震災から1年経ちました。

震災後の1年を振り返ると、
計画停電、放射線汚染、避難所や仮設住宅、復興計画などなど。
震災に関わる問題は後を絶たず、
いまだに収束する気配はありません。

それだけ大きな出来事であったのであり、
震災はまだまだ続いているのだとつくづく感じます。

そして、震災の経験を通して、
私たちの意識も大きく変化してきていると思います。

特に「絆」という言葉に表されるように、
人と人とのつながりの大切さが意識されるようになってきており、
それは被災地から離れた東京で生活する私たちの暮らしにも、
大きな変化をもたらしていると思います。

例えばシェアハウスのような、
コミュニティのある暮らしが昨今注目されているのは、
震災の影響が大きいように感じます。

またフェイスブックなどのSNSも、
人とのつながりを共有するツールとして広がっているように思われます。

そもそも人とのつながりとは、
高度経済成長期の日本において、
忘れ去られてきたものではないでしょうか。

物質的な豊かさを求める反面、
精神的な豊かさを育む意識が損なわれてきたように思います。
最近、連日のように孤独死に関する報道を目にしますが、
それはまさに、その影響によるものと言えるのではないでしょうか。

私たちはこれまで、人とのつながりを育む暮らしの一つとして、
コーポラティブハウスなどの設計にたずさわってきましたが、
今後はさらに積極的にコミュニティのある暮らしを、
様々な形で提案していきたいと考えています。
それが、震災の教訓を活かし次世代に伝えていくうえで、
私たちができることだと考えるからです。

また震災復興においては、
被災者の方々のコミュニティづくりをサポートしていくことは必要不可欠であり、
その場合においてもコーポラティブ方式の住まいづくりは有効であると考えており、
今後自分たちができることがあれば積極的に関わっていきたいと、
震災から1年経った今、改めて感じている次第です。