2009年07月23日
ツユクサ夏休み自由研究
◆Shoさんのツユクサ研究まとめ (2004年8月4日)
散歩の折りに見つけたツユクサの二段咲きに興味を覚え、知識として知っていた「ツユクサは1つのホウから花を2度咲かせる」が事実かどうかも併せて調べることを思い立ちました。
試行錯誤の観察経過は、6月29日と7月3・4日のレポートで発表したとおりですが、7月5日から更なる観察を続けると、少し違っていることがわかりました。


開花前のホウの中の2個のツボミは、大きい方が1度目に咲く花になるもの、小さい方が2度目に咲く花になるものです。2度目に咲く花は両性花が多く、まれに雄性花がある程度で、予想とは異なりました。
また、二段咲きは、1度目に咲く花の所と、通常花芽を持たない針状の先端(左写真の〇印の所)に花を咲かせます。ここに、両生花か雄性花を咲かせます。しかも両生花が咲いても、これは種を作る子房がない花でした。
これらのことが判明したのは、両性花が咲いた後に、確かに雄性花が咲くのかどうか、何日後に咲くのかを7月5日から調べた結果によります。
初めて咲いた両性花に印を付けて、毎朝6時に記録をとりました。
7月5日 14個の両性花に印 → 7日に両性花1個 8日に両性花4個と雄性花1個 咲く
7月9日 10個の両性花に印 → 11日に両3 12日両1・雄1
7月13日 10個 → 15日両5・雄1 17日両1
7月15日 10個 → 17日両1
7月17日 20個 → 19日両1 20日両1 21日両1・雄1 22日両2
7月19日 15個 → 20日両1 21日両1 22日両4・雄2 23日雄1 24日両2
| 印をつけた花 | 両性花 | 雄性花 | 合計 | 確率 |
| 14 | 5 | 1 | 6 | 42% |
| 10 | 4 | 1 | 5 | 50% |
| 10 | 6 | 1 | 7 | 70% |
| 10 | 1 | 0 | 1 | 10% |
| 20 | 5 | 1 | 6 | 30% |
| 15 | 8 | 3 | 11 | 73% |
| 合計 79 | 29 | 7 | 36 | 45% |
という結果を得られました。以上のことから次のことがわかりました。
1・・最初に咲く花は必ず両性花です。
2・・2度目が咲く場合は、1度目が咲いた翌日〜5日目までの内に咲く。
3・・2度目の花は両性花が多く、たまに雄性花も咲く。
(2度目は雄性花と思ったのは違っていた!)
4・・2段咲きの花は3個目の花(ふつうなら2度目の花に相当)を付けるものも有った。
花の構造なども本と実物を較べながら観察をしました。
本ではメシベと並んでいる長いオシベだけが花粉を出すと書いてありましたが、中間の長さのオシベも少し花粉を出していることが確認出来ました。半日花ですが、花が終わるときにオシベとメシベを同時に巻き込んで、自家受粉出来ることも納得できました。
短期間の少ない個体数の観察でしたが、本だけでは得られない発見がいくつか有り、1ヶ月弱の観察で次のようなことが解りました。
1・・二段咲きは突然変異的に起きる。その株からはかなりの頻度で、次々2段咲きが現れる。
2・・二段咲きでも下の花は必ず両性花で、上の花は両性花の時と雄性花の時とがある。
3・・1つのホウから2度花を付けるのは事実だが、全部ではない。
4・・1度咲いた花はホウの外に咲きカスが残る。(ふつうの花でも残るが、何度目の花かが容易に解るし、ホウに目印をつける時、結果を読み取る時などの判断基準として重宝した)
結論を急がなくても、とりあえずこれだけのことが解ったことは大きな収穫です。これを踏み台にして、もっと長期に個体数も多くして、より正確なデーターをとりたいと思います。新たな発見がきっとまだ沢山あると思います。
sanpo:7月5日からの地道な観察は大変だったと思いますが、して良かったですね。最初は「両性花が咲いた後に雄性花が咲く」と思っていたのですから、観察をしなければ、間違って早とちりするところでした。2度目の花が咲く割合も45%、雄性花が咲くのはほんの10%足らずなんですね。
それから、「なぜ雄性花も咲くのか」という疑問があったでしょう?私は、「花蜜を出さず花粉だけで虫を呼ぶ虫媒花なので、自分はうまく受精できても、他の花のために2度目に花粉だけの花を咲かせる」と推測したんだけど、10%足らずなら、それほどの意味は無いかもしれませんね。
私はこんな観察はとてもできませんが(こんなことをする人がいるとも知らなかった)、来年の更なる発見を楽しみにしています。
Sho 8月5日
なぜ雄性花が咲くか?の疑問点は、やはり花粉を運んで貰って他のツユクサに受粉してもらえば、50%は自分の形質を持った種子ができるからでしょう。ツユクサという種全体の繁栄のためにもなるが、一番は自分のため。植物でも動物でも、自分の形質をより多く残す事に腐心しています。ツユクサはイチゴのように匍匐して茎から根をだしても殖えていきます。クローン、受精、匍匐と多彩な繁殖方法を用いてツユクサはしたたかに生きているのに、改めて感心しました。
sanpo:長い間の観察お疲れ様でした。夏休みの自由研究にピッタリですね。ちょっと小・中学生には難しすぎるでしょうか?夕方の買い物の時、家々の庭や鉢植えの花を眺めて、これらのどの種類の花にもドラマや謎がいっぱいあるのだろうか、すごいことだけど気が遠くなると思いました。
一つ質問です。予想に反し、2度目の花は両性花のほうが多いということでした。2度目に両性花が咲いた場合、それもまた受精するのですか?それとも、2段花の時のように「両生花が咲いても、種を作る子房がない花」なんですか?ほんとうに次々疑問だらけで、研究は大変ですね。
Sho
2度目に咲いた両性花には、種子ができます。我が家で白花のツユクサを毎年育ています。秋になって種を採るのですが、1つのホウから3粒の種がとれます。6粒のときもありました。今にして思えば、6粒の時は、2度両性花が咲いたホウだったのだと思います。
Amaさんより 8月6日
「ツユクサの研究」興味深く、え?、うん!といろいろ考えながら読んでいました。ともかく貴重なご研究と敬意を表します。ツユクサを見る目が変わったことは確かです。
最初は両性花、2度目も両性花が多いが、雄性花もある、ここまではよく理解できるのですが、二段咲きの場合はその両性花が子房を持たないのですか?
なぜ雄性花が咲くのかという問いへの答えは説得力あり、ドーキンス博士の利己的遺伝子という奴ですね。このような地道な観察をなさってるなんて、ホントに凄いと思います。
Sho
二段咲きの片方は本来花芽を付けない場所に花を付けたのですが、単に突発的なのか、将来的にその場所に花を付ける為の前段階なのかと考えるのも面白い。いまの段階では種を作る組織を持っていないようです。
《 余 談 》
ドーキンス博士の利己的遺伝子があてはまるかは、ボクには解りませんが、そうかもしれませんね。おかげで若い頃を思い出しました。「生物ー生存機械論」読みました。もう一方の旗頭グールド博士(「パンダの親指」「ニワトりの歯」などでした) との議論の応酬が本を通して発表されていました。懐かしい。このころは、様々の人の進化論の本にどっぷり浸かっていました。
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コメント一覧
植物学者の世界ですよね。
花の名前さえ覚えられれば、それで嬉しい私には気が遠くなりそうです。
頭が疲れきってしまいましたので、明日から夏休みにしちゃいます。
日本語は難しいので、もしかしたら意味を取り違えているかもしれませんが、「自分の専門領域の活用を読んで」というのは、ぷらっとくんのこと?どういう分野が専門ですか?
ayaさんへ
長かったので読んだだけで疲れたでしょう?ゴメンナサイ。
頭が痛くなる人もいるかと、掲載をためらったのですが、でも、こういう世界もあるということを知るだけでもいいでしょう?私はとてもこんな観察はできませんが、何からでも学べるし、よく見れば見るほど新しい発見もあるのでしょうね。
昨日、恐れをなして途中で我が家に逃げ帰ってしまいました。
私は夏休みはしません。毎日グータラしてるので…
長い難しい記事を2日にわたってゴメンナサイ。頭が痛くなるのが普通ですね。
でも、あの頃は悩み悩み読みましたが、以前よりは理解して紹介できたように思います。




