ゲンタの授業ポートフォリオ

東京都の小学校に勤める嵐元秀(あらしげんしゅう)です。 日々の実践を中心に書き記していきます。

学習に課題を抱える児童への指導①

「課題を抱える子」と一言で言っても、その原因は様々です。大きく分けて、3通りの原因が考えられます。

 1つは、「学習意欲」に原因がある子です。「やる気が出ない」「勉強は嫌い」といったタイプの子です。

 2つめは、「学力や能力」に原因がある子です。がんばっているのだけど、九九が覚えられない。文章問題の意味が理解できない。不器用で定規や分度器の操作がうまくいかないといった子たちです。

 3つめは、「資質や性格」に原因がある子です。ADHDやアスペルガーなどの発達障害や、集中力に問題があるような子です。

 学習に課題のある子は、この3つの原因のどれかを抱えています。子供によっては、一人で1つだけでなく2つ、3つの原因をもっている場合もあります。

 課題を抱える子への指導の工夫を考える場合、何が原因なのかを見極めたうえで、対応を考える必要があります。

 学習意欲に課題がある子には、授業で出す問題や課題、学習内容や活動を楽しいものにしていくと、意欲が高まっていきます。

 学力や能力に課題のある子は、自力解決の前に見通しをもたせる活動を入れたり、既習内容の活用を促したり、学び合う活動を入れたり、個別指導に力を入れたりしていきます。

 資質や能力に課題のある子は、教師がメリハリのある話術で引き付けたり、発問や指示を簡潔にしてわかりやすくしたり、視覚に訴える工夫をしたりしていきます。また、座席の位置を変えるだけでも集中力が変わってきます。

個人面談や家庭訪問をうまく進めるには

一学期の前半に、家庭訪問や個人面談を行うという学校も多いことでしょう。
私の学校では、年に2回、個人面談を行います。

以前の私は、家庭訪問や個人面談の時に、子供によって話す時間が長くなってしまいがちでした。そのため最後の人は、30分遅れで行うなどということもありました。
けれども最近は、伸びてしまうことが少なくなりました。面談の内容を、ある程度定例化したためです。

年度初めの面談

年度初めの個人面談は、保護者から話を聞くことを中心にします。
「まだ担任してすぐなので、お子さんのことを教えてください。家庭ではどんなお子さんですか」と尋ねるといいでしょう。
「何か気を付けた方がいいことやご要望はありますか」と付け加えると、この先生は子供を大事にしてくれそうだと感じてくれるはずです。
けれども話を聞いても、内容を忘れてしまってはいけません。重要な内容は、「大切なことなのでメモをしておいてもいいですか」と、その場で書き留めておくといいでしょう。
保護者からの要望があったら、「できるだけ実現できるように努力していきます」と伝えます。
この時期、保護者が最も知りたいことは、「友達と仲良くしているか」ということです。事前に「誰と何をして遊んでいるか」をアンケート調査しておくと、学校での様子を具体的に伝えることができます。家庭訪問のやり方もほぼ同様です。

年度途中の面談

年度途中の面談は、資料を用意して、学校での様子を具体的に伝えるようにします。
子どもの作品やノートを用意しておくと、話す言葉に説得力が生まれます。
テストの集計ソフトの中には、児童一人一人のテスト結果がレーダーチャートで印刷できる機能をもったものがあります。このレーダーチャートをテストの答案用紙と共に見せながら、子どものよさと課題を伝えていくと、保護者の信頼度は大いに高まります。学習につまずきがちな子の場合、危機感を感じて、家庭学習に力を入れてくれるようになります。
ただし、教師が一方的に話し続けてしまうと不満を感じる保護者もいます。「お聞きしておいた方がよいことはありますか」と初めに断わってから話し始めるといいでしょう。

保護者会資料

今年度は3年生を担任しています。木曜日は保護者会でした。
毎年、最初の保護者会では、一年間の指導方針をレジュメにして配布しています。話すだけよりも、信頼を得られるように感じています。
「家庭にお願いしたいこと」も、率直に9点伝えました。
翌日、2人の子が、「お母さんが、いい先生だねと言ってた」「うちもお父さんが言ってた」と教えてくれました。
まずは、いいスタートが切れたようです。
レジュメの内容はこんな感じです。

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3年2組 4月保護者会資料                                     


信頼をベースに、子供たちの「感性」「知性」「理性」「社会性」を育てる

1.信頼関係を築くために

①励ましの声をかける

②一緒に遊ぶ、話す

③具体的な説明、わかりやすい例示をする

④話し合いながら学級をつくっていく

2.感性を育てるために

①詩を作る活動を継続的に行う

②生き物を育てる体験を多くする

    虫を育てる(チョウ、カイコ) ホウセンカを育てる ダイコンを育てる 

③想像力を引き出す読み聞かせ

④「よぉく見る」観察・見学

3.知性を育てるために

①書く活動を重視する

 ・自分の考えをもたせる

・ノートコンテストを実施する

②その気にさせる教材・活動

③考える活動を取り入れる

・子供のハテナ?を大切に

④家庭学習の習慣を付ける

・宿題は毎日出します

4.理性を育てるために

①どんなクラスにしたいかを話し合い、共有する

②失敗を責めない 嘘や責任転嫁を許さない

➂あいさつ、返事、後始末のできる子にする

④考えて行動する習慣をつける

5.社会性を向上させるために

①遊びやゲームを通して楽しみながら協力する心、きまりを守る心を育む

②自主性を高める学級行事、学年行事を行う

③みんなの前でのスピーチ、サークルトーク 伝える意識を高める

④互いのよさを見つける「今日のキラリ」 

⑤仲間とともに学習する学び合い 思いやり・感謝の心を高める

6.家庭にお願いしたいこと

①宿題をする時には、テレビを消してください。集中力が高まります。

②食事の時にもテレビを消してください。会話が弾み、言語能力が高まります。

➂子供の作品を大切にしてください。丁寧に取り組む子になります。

④厳しくし過ぎないでください。素直で明るく前向きな子になります。

⑤時には博物館に行ってみてください。知的好奇心が高まります。

⑥いろいろな遊びをさせてください。広い視野、多様な考え方が身に付きます。

⑦話を聞いてあげてください。話を聞く子になります。

⑧心配している姿を子供に見せないでください。自分に自信が付きます。

⑨お子さんの前で学校や教師を悪く言わないでください。人を信頼する子になります。

 

子供たちはこうして生きかたを学びます

 

 ①批判ばかり受けて育った子は 非難ばかりします

 ②敵意にみちた中で育った子は だれとでも戦います

 ひやかしを受けて育った子は はにかみ屋になります

 ④ねたみを受けて育った子は いつも悪いことをしているような気になります

 ⑤心が寛大な人の中で育った子は がまん強くなります

 ⑥はげましを受けて育った子は 自信を持ちます

 ⑦ほめられる中で育った子は いつも感謝することを知ります

 ⑧公明正大な中で育った子は 正義心を持ちます

 ⑨思いやりのある中で育った子は 信仰心を持ちます

 ⑩人に認めてもらえる中で育った子は 自分を大事にします

 ⑪仲間の愛の中で育った子は 世界に愛をみつけます

(「アメリカインディアンの教え」加藤諦三著より)


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4年「八丈島のくらし」第8時

【第8時】八丈島の観光をさかんにする方法を考える
八丈島の学習、最後の時間です。
「生かす」段階として、観光を盛んにするにはどうしたらいいかを考えました。
まず各自で考え、グループで話し合ってまとめるようにしました。
「ポスターやパンフレットを増やす」
「船や飛行機の便を増やす」
「八丈島の歌を作り、スーパーなどで流す」
「八丈島辞典を出版する」
「ゆるキャラを作る」
「八丈島に5回行くと、2回無料にする」
さまざまなアイディアが出てきました。
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授業としてはここまでで、終わりにしましたが、後日自主学習で、ゆるキャラを考えてきた子がたくさんいました。
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学習に出てきた八丈島の特産物をうまく生かしていると思います。
前任校で八丈島の学習をした時にも、ゆるキャラを考えた子がいましたが、学習内容が違っていたこともあってか、ずいぶんとデザインが違っていました。
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4年「八丈島のくらし」第6・7時

【第6時】八丈島の人々の生活や工夫について調べる
調べる段階最後の時間の課題は、「八丈島の人たちはどんな生活をしているのだろう」としました。
資料には、「交通手段」「気候と生活との関係」「自然」「クリーンエネルギー」「人口」について、ちょっと多いかなと感じつつ盛り込みました。
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子供の発言を板書には、「交通」「気候」「人口」に分類してまとめました。
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【第7時】八丈島のくらしについてまとめる
調べる段階には、毎時間、「今日の学び」を書いてきました。
それを見ながら、学習問題に対するまとめを考えました。
「1人でまとめる」→「グループで話し合う」→「1人でまとめ直す」と三段階でまとめていきました。
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この方法だと、どの子も自分の力でまとめを書くことができるようになりますが、具体的なことを書きすぎて、まとめの文が長くなってしまうことが課題です。

4年「八丈島のくらし」第4・5時

【第4時】八丈島の漁業について調べ、その特徴をつかむ
調べる時間の2時間目は「漁業」についてです。
この時間も副読本と自作資料を使って学習しました。
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八丈島は、海に囲まれているだけでなく、あたたかい黒潮が流れていて、少し浅くなった瀬があることから、よい漁場になっています。
また、消費地から離れているため、とれた魚をミンチにして冷凍してから東京の市場に送ったり、島ずしやくさやにしたりする、加工業もさかんです。
けれども、漁師の数は年々減少していて、漁協で募集しています。
この日は、時間がなかったので、考えて深める活動は行わないで、「今日の学び」を書いて終わりにしました。
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【第5時】八丈島の観光について調べる
調べる段階の3時間めは、「八丈島では観光がさかんなのだろうか」という課題で調べました。
子供たちは、「観光がさかんだ」と予想する子が多くいました。
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しかし、調べてみると、実際は観光客が減ってきています。
観光協会の人たちは、観光客を増やそうとイベントを企画したり、パンフレットを作ったりしています。
自然に触れたり、文化に触れたりする施設もあります。
けれども、観光客が減っています。
子供たちの問題意識を高めて、この時間を終えました。
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4年「八丈島のくらし」第3時

【第3時】八丈島の農業について調べ、気候を生かしていることに気付く

この時間から「調べる」段階です。
副読本に加えて、読み物資料を用意して、調べさせました。
資料には、島に暮らす人の声を入れたかったのですが、自分で探してなかなか見つかりませんでした。
そこで、「島のくらし」というサイトに出ていたワークシートを加工して作らせていただきました。
http://sakana.metro.tokyo.jp/shima_no_kurashi/kyouin/shidoukeikaku/mix/index.html
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この時間の課題は、「八丈島では、どのような農産物が作られているのだろう」です。
「調べる時間はどれくらい必要ですか?」と聞くと、「5分」と強気の声が返ってきました。以前は8分くらいとっていたのですが、短い時間で資料から必要なことを読み取ることができるようになっています。
5分ほどして、わかったことをどんどん発言させていきました。
八丈島の農業の4分の3は、花の栽培です。副読本に出ていた、「農作物の割合」のグラフからそのことに気付かせていきました。

ここからは、調べて分かったことをもとに考えを深めていく場面です。
「練馬区と八丈島の農業に違いはありますか?」
練馬区の農業は3年生の時に学習しています。けれども、どんな作物が多いかは、覚えていないようです。
副読本の前の方に出ているよ、と助言すると、子供がすぐに見つけました。
「練馬区では、キャベツ、ブロッコリー、ダイコンのように、よく食べる野菜を作っている」
「八丈島では、フェニックス・ロベレニー、アシタバ、ストレチアといったねあまり見ない作物を作っている」
練馬区では3・4年生2年間使う副読本で学習していることのよさが出ました。

「どうして花の栽培がさかんなのですか?」
これは、資料を読めば書いてあることです。
「あたたかさと雨が多い気候を生かしているから」
すぐに答えが出ました。けれども、それ以外の考えも子どもから出てきました。
「人口が少ないから」
理由を聞くと、
「八丈島は人口が少ないから、キャベツのようなものをたくさん作っても食べきれない」というのです。
総合的に考えた意見です。他の子供たちも感心していました。

ここでいくつかこちらから付け足しました。
「八丈島は、お年寄りの割合が多いので、お年寄りでも育てやすく収穫しやすいフェニックス・ロベレニーが多くつくられるようになった」
「あたたかい土地でしか育てられないので、その分高い値段で売ることができる」
最後に、「今日の学び」(分かったことと自分の考え)をワークシートに書いて、授業を終えました。
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4年「八丈島のくらし」第2時

【第2時】八丈島についての「知りたいこと」をもとに、学習問題をつくる

第1時は欠席が多かったので、まず、前時に使った写真を見せながら、復習をしていきました。
次に、前時の最後に書いた「知りたいこと」を発表していきました。

・練馬区とのちがいや共通点
・観光客の数
・八丈島で人気のある場所とその理由
・水やごみはどうしているのか
・食べ物はどうしているのか
・どんな仕事をしているのか
・農産物は何を作っているのか
・漁師はいるのか

ここで、東京と八丈島の月別の気温グラフを提示しました。
冬の気温は八丈島の方が高いのですが、最も気温の高い8月は少しだけ東京の方が高くなっています。
このまま提示したのでは「八丈島は暖かい」と感じられない子が出ると思い、提示方法を工夫しました。
初めに見せるのは、1・2月だけにしたのです。
すると子供たちは「八丈島の方が暖かい」「冬なのに10度もある」と驚いていました。
そして、徐々に3月以降を見せていきました。
子供たちは、「夏は東京と変わらないけれど、冬はあたたかい」という八丈島の気候の特徴に気付くことができました。

「知りたいこと」について、予想を立てさせると、
「あたたかいから、バナナやココナツのような作物が作られているのではないか」
「あたたかいから、農産物がたくさんとれるのではないか」
「海に囲まれているから、漁師が多いのではないか」
「あたたかいから、観光客が多いのではないか」と予想しました。

時間がなくなってきたので、学習問題は思いついた子に言わせました。
「八丈島と練馬区をくらべて、人々の生活や仕事がどのようにちがうのか」
「何か変えた方がいいことはありますか」と尋ねましたが、発言がなかったので、そのまま学習問題が決まりました。
次の時間から、「仕事」「生活」「観光」について調べていくことにして、授業を終わりました。
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4年「八丈島のくらし」第1時

【第1時】島の写真を見て、八丈島に対する関心を高める

まず、「八丈島」ということを伏せたまま、3枚の写真を見せました。
この写真は、ネットで探したものです。子供が関心をもつことや、「自然(地形・気候)」「生活・産業」「交通」「観光」に目が向くことを意識して選びました。(この記事の最後にある板書写真参照)
そして、どんな所かを考えさせ、ノートに書かせていきました。
発表の際には、「写真を見るとこうだから(事実)、こういう所だと思う(意見・解釈)」というように指示しました。

1つめの、ヤシの木の並木と直線道路の写真については、
「南の方にありそうな木があるから、南の島だと思う」
「やしの木があるから、あたたかそう」
「緑が多いから、自然が豊か」
「入道雲があるから、夏」
「建物がないから、都会ではなくて田舎」
「道路が整備されているから、観光地」
といった意見が出ました。空に飛行機が写っているのですが、気づかなかったようです。

2つめの、海の写真については、
「海が広くて、きれいだから、観光客が多い。夏には海水浴客が多い。漁師がいる」

3つめの、花畑と山の写真については、
「花がいっぱい栽培されているから、観光客が多い」
「山があるから、自然がある」
といった発言が続きました。

まだこの時点では、ここがどこなのかは分かりません。「伊豆に似ている」という声も聞こえてきました。
ここで空から写した写真を見せました。これでここが島だということが分かります。
「地図帳で探してごらん」と指示すると、すぐに「あったー」という声が聞こえてきました。
ここが八丈島だということ、八丈島は東京都だということを確認して、本時の課題「八丈島はどんな所だろう?」をようやく板書しました。

「地図帳を見て、他に分かることはありますか」と発問すると、
地図記号から、「港がある」「空港がある」ことがわかりました。
さらに副読本を見ると、「練馬から300km離れていること」や「「練馬区よりも広いのに、人口がずっと少ないこと」が分かりました。

最後に、「八丈島について、もっと知りたいこと」をノートに書き、授業を終えました。
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「アメリカインディアンの教え」

もう一度、足元を見直そうと思って、「アメリカインディアンの教え」(加藤諦三著)を再読しています。
次の11章からなる本です。

 ①批判ばかり受けて育った子は 非難ばかりします

 ②敵意にみちた中で育った子は だれとでも戦います

 ➂ひやかしを受けて育った子は はにかみ屋になります

 ④ねたみを受けて育った子は いつも悪いことをしているような気になります

 ⑤心が寛大な人の中で育った子は がまん強くなります

 ⑥はげましを受けて育った子は 自信を持ちます

 ⑦ほめられる中で育った子は いつも感謝することを知ります

 ⑧公明正大な中で育った子は 正義心を持ちます

 ⑨思いやりのある中で育った子は 信仰心を持ちます

 ⑩人に認めてもらえる中で育った子は 自分を大事にします

 ⑪仲間の愛の中で育った子は 世界に愛をみつけます


この11の言葉は、ドロシー・ロー・ノルトが創作した“Children Learn What They Live(子供たちはこうして生きかたを学びます)”という詩、そのものです。心理学者の加藤諦三さんが、この詩をモチーフに一冊の本を書いたのが「アメリカインディアンの教え」です。執筆当時は、アメリカインディアンが作った言葉だと言われていましたが、その後、作者のノルトはアメリカインディアンではなく、この詩もアメリカインディアンの伝承に基づくものではないことがわかってきたようです。しかし、子育ての要諦を示す一般性をもった内容だと思います。

自分自身が子供と接するときに、心していこうと思いますし、親にも保護者会で紹介しようと思います。
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