力を失うこと。

ケインズ
有効需要の原理・流動性選好説・乗数効果の理論

有効需要の原理
GDPの大きさは有効需要の大きさに一致して決まる。経済全体の有効需要の大きさが、国民所得や雇用量など、一国の経済活動の水準を決定するという原理。価格や賃金が調整されないほどの短期においては、需要と供給の不一致を解消するためには、財の数量を調整すること(数量調整)しかできないという考えに基づいている。つまり有効需要が発生した後で、供給が調整されて需給が一致するということである。

流動性選好説
利子は貨幣の流動性を犠牲にすることの対価(貨幣の流動性を人々が手放すために必要な利子の水準)であるために、貨幣需要量は利子率の減少関数

乗数効果
投資を増やす → 国民所得が増加する → 消費が増える → 国民所得が増える→ さらに消費が増える → さらに国民所得が増加する → さらに消費が増える→ ・・・。尚、ケインズ派の乗数理論においては、不完全雇用の経済が前提となる。

セイの法則(古典派)
供給はそれ自身の需要を創造する。

完全雇用
非自発的労働者がゼロの状態。

自然失業率
経済が持続可能な最大生産水準にある場合において存在する失業率。
完全雇用(労働市場均衡)=>自発的失業率はゼロ。但し完全雇用のもとでも労働のミスマッチなどによる失業は存在する=>自然失業率:総需要によっては変化しない、制度・構造の変化により変わる。

自然失業仮説
予期しない物価上昇=>短期:貨幣錯覚=>失業率↓
         =>長期:合理的期待=>失業率一定

フィリップス曲線
インフレーションと失業の関係を示したもの。縦軸にインフレ率(物価上昇率)、横軸に失業率をとったときに、両者の関係は右下がりの曲線となる。フィリップス曲線とは、「失業率を低下させようとすればインフレーションが発生」し、「インフレーションを抑制しようとすれば失業率が高くなる」ということを表した曲線。フィリップス曲線と横軸が交わる点は、インフレ率(物価上昇率)をゼロにするような失業率となる。この失業率を自然失業率。

ケインズ型消費関数
C=c0+cY
 (基礎消費)限界消費性向

平均消費性向=C/Y(消費/所得)

乗数
輸出入なし
1/1-c

輸出入あり:所得の一部が海外にもれる分乗数は小さい
1/1-c+m

固定税
 Tの乗数 -c/1-c+m
 その他 1/1-c+m
比例税
 1/1-c(1-t)+m

(5)IS-LM分析
財市場と貨幣市場の均衡

IS(Investment Saving:投資貯蓄)曲線
LM(Liquidity Preference Money Supply:流動性選好マネーサプライ)曲線

利子率と国民所得のグラフ

IS曲線:右下がりの曲線
財市場(ものやサービスを売買する市場)における均衡
利子率が上がる=>個人や企業は投資をせずに貯蓄を行う。企業が貯蓄を行うと社員への給与は減る。新規投資が減ることで雇用や仕事が減る=>国民所得が減る。

r↓=>I↑=>Y↑(IS曲線右下がり)
右シフト=>Yd(総需要)↑

投資の利子弾力性がゼロ=反応しない
r↓=>I不変=>Y不変
IS曲線が垂直

LM曲線:右上がりの曲線
貨幣市場(貨幣を取引する市場:日本銀行が貨幣を供給し経済主体(家計、企業、政府)が貨幣を需要)における均衡国民所得が増える=>貨幣需要が高まり相対的に投機目的の貨幣への供給が減り債券への需要が減少する=>債券価格下落=>利子率は上昇。

M↑=>r↓(LM曲線;右シフト)
P↑=>r↑(LM曲線:左シフト)
Y↑=>r↑(LM曲線:右上がり)

流動性の罠
貨幣市場の利子弾力性が無限大=>利子は最低水準で一定

財政政策
G↑(財政支出)=>Y↑=>r↑=>I↓=>Y↓
(クラウディングアウト効果)

不況と財政政策
財:投資の利子弾力性がゼロ
貨:流動性の罠
=>クラウディングなし=>財政効果は非常に有効

金融政策
M↑=>r↓=>I↑=>Y↑
(貨幣需要の利子弾力性が有限)(投資は利子率に関して弾力的)
不況と金融政策=>無効

投資の利子弾力性がゼロ
貨幣の利子弾力性が無限大
=>有効(流動性の罠)

  IS水平  LM水平
財  小   大
金融 大   小

 IS
| *=>*
| * *
| * *
|*********LM
| * *
| * *
|_____________

投資の利子弾力性が無限大
貨幣の利子弾力性がゼロ
=>有効

 LM
| *=>*
| * *
| * *
|*********IS
| * *
| * *
|_____________

実質賃金
 非自発的失業
|*
| *   *労働供給(求職)
|  * * 古典派の第2公準(家計の効用最大化)
|   *
|  *  *
| *    *労働需要(求人)古典派の第1公準(企業の利潤最大化)
|_________労働量

完全雇用量=>完全国民所得

      古典派
P↓=>W/P↑=>名目賃金は伸縮的=>W↓(W/P*に戻る)=>常に完全雇用=>生産量は完全雇用国民所得で一定
      ケインズ
      =>名目賃金は下方硬直的=>Wが下がらない(w/pで高止まり)

自然失業率:非自発的失業がゼロ

(6)AD-AS分析
財市場と貨幣市場と労働市場(労働力を取引する市場)の均衡
3つの市場を需要側と供給側にわけると、財市場と貨幣市場は需要側(消費・購入)の動きを表し、労働市場は供給側(生産・販売)の動きを表す。

AD(Aggregate demand:総需要)曲線
AS(Aggregate supply:総供給)曲線

価格(物価)と国民所得のグラフ

AD曲線:右下がりの曲線
財市場と貨幣市場を均衡させる「物価水準と総需要」の組み合わせ。
縦軸に物価、横軸に総需要を目盛にとったグラフで、「物価と総支出」の相関関係を表す右下がりの曲線。

AS曲線:右上がりのグラフ
労働市場を均衡させる「物価水準と総供給」の組み合わせ。
縦軸に物価、横軸に総供給を目盛にとったグラフで、「物価と生産量」の相関関係を表す。ケインズ学派は水平もしくは右上がり、新古典学派は垂直。

AD曲線
P↑=>r↑ => I↓=>Y↓
物価 利子率   投資 国民所得
 貨幣市場     財市場

AS曲線
物価P↑=>実質賃金↓=>労働需要↑=>国民所得Y(ケインズ)
          =>完全雇用=>Y一定(完全雇用国民所得)
(7)インフレの要因
ディマンドプル
P
|*     *
| *=> * G↑
|  * *  M↑
|   *
|  *  *
| *    *
|_________Y
総需要↑=>インフレ、GDP↑

コストプッシュ
P
|*     *
| *   * 生産コスト↑
|  * *   原油価格↑
| ↑ *   生産性↓
|  *  *
| *    *
|_________Y

生産コスト↑=>インフレ、GDP↓(スタグフレーション)

デフレギャップ:物価下落圧力の指標(供給>需要)
インフレギャップ:物価上昇圧力の指標(供給<需要)

フィッシャー式
実質金利=名目金利−期待物価上昇率