3月末で1棟まるごとリノベーションマンション『リノア永福町』をお引き渡ししました。
およそ1年と3か月間の取り組みでした。

5階建ての共同住宅15戸の建物は、杉並区の風致地区にあり、
敷地にゆとりを持った緑豊かな立地です。
今回の取り組みでは、いつもの1棟リノベーションマンションとは異なり、
いくつかのチャレンジがありました。

お話を頂いた2016年の年末、現地調査を行った際には、全戸入居済みであること。
築30年の建物は、老朽化もあり、設備の更新が必要なものでしたので、
入居されていながらの設備の更新は、難易度の高い工夫の要るものだなという直感でした。

また、5階建ての建物にはエレベーターがなく、
分譲していくには有る無しで、建物のポテンシャルも差が出るであろうということ。
私たち設計者は、エレベーター増築に当たり、建築基準法や東京都安全条例、消防法、
杉並区の条例などなど、多方面から検討しなくてはなりませんでした。
もちろん、分譲販売に際しての、事業採算性や建物の価値が成立するか否かの検討は、
事業主様のほうでも十分検討しなくてはなりませんでした。

そして、ひとつひとつ、問題点の検討をクリアし、増築に至ったわけです。

既存建物の外観は、総タイル張りでそれほど古さを感じないものでした。
老朽程度は方角によりタイルの浮きや割れも見受けられました。
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Beforeです。
ただ、外装タイルはネガティブに捉えず、むしろタイルというそれ自体耐久性がある好材料と捉え、
浮きや割れなどを補修することにとどめ、その良さを生かすことにしました。
それでも一辺倒のタイル張りにリノベーションの爪痕を残すべく、
室外機置場や腰窓には、濃い色目のルーバー状の手すりを設け、外観のアクセントとしました。
そして、エレベーターシャフトの出現です。
エレベーターは、既存の受水槽の設置場所に受水槽を撤去して設置することで検討しました。
シャフトの外観デザインは取って付けたようなものではなく、無機質でシンプルなデザインとすることで、既存タイルと調和することとしました。
F3
外観デザインとしては、奇抜な変わり映えは期待せず、
しかしながらリノベーションならではの刷新感は演出したい!と模索し、
エントランスと外構に注力しようと試みました。
エントランスは、まずセキュリティを確保しオートロックを設置しました。
それに伴い建具の更新とあわせ、メールボックスや宅配ボックスを新設し、
ガラス部分にサインを設けることで、刷新しました。
いかにも共同住宅のエントランスとはせず、コーヒーショップのような構えとし、
セキュリティを確保しながら、街に開かれたエントランスになったかと思います。
E1
そして、エントランス内部は、狭いながらもコーヒーショップのようなカウンターも設け、刷新感と機能性を更新しました。

H2
また、夜景にも配慮し、通りを行く人々にも明かりを提供できるような照明配置とし、
街へ開かれた空間となるよう配慮しました。
YE4s
外構デザインは、風致地区条例に則り、緑化率を確保するべく、保存樹にも努めました。
接道部分は塀を取り除き、視覚的に空間開放し、緑化を行いました。
塀を除くことで敷地内への他の侵入を促すことになろうかという考え方もありますが、
緑化や照明配置をデザインし留意することで、悪意を持った進入は妨げられると考えます。

このプロジェクト、共用部のお引き渡しは終えましたが、
住戸の販売はタイミングによっては、募集住戸があるかもしれません。
http://re-eifukucho.jp/
どうぞ、ご興味のある方がいらっしゃれば、アクセスしてみてください。
そして、住戸のフリープランコースでお会いしましょう。