ゲンタの授業ポートフォリオ

東京都の小学校に勤める嵐元秀(あらしげんしゅう)です。 日々の実践を中心に書き記していきます。

有田和正継承セミナー

12月22日(土)に地元・池袋で有田和正継承セミナーを行います。
社会科授業の名人・有田和正先生が亡くなって4年が過ぎました。有田先生に学び、有田先生の背中を追いかけてきた者の一人として、有田先生を知らない若い先生も増えてしまったことが残念でなりません。
楽しくて力が付く有田流の授業を実践し、広めていくことが、我々の世代にできる有田先生への恩返しだと思います。
今回は、古川光弘先生、沼澤清一先生を講師に迎え、私も第三の講師としてお話させていただきます。
私の演題は「授業のネタ探しから始める社会科授業」。これまでのいくつかの授業を例に挙げながら、どのように教材開発や学習活動開発をしているのかをお伝えしようと思います。
ぜひ一緒に学びましょう!

申し込みは、こくちーずからお願いします↓
https://kokucheese.com/event/index/533718/?fbclid=IwAR0L7Wb7SG4iwraNajMNgqTjxlIPvIq9J5x-_3395koh4FA7gCJzRk30zP0

5年「米づくりのさかんな地域」⑤ 第4時

第4時 米づくりの1年間の仕事の様子を調べる

この時間は、「南魚沼の米の作り方」を作り方を教科書や資料集で調べていきます。資料集に出ているのは、山形県の米作りなので、参考程度に使います。

まず、課題を提示しました。
「南魚沼では、どのようにして米を作っているのだろう」と板書してから、「米」の前に「おいしい」と書き足しました。こうして印象付けることで、「おいしさ」につながる情報を意識させるためです。

初めに予想を聞くと、次の3つの考えが出されました。

・農薬が少ない
・よい種を選んでいる
・手作業で作っている

「おいしさ」につながる予想を出してくれました。

調べて分かったことを発表していくと、通常の米作りの作業だけでなく、「強い種を選んでまいていること」や「手作業だけではなく、機械を使っていること」「アイガモを使っていること」などの意見が出されました。

教科書によると、南魚沼の今井さんは19ha、200枚の水田で米作りをしています。
子供はさらっと読み流してしまうところですが、できるだけ印象付けたいので、「水の管理」のところで、200枚の水田のバルブを開け閉めするのは、手動でしなければならないことを強調しておきました。
また、「機械を使うと、25分ほどで10aのかり取りができます」という記述が教科書にあります。子供の中には「25分で収穫が終わる」と読み誤る子がいるだろうと考え、
「1haは100a。10aで25分ということは1haだと250分、つまり約4時間かかる。今井さんの田んぼは19haだから、その19倍。何時間かかると思う?」
と理解を深めていきました。

アイガモを使っていることが特色ですが、資料集に出ている山形県の米作りと特に大きな違いは見当たりません。次回は、さらにくわしく今井さんの米作りを調べてみようと伝え、本時のまとめを書いて、授業を終えました。

4時

5年「米づくりのさかんな地域」④ 第3時

第3時 南魚沼市の気候や地形の特色について調べる

学習問題と予想を確認してから、授業をスタート。

まずは、
「今日は『魚沼では自然を生かして米作りをしているのだろうか』というテーマで学習しましょう」
と課題を提示しました。

調べる内容は、「魚沼の地形と気候」がおいしい米作りに関係しているかどうかです。
調べる資料は、教科書、資料集、地図帳の3点です。
調べる時間は、子供と話し合い、8分にしました。5分だと短すぎるし、10分だとダレる子が出ます。ほどよい緊張感を保てるのは、今のところ8分程度です。

調べ終わったら、わかったことを発表して共有しました。

まず魚沼の地形について。

・山がすぐ近くにある。

という発言に対しては、「山があると何がいいの?」と米作りとの関係を問い返しました。
すると、

・栄養分が流れてくる

と、山が近くにあることの価値を引き出すことができました。
このように事実だけでなく、事実の背後にある意味や価値を発言させていくことが大切です。

・中心に川が流れている

この発言も同様に、川の価値を引き出しました。

・川の水を水田に使っている

さらに、

・平らな土地は、ほとんど水田にしている

と地形と土地利用の関係にも目を向けていました。

続いて「気候」についてです。

・雪が2m近く積もり、土の中のばい菌を殺してくれる
・豊かな雪解け水が、水田に使われる
・夏には、昼と夜の気温の差が大きいので、甘みのあるおいしい米が育つ

この時間はここまで。
最後にワークシートに本時のまとめを書いて終了しました。

3時

5年「米づくりのさかんな地域」③ 第2時

第2時 魚沼の米づくりについて調べる学習問題を立て、予想や学習計画を考える。

この時間は、第1時で「日本海側」に意識が向いている子供たちを、さらに「新潟」「魚沼」へと焦点化していきました。

①家の人が米を選ぶ基準を話し合う

まず、家の人に聞いてきた「米を選ぶ理由」を発表させます。
・おいしいから
・安いから
という理由が数多く出てきました。
「どうやら値段とおいしさを選ぶ基準にしている家が多いね」
と話して、米の値段が分かる資料を配りました。

②米の値段を調べる

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これは、我が家に毎週届く「生協のカタログ」です。
生産額トップ5の新潟・北海道・秋田・茨城・山形と宮城・岩手の米が載っています。
品種は、こしひかり、あきたこまち、ななつぼし、つや姫、ひとめぼれ、はえぬきの6品種があります。
余分な情報を少し消して印刷しました。
気付いたことをどんどん言わせていきました。
・こしひかりが多い
・新潟が多い
・新潟のこしひかりは値段が高い。
パッと見て値段が高いのは新潟です。けれどもしばらくすると、「重さが違う」というつぶやきが聞こえてきました。
そうなのです。このカタログは5kg、3kg、2kgの3種類の袋が混在しているのです。

やがて「魚沼が高いんじゃない?」という声が聞こえてきました。
「3kg1498円ということは、5kgだと…、1498÷3×5=2496.6…、約2497円!」

子供たちは、一気に魚沼の米に注目し始めました。

「どうして魚沼の米の値段は高いのだろう?」と尋ねると、
・土地がいいから
・作り方が違うから
・農薬を使っていないから
・手作業で作っているから
・おいしいから
といった発言が出ました。

そこで、米のおいしさが分かる資料を配りました。

③米のおいしさを調べる

食味ランキング

これは「米の食味ランキング」の表です。平成6年に調査が始まってから平成28年までに「特A」を獲得した主な米が載せられています。
そもそも食味ランキングとは何なのか、この表の星印が何を表しているのか、星のないついていないところは、特Aがとれなかったのではなく、まだその品種が発売されていなかった場合もあることなどを解説しながら子供たちに配りました。

まず子供たちの目が向いたのは、山形のはえぬきです。ずらりと星が並んでいますが、平成28年は
星が付いていません。
「全部星が付いている米はある?」と尋ねると、すぐに見つけました。
「魚沼のこしひかりはずっと特Aだ!」

これで、魚沼のこしひかりはおいしいということが分かりました。


④学習問題を作り、予想を考える。

学習問題は時間がなかったので、こちらで提示しました。

「魚沼では、どのようにおいしい米を作っているのだろう」

「これでいい?」と聞くと、子供たちはうなづいていました。

予想を考えさせると、
・自然を利用している
・雪解け水を利用している
・土地の栄養を利用している
・日当たりがいい
・作り方を工夫している
・化学肥料を使っていない
・アイガモを使っている
・田の整備をしている

知識の多い子もいるので、「予想」というよりも、「知っていること」も出てきました。

次の時間から、「魚沼の自然」「米の作り方」「田の整備をしているか」を調べていこう、と話してこの時間を終えました。

2時


5年「米づくりのさかんな地域」② 第1時

第1時 米づくりのさかんな地域を調べ、米づくりに関心をもつ。

この小単元の学習に入る前に、家で食べている米の産地と品種を調べさせておきました。
第1時は、その発表から始めました。全員が発言できることから始めることで、米について関心をもっていない子も、「この学習は自分に関わりのあることだ」と感じ、学習が自分事になっていくのです。

①家で食べている米の産地を話し合う

子供たちに発表させていきながら、黒板の白地図にシールを貼っていきます。案の定、新潟のコシヒカリが一番多くなりました。
子供たちに気が付いたことを聞くと、
・日本海側が多い
・新潟県が多い
・寒い地域が多い
・雪が降るから、水が関係あるのではないか
・東日本が多い
・海の近くが多い
といった発言が出ました。

②米作りのさかんな地域を調べる

ここで、地図帳の統計資料を見ていた子が、「米の生産額は新潟が多い」と言い始めたので、全員で地図帳を開いてみました。
生産額トップ5は、①新潟 ②北海道 ③秋田 ④茨城 ⑤山形 です。
茨城以外は、クラスの子が食べていました。

③疑問に思ったこと、もっと知りたいことを考える

ここで、「疑問に思ったこと、もっと知りたいこと」を考えさせました。

・南の方の米は有名ではないのか
・日本海側になぜ多いのか
 山が多いからか、川が多いからか、雪がたくさん降るからか

新潟で米作りが盛んなのはなぜかという疑問を引き出したかったのですが、この時点では出てきませんでした。
ここはあせらず、次の時間につなぐために、「家の人がその米を選んでいるのはなぜか」を聞いてくることを宿題にしました。
1時




5年「米づくりのさかんな地域」① 指導計画

久しぶりに授業の様子を公開します。今年は5年生を担任しています。

これまで「米作り」の単元は、子供を本気にさせる授業ができていないように感じてきました。
今回は、全員参加の授業を目指して教材開発を行いました。

もともとの指導計画は次の通り。

 ①米の産地の資料をもとに、米づくりのさかんな地域はどこかを調べ、米づくりに関心をもつ。

 ②魚沼の米づくりについて調べる学習問題を立て、予想や学習計画を考える。
 『学習問題 魚沼ではどのようにおいしい米を作っているのだろう

 ③写真や地図、雨温図などの資料から、南魚沼市の気候や地形の特色について調べる
 ④米づくりの1年間の仕事の様子を調べ、収穫までにさまざまな作業を行う必要があることを捉える
 ⑤⑥今井さん独自の工夫について調べ、持続可能な米づくりの工夫や努力に気づく
 ⑦品種改良に取り組む人々の工夫や努力を調べる。
 ⑧⑨耕地整理や機械化について調べ、労働時間が短くなってきたことを捉える。

 ⑩米の消費量の減少、農家の減少、外国産との価格競争といった日本の米づくりの課題を調べる
⑪米づくりの様々な課題を解決するための新たな技術を生かした取り組みを調べる
⑫農家の人たちがどのように米を生産しているのかをまとめ、理解する。
⑬⑭日本の米づくりのこれからについて様々な立場に立って考え、話し合う。

5・6時間目、11時間目、13・14時間目は、教科書には出てこない内容だが、今回は行うことにしました。

次回からは、授業の様子を具体的に紹介していきます。

スクールカーストを意識したクラス分け

年度末が近付き、クラス分けをする学年の先生方はメンバー構成に頭を悩ませる時期になったことでしょう。
私は、子供たちの荒れは、クラス分けで防げるケースが多数あると考えています。

一般的にクラス分けは、次のような観点で行われることが多いと思います。

①生活面に課題の多い子を分ける
②学力面に課題の多い子を分ける
③これまでにトラブルのあった児童で、問題が継続中の児童を分ける
④同姓の児童を分ける
⑤運動能力に偏りがないように分ける

こうした分け方でうまくいくこともありますが、実際に新年度が始まってみると、思わぬ化学変化が起こって、大変なクラスができてしまうということもあります。

そこで私は数年前から、スクールカーストを意識してクラス分けをしています。
スクールカーストに関する著作はいくつか出版されていますが、森口朗『いじめの構造』と堀裕嗣『スクールカーストの正体』がおすすめです。
これらの著作によると、スクールカーストは、「自己主張力」「同調力」「共感力」の有無で決まるとされます。
『スクールカーストの正体』では、スクールカーストが次のように序列されています。
「自」「同」「共」はそれぞれ、「自己主張力」「同調力」「共感力」の有無を示しています。

①スーパーリーダー「自」「同」「共」(ほとんどいない)
②残虐なリーダー「自」「同」(1~3人)
③孤高派タイプ「自」「共」(0~3人)
④人望あるサブリーダー「同」「共」(学級の1割程度)
⑤お調子者いじられキャラ「同」(学級の4割)
⑥いいヤツタイプ「共」(2~8人)
⑦自己チュータイプ「自」、何を考えているのかわからないタイプ「3項目ともなし」(学級の2割程度)

スーパーリーダーがいる場合は、学級は落ち着いた状態でいられますが、いない場合には残虐なリーダーが学級の中心になってしまいます。他の児童を徐々に自分の支配下におさめ、組織化し、教師に反発し始めます。
そうなってしまうと、教師も子供たちもつらい一年間(あるいは二年間)を送ることになります。

まず、考えられる対策は、担任がスーパーリーダーになることです。
教師の人間性が高く、自己主張をするだけでなく、子供のおふざけを頭ごなしに否定せず、時には一緒に遊びを楽しみ、全体指導だけでなく個別の声かけもしていく。そんなタイプの人が担任ならば、どの子もついてくるし、学級はまとまっていきます。
けれども、こればかりは簡単にできることではありません。
私自身はおそらく「孤高派タイプ」です。残虐なリーダーのいたずらに対し、つい目くじら立てて叱ってしまい、敵対してしまいます。性格を変えようと意識していても、しばらくするとメッキが剥がれてしまいます。

次の対策は、クラス分けです。これが今回の記事で最も伝えたいことです。
残虐なリーダーは、組織を作りたがります。組織を作るためには、自分に忠誠を尽くす「サブリーダー」や同調してくる「お調子者」が必要です。
そこで、強力な「残虐なリーダー」のいるクラスとは、そのリーダーに親和性の高い「サブリーダー」や「お調子者」を極力同じクラスにしないようにするのです。
その一方で、「孤高派タイプ」の児童や、孤高派タイプに親和性の高い「サブリーダー」や「いいヤツタイプ」を入れるのです。
こうすることで、残虐なリーダーは孤立し、勢力を拡大できなくなります。

「自己チュータイプ」や「何を考えているかわからないタイプ」はいじめの被害を受けるリスクが高いので、残虐なリーダーとクラスを分けることが一般的ですが、残虐なリーダーが孤立するようにクラス分けした場合は、一緒のクラスに入れても大丈夫です。
なぜかというと、カーストの低い「自己チュータイプ」や「何を考えているのかわからないタイプ」と手を組むことは、「残虐なリーダー」にとってリスクがあります。自分のカーストを下げる恐れがあるからです。彼らをいじめることも、他のクラスメイトから冷ややかな目で見られるだけです。

スクールカーストを意識したクラス分け、ぜひ一度試してみてください。

卒業文集の書き方指導

二学期がもうすぐ終わります。そろそろ卒業文集を書き始める学校もあるのではないでしょうか。

今から8年前にこのブログやエデュペディアに書いた文章を、加筆して再掲します。エデュペディアでは、この記事に17万以上のアクセスがあったようです。アクセスランキングでは、4位と上位に位置しているようです。卒業学年の担任しか読まないことを考えると、これはなかなかすごいことだと思います。

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1 意欲付け

 まず、卒業文集の特徴を伝えます。

「小学校で書く最後の長い作文です」

「一生残る作文はこれくらいです」

「自分や自分の家族だけでなく、友達やその家族も読みます」

こういう話をすれば、たいていの子は「しっかり考えて丁寧に書かねば」と思ってくれます。過去の文集を見せるのも効果的です。先輩達ができたのだから自分も!という気持ちにさせることができます。

次に文集用の原稿用紙を見せます。小さなマス目を見て、かなり気持ちが引いてしまうこともあります。しかし、マス目の数はそれほどではありません。用紙によって違いますが、私が使っているものは約1600字。原稿用紙4枚分です。普段書いている作文は原稿用紙3枚程度が多いので、4枚なら何とかなるかもという雰囲気になります。

 

2 題材

「大まかな内容を考えておくように」と話しておき、数日待ちます。内容は「将来の夢」というように学級や学年で統一する場合もあるでしょうが、できれば自分で考えさせるようにしたいものです。明確な夢のない子もいます。「思い出」というテーマでも同様です。いい思い出のない子もいます。 

 子ども達の考える内容は、たいていは「思い出」か「将来の夢、希望」のどちらかに分かれます。どちらを書いてもよしとします。



3 取材

数日後、もう少し詳しく「何を書くか」を考えさせます。「取材」の段階です。

思い出を書く場合に陥りがちなのは、「移動教室の作文」のような文章になってしまうことです。出来事をただ詳しく書くだけでは、移動教室をテーマに選んだ子の作文はどれもみな似たようなものになってしまいます。

自分らしい作文にするために、「どうして自分は移動教室のことを書きたいと思ったのか」を自問自答してみるよう指示します。

そうすると「友情が深まったから」「自然の中で過ごすことが楽しかったから」といった「書きたい中心」がはっきりしてくるはずです。

思い出を書く子たちには、別の書き方も指導します。「6年間の学校生活で得た宝物は何だろう」と尋ねると、「友達」と答える子がたくさんいます。

では、「友達の大切さを感じた思い出は何だろう」と尋ねるのです。この方法ならば、「友達」というテーマのもと、移動教室や運動会、普段の生活のことなど、いろいろなエピソードを盛り込むことができます。

他のテーマとしては「努力」「協力」「やさしさ」「勇気」などが考えられます。

こうすれば行事作文ではない、卒業文集らしい内容になっていきます。

「夢」をテーマにした子には、中学での夢、大人になってからの夢など、さまざまな夢を書き出してみるよう指示します。けれども、これからのことなので、あまり詳しいことは書けません。そこで、「その夢を実現するには、どうしたらいいか」を書き加えるといい作文になるよと伝えます。

こうすれば、「自分の夢」だけでなく「これから努力すること」「決意」も文中に出てきます。

また、「その夢をもつようになったのはなぜだろう」と尋ねます。そうすると、これまでの経験がその夢につながったことに気がつきます。「将来の夢」の作文の中に、これまでの思い出が挿入されることになります。

4 構成

基本は「はじめ」「なか」「まとめ」です。

「なか」の部分に3つ程度の内容を入れます。ここに何を入れるか、どういう順番にするかがポイントの一つです。 

「思い出」をテーマにしたならば、「一番の思い出」「二番の~」「三番の~」という順もあるでしょうし、時系列に並べる方法も考えられます。

次に、大まかな書く分量を考えます。  

たとえば、「はじめ」で3行、「なか1」で12行、「なか2」「なか3」各10行、「まとめ」5行といった感じです。 

これを原稿用紙に書き込んでおいて目安にします。


5 記述

「はじめ」には、文章全体にかかわる書き出しをします。 

「将来の夢」をテーマにしているある子は、書き出しで「ぼくは中学生になったら部活でサッカーをがんばります」と書き始めました。中学のサッカー部のことだけで1600字が書けるとは思えなかったので、すぐに書き直させました。

「中学生になったらがんばりたいことがたくさんあります」「ぼくは、これからもずっとサッカーをしていきたいと思っています」のように大きな「はじめ」を書いておかないと、あとで苦しくなります。

もう一つ、気を付けることは習った漢字はひらがなで書かないということです。意図的にひらがなで書く場合は除き、習った漢字は使うのが基本です。 

後から直そうとするとやっかいな問題がおきます。たとえば「問題」を「もんだい」と書いておくと後で直したときに2マス空いてしまうことになります。下書きを清書するときに2マス詰めて書き写さねばならず、間違いのもとになってしまいます。

小さな字を書くので、筆記用具はシャーペンを使ってもよいことにします。 

以前は清書はペンで書いていました。くっきりと読みやすいのですが、修正が大変です。シャーペンは芯の濃さをBや2Bにすれば印刷に出しても十分読むことができます。印刷業者との打ち合わせで確認しておくといでしょう。

書ききれずに余白ができてしまった場合はイラストを入れてもよしとします。できれば内容に関係のあるものにするよう伝えます。 

けれども余白がかなり多い場合は、絵ではなく別のコーナーを作るようにさせます。

「思い出ベスト3」「俳句」などいくつかの例を挙げると書きやすいでしょう。

6 推敲

下書きができたら全員分に目を通して教師が推敲します。この時点なら大きな修正もできるのでしっかりと目を通します。

私はしたことがありませんが、家庭に持ち帰らせて、保護者に推敲してもらう方法もあるようです。

7 清書

清書は雑な字や薄い字は全て書き直しになることをあらかじめ伝えておきます。心配な子は途中で見せに来るよう話します。 

書き終わったらコピーを取って修正点を書き込みます。清書用紙には直接書き込みません。コピーを取ると文字の薄さは一目瞭然なので子どもも素直に修正します。

5年「工業の今と未来」

 この小単元では、主に「工業の種類と工業生産額の割合」「工業地域の分布」「中小工場のものづくりの特色」の3つの内容を学習します。短い配当時間数の中で、様々な内容を学習するため、問題解決型の学習にすることが難しく、教師主導型の展開になりやすいところです。

そこで、教科書では、導入で工業製品に対する児童の興味・関心を高めるために、広告のチラシを使って工業製品の仲間分けをする活動が設定されています。児童の意欲が高まる活動だが、時間がかかって1時間の授業では終わらないことがあります。また、広告のチラシには、たいてい金属工業の製品が掲載されていません。

ここでは短い時間で行うことができる別のプランを紹介します。

 

1 学習の初めを、全員が発言できる発問から始める

 

自動車工業や貿易について学習した後なので、工業に対する児童の関心も高まっていることでしょう。この小単元では、次のような発問で展開していくと、これまでの学習となめらかに接続できます。

T)自動車は工場で作られていました。工場で作られているものは、ほかにどんな物がありますか。一人1つずつ言っていきましょう。

C)マヨネーズ。

C)コアラのマーチ。

C)筆箱。

 子供の発表はすべて板書していきます。できるだけ人とは違う物を言うよう指示します。児童が発表した工業製品が仲間分けの材料になるため、学習への参加意欲も高めることができます。全員の発表が終わったら、仲間分けに入っていきます。

T)自動車のように、たくさんの部品を組み合わせた道具をつくる工業を、機械工業と言います。ここに書かれた道具の中で、他に機械工業のものはありますか。


C)バイク。

C)テレビ。

C)スマホ。

T)教科書142ページには、機械工業以外の工業が出ています。仲間分けしてみましょう。

  よく分からないものは、隣の子と相談してもいいです。

 

一人で行わせてもいいですが、いきなり一人で仲間分けをさせようとすると、要領が分からなくて、つまずく児童が出てきます。まず機械工業については全員で仲間分けを行い、そのあと、他の工業は一人で行うようにさせると、つまずく児童が少なくなります。

 しばらくしたら、発表をさせていきます。子供によって意見の分かれるものやどの工業に入れたらいいか分からないものがあったら、教師が助言していきます。教師にも分からないものが出てきたときには、黒板の端に「?」というコーナーを作り、「先生にも分からないや。誰か調べてくれる?」と言いながら、書き込みます。

 この学習活動は、自動車工業や貿易について学習した後に行うこともできますが、工業単元全体の導入として行うこともできます。
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2 多様な立場に立って話し合う「サミット型話し合い活動」をプラスワンして、多角的に考える力を高め、学習を深めていく

 これからの学習では、主体的、対話的で深い学びが求められています。高学年では、多角的に考える力を高めることも大切です。多角的に考えるとは、様々な立場に立って考えることです。他者の立場に立って考える場を意図的に設けることが効果的です。

そこで、学習の最後に、多様な立場に立って「これからの工業生産」について話し合う「サミット型の話し合い活動」を行ってみました。以下のように進めました。

 




(1)班の数だけ立場を設定し、班ごとに担当を決める。

①大工場  ②中小工場  輸入相手国(日本に製品を売る国)  

④輸出相手国(日本の製品を買う国) ⑤消費者  ⑥政府

立場の数は6つ程度がいいでしょう。班の数がそれ以上にある時には、この活動の時だけ、グループを編成し直します。

班ごとに希望する立場を言わせ、希望が重なった時には、じゃんけんで決めます。

 

(2)それぞれの立場でどんな主張をするのかを考え、資料を用意していく

班ごとの話し合いは、授業の時間ではなく、給食中に行わせました。「サミットの時には、口で言うだけでなく、何か見せるものがあると効果的だよ。」と話すと、用意する班が出てきます。

5人グループならば、主に発表を行うのは2人とします。他の3人は黒板に主張の要点を書いたり、他の班への質問を行うようにさせます。

(3)場のつくり方

机はU字型に配置します。前列に発表をする2人が座り、後列にサポートの児童が座るようにします。

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(4)話し合い本番

話し合いは、まず前半は各グループの主張を聞き合います。作戦タイムを取って、各グループで質問を考え、後半は全体で意見交換を行います。

「工業サミット」の話し合いの一部を紹介します。

○大工場

 「大工場で使う部品などは、中小工場で作られています。けれど今、中小工場では、働く人が減っています。働く人が減ってしまうと、大工場もつぶれてしまうかもしれません。だから、中小工場で働く人が増えてほしいと思っています。」

○中小工場

「技術を受け継ぐ人が少なくなって困っている。中小工場がなくなると大工場も不安定になると思うので、技術を受け継げる人を探しています。」

○政府

「韓国・台湾・香港などのアジア諸国へは、半導体など、日本の高い技術を生かした製品が輸出されている。高い技術のある中小工場の輸出を増やしていきたい。」

 

「質疑」

 C)中小工場で働く人を増やすには、どうしたらいいと考えていますか。

 C)中小工場の輸出が増えて生産額が上がれば、働く人も増えると思います。

 C)どうしたら中小工場の輸出を増やすことかできるのでしょうか。

C)消費者の皆さんは、いいアイディアや便利な物を作ってほしいと言っていたけれど、大工場も中小工場もいい製品を作ろうといつも心がけています。日本の製品を買わないで、海外から輸入した製品を買っているのは消費者だと思います。

C)ボルトやネジなどは業者や企業が買う物なので、どうしても一般消費者の買う割合が少なくなってしまいます。

この授業は「これからの日本の工業を考えよう」という大きなテーマで工業サミットを行いましたが、「日本の工業を盛んにするにはどうしたらいいか」のように、より具体的なテーマを設定した方が、子供たちも考えやすいでしょう。
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教え方がうまい人は何をしているか

先日の校内OJTで、次の資料を使って講話をしました。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1114772311869003&set=a.200864479926462.53841.100000087343395&type=3&theater
「教え方がうまい人は何をしているか」というタイトルが、まず秀逸です。
もちろん内容もよくできています。確かにそうだなぁと感心しました。
実際の授業では、これに加えて「意欲の喚起」や「評価」が加わると思います。

学習に課題を抱える児童への指導

「課題を抱える子」と一言で言っても、その原因は様々です。大きく分けて、3通りの原因が考えられます。

 1つは、「学習意欲」に原因がある子です。「やる気が出ない」「勉強は嫌い」といったタイプの子です。

 2つめは、「学力や能力」に原因がある子です。がんばっているのだけど、九九が覚えられない。文章問題の意味が理解できない。不器用で定規や分度器の操作がうまくいかないといった子たちです。

 3つめは、「資質や性格」に原因がある子です。ADHDやアスペルガーなどの発達障害や、集中力に問題があるような子です。

 学習に課題のある子は、この3つの原因のどれかを抱えています。子供によっては、一人で1つだけでなく2つ、3つの原因をもっている場合もあります。

 課題を抱える子への指導の工夫を考える場合、何が原因なのかを見極めたうえで、対応を考える必要があります。

 学習意欲に課題がある子には、授業で出す問題や課題、学習内容や活動を楽しいものにしていくと、意欲が高まっていきます。

 学力や能力に課題のある子は、自力解決の前に見通しをもたせる活動を入れたり、既習内容の活用を促したり、学び合う活動を入れたり、個別指導に力を入れたりしていきます。

 資質や能力に課題のある子は、教師がメリハリのある話術で引き付けたり、発問や指示を簡潔にしてわかりやすくしたり、視覚に訴える工夫をしたりしていきます。「これから大事なことを話すよ。一度しか言わないからね」と前置きすると、子どもの集中力が高まります。また、座席の位置を変えるだけでも集中力が変わってきます。発達障害のある子の多くは、座席が後方だと話を聞くことが難しくなります。けれども、最前列の中央に大声でおしゃべりをする子がいると、学級全体が落ち着かなくなります。教卓の前の座席にすると、学習に対する意識も持続しやすくなるようです。

個人面談や家庭訪問をうまく進めるには

一学期の前半に、家庭訪問や個人面談を行うという学校も多いことでしょう。
私の学校では、年に2回、個人面談を行います。

以前の私は、家庭訪問や個人面談の時に、子供によって話す時間が長くなってしまいがちでした。そのため最後の人は、30分遅れで行うなどということもありました。
けれども最近は、伸びてしまうことが少なくなりました。面談の内容を、ある程度定例化したためです。

年度初めの面談

年度初めの個人面談は、保護者から話を聞くことを中心にします。
「まだ担任してすぐなので、お子さんのことを教えてください。家庭ではどんなお子さんですか」と尋ねるといいでしょう。
「何か気を付けた方がいいことやご要望はありますか」と付け加えると、この先生は子供を大事にしてくれそうだと感じてくれるはずです。
けれども話を聞いても、内容を忘れてしまってはいけません。重要な内容は、「大切なことなのでメモをしておいてもいいですか」と、その場で書き留めておくといいでしょう。
保護者からの要望があったら、「できるだけ実現できるように努力していきます」と伝えます。
この時期、保護者が最も知りたいことは、「友達と仲良くしているか」ということです。事前に「誰と何をして遊んでいるか」をアンケート調査しておくと、学校での様子を具体的に伝えることができます。家庭訪問のやり方もほぼ同様です。

年度途中の面談

年度途中の面談は、資料を用意して、学校での様子を具体的に伝えるようにします。
子どもの作品やノートを用意しておくと、話す言葉に説得力が生まれます。
テストの集計ソフトの中には、児童一人一人のテスト結果がレーダーチャートで印刷できる機能をもったものがあります。このレーダーチャートをテストの答案用紙と共に見せながら、子どものよさと課題を伝えていくと、保護者の信頼度は大いに高まります。学習につまずきがちな子の場合、危機感を感じて、家庭学習に力を入れてくれるようになります。
ただし、教師が一方的に話し続けてしまうと不満を感じる保護者もいます。「お聞きしておいた方がよいことはありますか」と初めに断わってから話し始めるといいでしょう。

保護者会資料

今年度は3年生を担任しています。木曜日は保護者会でした。
毎年、最初の保護者会では、一年間の指導方針をレジュメにして配布しています。話すだけよりも、信頼を得られるように感じています。
「家庭にお願いしたいこと」も、率直に9点伝えました。
翌日、2人の子が、「お母さんが、いい先生だねと言ってた」「うちもお父さんが言ってた」と教えてくれました。
まずは、いいスタートが切れたようです。
レジュメの内容はこんな感じです。

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3年2組 4月保護者会資料                                     


信頼をベースに、子供たちの「感性」「知性」「理性」「社会性」を育てる

1.信頼関係を築くために

①励ましの声をかける

②一緒に遊ぶ、話す

③具体的な説明、わかりやすい例示をする

④話し合いながら学級をつくっていく

2.感性を育てるために

①詩を作る活動を継続的に行う

②生き物を育てる体験を多くする

    虫を育てる(チョウ、カイコ) ホウセンカを育てる ダイコンを育てる 

③想像力を引き出す読み聞かせ

④「よぉく見る」観察・見学

3.知性を育てるために

①書く活動を重視する

 ・自分の考えをもたせる

・ノートコンテストを実施する

②その気にさせる教材・活動

③考える活動を取り入れる

・子供のハテナ?を大切に

④家庭学習の習慣を付ける

・宿題は毎日出します

4.理性を育てるために

①どんなクラスにしたいかを話し合い、共有する

②失敗を責めない 嘘や責任転嫁を許さない

➂あいさつ、返事、後始末のできる子にする

④考えて行動する習慣をつける

5.社会性を向上させるために

①遊びやゲームを通して楽しみながら協力する心、きまりを守る心を育む

②自主性を高める学級行事、学年行事を行う

③みんなの前でのスピーチ、サークルトーク 伝える意識を高める

④互いのよさを見つける「今日のキラリ」 

⑤仲間とともに学習する学び合い 思いやり・感謝の心を高める

6.家庭にお願いしたいこと

①宿題をする時には、テレビを消してください。集中力が高まります。

②食事の時にもテレビを消してください。会話が弾み、言語能力が高まります。

➂子供の作品を大切にしてください。丁寧に取り組む子になります。

④厳しくし過ぎないでください。素直で明るく前向きな子になります。

⑤時には博物館に行ってみてください。知的好奇心が高まります。

⑥いろいろな遊びをさせてください。広い視野、多様な考え方が身に付きます。

⑦話を聞いてあげてください。話を聞く子になります。

⑧心配している姿を子供に見せないでください。自分に自信が付きます。

⑨お子さんの前で学校や教師を悪く言わないでください。人を信頼する子になります。

 

子供たちはこうして生きかたを学びます

 

 ①批判ばかり受けて育った子は 非難ばかりします

 ②敵意にみちた中で育った子は だれとでも戦います

 ひやかしを受けて育った子は はにかみ屋になります

 ④ねたみを受けて育った子は いつも悪いことをしているような気になります

 ⑤心が寛大な人の中で育った子は がまん強くなります

 ⑥はげましを受けて育った子は 自信を持ちます

 ⑦ほめられる中で育った子は いつも感謝することを知ります

 ⑧公明正大な中で育った子は 正義心を持ちます

 ⑨思いやりのある中で育った子は 信仰心を持ちます

 ⑩人に認めてもらえる中で育った子は 自分を大事にします

 ⑪仲間の愛の中で育った子は 世界に愛をみつけます

(「アメリカインディアンの教え」加藤諦三著より)


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4年「八丈島のくらし」第8時

【第8時】八丈島の観光をさかんにする方法を考える
八丈島の学習、最後の時間です。
「生かす」段階として、観光を盛んにするにはどうしたらいいかを考えました。
まず各自で考え、グループで話し合ってまとめるようにしました。
「ポスターやパンフレットを増やす」
「船や飛行機の便を増やす」
「八丈島の歌を作り、スーパーなどで流す」
「八丈島辞典を出版する」
「ゆるキャラを作る」
「八丈島に5回行くと、2回無料にする」
さまざまなアイディアが出てきました。
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授業としてはここまでで、終わりにしましたが、後日自主学習で、ゆるキャラを考えてきた子がたくさんいました。
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学習に出てきた八丈島の特産物をうまく生かしていると思います。
前任校で八丈島の学習をした時にも、ゆるキャラを考えた子がいましたが、学習内容が違っていたこともあってか、ずいぶんとデザインが違っていました。
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4年「八丈島のくらし」第6・7時

【第6時】八丈島の人々の生活や工夫について調べる
調べる段階最後の時間の課題は、「八丈島の人たちはどんな生活をしているのだろう」としました。
資料には、「交通手段」「気候と生活との関係」「自然」「クリーンエネルギー」「人口」について、ちょっと多いかなと感じつつ盛り込みました。
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子供の発言を板書には、「交通」「気候」「人口」に分類してまとめました。
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【第7時】八丈島のくらしについてまとめる
調べる段階には、毎時間、「今日の学び」を書いてきました。
それを見ながら、学習問題に対するまとめを考えました。
「1人でまとめる」→「グループで話し合う」→「1人でまとめ直す」と三段階でまとめていきました。
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この方法だと、どの子も自分の力でまとめを書くことができるようになりますが、具体的なことを書きすぎて、まとめの文が長くなってしまうことが課題です。
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