2006年03月24日

波の盆

ドラマ「波の盆」をやっと見た。
DVDをネットで予約して待つこと3ヶ月。昨日届いた。
武満徹作曲の「波の盆」のテーマソングは、札響で散々演奏してレコーディングまでした。
先月の札響定期で演奏した「波の盆」はもうほとんど神懸ったトランス状態と言っても
過言ではない演奏だったと思う。死人が出るのではないかと思ったほどだ。
しかし肝心のドラマはまだ見ていなかったのだ。

たった今見終った。
日テレ制作のドラマで、倉本聰の脚本、笠智衆はじめ出演者の演技も良かった。
太平洋戦争に巻き込まれたハワイの日系人家族の話しだが、ヘビーなテーマの
割にドラマ全体を通してノスタルジックな美しさに彩られた印象をうけるのは
武満の音楽の功績も大きいのだと思った。

グッとくるドラマなので、まだ見ていないかたには是非お薦めした。

武満と言えば、
ノンノン・マリア弦楽四重奏団というカルテットを札響のメンバー4人と立ち上げた。
演奏会のチラシが明日の定期から挟まる。
武満の弦楽四重奏曲「ア・ウェイ・ア・ローン」も演奏するので、是非お越しいただきたい。
「ア・ウェイ・ア・ローン」は東京カルテットが武満の委嘱して出来た曲だが、
作曲家自信が弦楽合奏用に編曲した「ア・ウェイ・ア・ローン供廚鮟蕷蕕靴燭里
札響である。だから札響はもっと威張っていいのだ・・たぶん。

演奏会は6月29日(木)。
近いうちに当HPでも詳しく告知します。
チケット買ってください。よろしくお願いします。m(__)m  

Posted by arakihitoshi at 01:11Comments(11) │ │音楽 

2006年03月15日

太助とパパとD70の関係について

昨日は音楽家ユニオンの会議で日帰りで仙台に行っていた。
楽器を持たない旅行は本当に楽でいい。
チェロはケース込みで重さ10kg、重さもさることながら大きいし
しかも壊れ物&貴重品で気を使う。飛行機の座席も余計に取らなければならない。
荒川静香選手が「スケート靴を持たない旅行がしたい」と言っていたが、
スケート靴くらい持たんかい!ゴルァ!!
(ノ-_-)ノ^┻━┻ ちゃぶ台返し
と言って穏便に励ましてあげたいところだ。

仙台は思いの外寒かった。
太平洋側特有の”晴れているのに風ビュービュー”の寒い冬である。
東京の酷いやつ、と思えば分かりやすい。
千歳空港の駐車場に停めた車の中に、
荷物になるからとコートを置いてきたことを激しく後悔。

昼前に仙台市内につき、会議まで時間があるので、
一緒に行ったトロンボーンの田中氏と牛タンの太助に行った。
ジャケットのエリを立てて強風の中震えながら太助に向かった訳だが、
仙台市内、ギャルのミニスカ率が高くて驚いた。
札幌はさすがにこの時期コギャル以外のミニスカは見ない。
昔は厳寒期のミニスカギャル生息の北限は宇都宮あたりだったと思ったが、
仙台まで北上しているのも、やはり地球温暖化の影響だろう。

さて、太助であるが、地元に人に言わせるともっと安くて美味い店もあるそうだ。
札幌だって観光ガイドに出ているラーメン屋やすし屋には地元民はあまり行かない。
そういうもんなのだ。それでも行くのだ。これでいいのだ。パパなのだ。

パパなのだ、と言えば、
一昨日の本番の午前中、6才になる娘の保育園の卒園式だった。
パパはスーツを着て卒園式に出席したわけだが、
当然ながら張り切ってカメラ(D70)を持っていった。
そして今回もカメラの他にビデオも持っていってしまった。
二兎を追う者は一兎をも得ず。
カメラとビデオの両立は無理、と何度失敗しても同じ過ちを繰り返してしまう。

控え室で入場を待つ娘やその友達をD70で映すところまでは良かったが、
式が始まって、園児の入場、全員で「♪一年生になったら」を斉唱。
ビデオは既に周っている・・・・、はずが、なぜか「テープを入れなおして下さい」
と表示がでて焦りまくる。
「な・・、なんだ? この表示は? 初めて見る表示だぞ!」とうろたえる。
テープを入れなおしたら作動して一安心・・。
斉唱が終わったら、一人づつ卒園証書授与になるのだが、
途中で「バッテリーが残り少なくなりました」の表示。
(`口´;)げはっ! 嘘だろ、おい! 夕べ充電したやんけ!
アワアワしながら取合えずモニターをオフにして省エネ運転。
その間もD70で歌う姿やらを撮らなきゃならない。
娘が卒園証書を貰う番が来た、
D70連写! ん? なんか変・・・。
/()゚O゚()\ひぃー ストロボのヘッドが傾いてる! なんでやねーーん!
あ、そっか、さっきアワアワしてビデオを直した時にぶつかったのか・・。
式っていうのはただでさえ普段起り得ないこういう失敗が起る。
まして、ビデオとカメラを両方なんて事は絶対に止めるべきだ・・。
といつも反省する。

そんなこんなで、感動する暇なんかなかったわけである。
考えてみれば式の最中は、プロのカメラマンがキャノンのEOS1Dで
ビシバシ撮りまくっていたのだから、何も私が非力なD70でアワアワしながら
撮る必要はなかったのだ。(鬱)
最近のプロカメラマンはみんなキャノン。ニコンを持っている人はほとんど見ないが、
まあ、その辺はあまり考えないようにしよう・・。

さてさて、それで今日は、
ヤフオクでやっと手に入れたNikkor 24mm f2.8が送られて来た。
新品はヨドバシ価格で38,800円だった。
やはり高いので、ヤフオクで中古をずっと狙っていた。
一回めは23,500円で他の人が落札。
二回めは27,000円で他の人が落札。
今回は15,500円で私が落札。
ヤフオクはタイミングが肝心なのだ。
次ぎがある商品を無理して落札するのは愚かというものだ。安く落とせて大満足である。

現代は世の中全てズームだが、単焦点はやはりいい。
一昔はみんな単焦点で、自ら前に出たり下がったりして構図を決めていたのだ。
ズームレンズは「画質よりも利便性を優先させたもの」と一段低く見られていた。
今は撮った写真は必ずPCで編集するわけだから、
広めに撮っておいてPC編集時に切り取るという考え方もアリだと思う。
しばらく50mm f1.4 と今回の24mm f2.4の二本で遊んでみようと思っている。
24mmだから昔の35mmカメラ換算で36mmレンズということになる。
旅行なんかはこれ一本で行ってもいいくらいだ。
f2.8だから明るし、小さし、軽いし、ズームより綺麗に写る気がするし。
取合えずは、これが手に入って幸せ。

おしまい。  
Posted by arakihitoshi at 01:25Comments(2) │ │カメラ・パソコン | 雑感

2006年03月10日

コンビニ弁当と老化の関係について

昨年の9月に40歳を迎えた。
三十路を迎える時とか、四十路を迎える時は皆大騒ぎするが、
迎えてしまえば何ということはない。○十路フィーバーも急に沈静化する。
しかし、一抹の寂しさを感じないと言えば嘘になる。
つい10年ちょっと前は20代だったのだ。
若かったのだ。ヤングだったのだ。たった10年前だよ。10年前。こないだじゃん。
周囲からは”若手”と呼ばれ、若さを羨ましがれたあの頃から、
”中堅”、”ベテラン”と呼ばれる今日までの期間はあまりに短い。

さて本題。
体力の衰えなどを表現するのに「40才を過ぎた頃から急に・・・」
という言い回しをよく聞くが、果たして本当にそうだろうか。
コンビニの弁当が賞味期限が切れたからといって急に腐る訳ではないのと同じように、
本当に40才を過ぎた途端に体力がおちたり、いわゆる老化が急激に進むのだろうか。
実際に40歳を迎えてみてこの言い回しに激しく疑問に感じる。ギモンヌである。

例を出してギモンヌの訳を紐解こう。
〜二日酔いで気持ち悪い朝〜
20代の頃「う〜、夕べ飲み過ぎた・・」と思う。
40才の人「最近急に酒弱くなったな・・」と思う。

〜坂道を登って息切れ〜
20代の頃「やべーよ、運動不足だ・・」と思う。
40才の人「やっぱり年だな、この位の坂で息切れか・・」と思う。

〜近所のガキンチョに”おじさん”と呼ばれる〜
20代の頃「このガキが!」と思いながらもちょっと大人になった気分。
40才の人「おじさん・・、か。」

〜最近腹が出てきた〜
20代の頃「うわっ、これじゃーおっさんだよ。腹筋しよ」と思う。
40才の人「・・・・・」言葉も出ないほど情けない気持ちになる。

〜暗譜できない〜
20代の頃「ややこしい曲書くんじゃねーよ」と思う。
40才の人「シナプスが死滅しかかってるな・・・」と思う。

〜女のコにモテない〜
20代の頃「このバカ女! 勝手にやってろ」と思う。
40才の人「しょうがないよな・・。俺もおじさんになっちゃったし」と思う。


などなど・・。
まだ例は沢山あるが、このへんで止めておこう。
二日酔いも、息切れも、腹が出るのも、暗譜できないのも、思うようにモテないのも、
今に始まったことではなく、20代の頃からあった現象である。
問題はそれらの現象をどう得心するかなのだ。・・・たぶん。

繰り返しになるが、コンビニ弁当は急に腐るわけではない。
要は気の持ちようなのだ。・・・たぶん。

一連の思い込みは人をますます老け込ませる。よくない。
逆に、40才になってやっと大人のフェロモンを纏った真の男の魅力を
炸裂させられる年代にたぶんなったのだと思ってモチベーションを上げよう。
 おお!(`O´)ノ  
Posted by arakihitoshi at 01:02Comments(4) │ │雑感 

2006年03月02日

CDと共演する

今回は久しぶりに音楽の話し。
私もいろいろ横道に外れているが一応本職は音楽家である。
こう見えても巷のクラヲタたちを蹴散らして余りある知識と技術はある・・・・・はず。
今日は私の練習方法のネタバラしをするのでシロートの諸君は参考にしてくれたまえ!

さて本題。
手っ取り早く楽曲を理解するにはCDと一緒に演奏してみるのが一番だ。
スコア片手にCDを聴きこむ作業も大切だがなにせ時間がかかる。
ヘッドフォンを片耳に、もう片方の耳で自分の出す音を聴きながら
CDと共演してみるのだ。
これができれば実際にオーケストラの中で演奏して困ることはまずない。

オーケストラの曲で初めて演奏する曲は、難しい所を一通り練習し、
指が周るようになったらCDと共演。
フレージングや音色の変化、微妙なテンポや音程の設定、演奏上の慣例など・・・、
音楽には音符で表しきれない表情が沢山ある。
これらを咀嚼し自分なりの答えを出さないことには、その曲を”弾ける”とは言えないのだ。

もっと低次元の話しをすると、早くて難しい箇所をいくら完璧に練習しても、
落ちて(どこを弾いているか分からなくなること)しまっては弾くことができない。
休符を数えるのも練習のうちである。それにもCDとの共演は非常に有効だ。

さて、CDとの共演はオケの曲に限ったことではない。
室内楽やソロの演奏会に臨む場合はもっとシビアに楽曲と向きあうわけだが、
まずはスコアと手に入るかぎりのCDを入手する。
そしてパート譜に他のパートの重要な音なんかを鉛筆で小さく書きこんでいく。
一通り噛み合わせを理解して音符を音に変えることができるようになったら、
やはりCDと共演してみる。
ヨーヨーマとはよく共演するが、この時点で大抵は激しく打ちのめされる。
「こんなに上手に弾ける人がいるなら、何も俺がわざわざ弾く必要ないじゃん」
などと思うわけである。
そして、「いやいや、ヨーヨーマと張り合ってどうする・・」と気を取り直し、
再び練習再開。

4月にバッハの無伴奏を仕事で弾くのだが、そろそろ練習を始めなければならない。
CDとの共演でバロック音楽は困ることが多い。ピッチが現代のものと違うのだ。
バロック時代のピッチは現代のそれより半音〜全音低い。
現代のピッチで演奏しているCDの方がまだまだ多いが、
時代は原典主義に向かっている。ピッチやあるいは奏法までバロック時代を意識
した録音が目立つようになってきた。
例えばバロックチェロの名手ビルスマなどはバロックピッチで演奏してる。
ヨーヨーマも一番新しいCDでは半音近く低いピッチで録音している。
これだと現代の私たちがチューニングしている442hzでは共演できないのである。
ならばこちらもバロックチューニングで弾けばよさそうなものだがそうもいかない。
普段オーケストラで442hzかそれ以上高い音程で演奏しているので、
楽器も体もそういう音程に慣れてしまって、急に低いピッチでは演奏できないのである。
バッハの無伴奏だけに2ヶ月かかりきりになれるなら可能かもしれないがそうもいかない。

仕方がないので、ビルスマやヨーヨーマのCDをPCにリッピングして、
ピッチを波形編集ソフトで440〜442hzでちょうどいいくらいに上げて、
再びCD−Rに書き込んで”共演用CD”を制作する。
例えばマの最新の無伴奏チェロソナタのCDは、半音までいかないが、
だいたい半音に近いくらいピッチを下げて演奏している。
実際にどの程度音程を下げているかの正確な判断は簡単なようでけっこう難しく、
仮にある特定の音をサンプリングして機械的に測定しても、
音程はヴィブラートや弓圧で容易に変化してしまうので正確には分からない。
ここはやはり人間様の耳で判断するしかないのである。
前述のマのCDの場合、半音100セントとして80セントくらい上げると、
ちょうど442hzの現代チューニングで共演可能になる。

そうやって黙々と偉大な演奏家たちのCDを共演用に改造するのである。
もし試したい方がいたら、リッピングにはNero。
ピッチを上げる波形編集ソフトはAudacityがお薦めである。
フリーの波形ソフトは色々試したが、速さを変えずにピッチを変えることができる
ソフトは意外と無い。Audacityは高機能で優秀だと思う。

こういう作業ははたして芸術に対する冒涜になりはしないか・・・、
という内なる声が聞えないでもないが、
まあ細かいことは、いずれゆっくり考えよう・・・。
取り敢えずは目先の演奏会が大切である・・。

(※)ここに書いた練習法はあくまで荒木個人の方法です。プロはみんな
こうやっている−というものではないので、反論のメールは送らないよーに!(笑)  
Posted by arakihitoshi at 01:56Comments(3) │ │音楽 
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