暖かすぎる始まりだった12月ですが一気に真冬が到来しましたね。忘年会シーズン、体調を崩されていませんか?
さて、毎月恒例となって参りました当社主催の勉強会(ar+Co会)ですが、お陰様で今回で10回目を数えました。御参加下さいました皆様への感謝とともに内容をご報告をいたします。

テーマ「実際のコレクティブハウスってどんなもの?」
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今回は株式会社コプラスの久保有美さんをお招きして9月に本場であるスウェーデンのコレクティブハウスを見学して実際の暮らしを見てきたご報告と、現地の写真を中心にコレクティブハウスってどんな暮らし?イメージはあるけれど実際はどういう暮らしなの?ということをたっぷりお話していただきました。

コレクティブハウスという住まい方があることをご存じでしょうか?北欧発祥の住まい方で東京にもコレクティブハウスは運営されており、久保さんご自身もコレクティブハウスの暮らしを実践中です。コレクティブハウジングとは、それぞれがみんなで使ういくつかの共用スペースを持ち、生活の一部を協同化する合理的な住まい。自分や家族の生活は自立しつつも、血縁に拘らない広く豊かな人間関係の中で暮らす住まいのかたちです(NPOコレクティブハウジング社HPより)。

久保さんは学生の頃にこのコレクティブの住まい方を知り、「合理的で人との豊かな関わり方が実現できる素晴らしい暮らしかた」に興味を持ち、いまも情熱をもってそのコミュニティハウジングを実現するために奔走されています。
今回視察されたストックホルムの2件の実例を多数の写真でご紹介いただきました。
まずは、シニア向けコレテクティブの「フェルドクネッペン」です。
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25年前に40才以上向けのシニア型として住民を混じえて準備期間6年以上を経て実現した住まいです。
スウェーデンは基本的に個人の土地所有権というものはなく、43世帯54名の賃貸であり、平均年齢70歳以上とのことで、ここを終の住処に人生を終えた方もいるそうです。
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業務用の本格的な調理器具が並ぶキッチン。当番制でみんなの食事(ミール)を作るキッチンとダイニングはハウスの中心。
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そのほかの共用部の様子。ストックルーム、工作室、浴室、サウナ…etc.
洗濯室は広いスペースにある複数台の洗濯機を一定時間ひとりが占有して使う方式となっていて日本とは随分違う印象でした。
屋外の空間も随所に居心地の良さそうなスペースがあり、共有することで豊かな住環境が得られている様子がよくわかりました。
食事の用意に限らず、建物の管理・維持も自分たちで行う事が基本で、ルール作りや話合いにかなり時間を割いてお互いの意思疎通を図って進めているのは日本もスウェーデンも共通しているそうです。

続いては、同じくストックホルムにあるコレクティブ「スードラスタフーン」をご紹介していただきました。
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居住権(日本で言うところの区分所有的な意味)を購入する形態の集合住宅の中の一部に設けられたコレクティブハウスで、こちらは年齢の縛りは無く、子どもたちがはしゃいで遊べるスペースがたくさんあったとのことです。
共用の食堂でのミールは自室に持ち込んで食べることも可とのことで、フェルドクネッペンよりドライな印象を受けました。設備は同様にハイスペックな調理器具が並んでいる様子でした。
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リサイクルスペース。住民同士でいらなくなったものを交換して有効利用できるようにしているとのことで、子育て世帯には嬉しいアイディアなのでは。
協力し合って家事と経済的な負担を軽減し、一人暮らしや単独世帯にはない安心と社会との連帯感/共生が得られる住まいとして少しづつ浸透してきたコレクティブハウジングですが、発祥の北欧でも「意識の高い生活者」であることが求められる特殊な住まい方であることには変わりないとのことでした。
ただ、お国柄様々なものを共有し
大切にする意識が国民に備わっている印象を持ったそうです。
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久保さんがお住いのコレクティブハウスの日々の生活についてもお話しいただき、参加者からは「高齢になって一人ぼっちではなく隣人とお互いに協力しながら見守り会えるのは良い」とか「意識の高い住まい手」による暮らし方はなかなかハードルが高い、など色々な感想も聞かれました。

もともと女性の社会進出を後押しするために、家事は皆で協力し負担を軽減することを目的に誕生した住まい方と言う経緯があり、毎日の食事作りが週に1回で良い、など共に作り共に食す「共食」が基本となり、建物の清掃などもお金のかかる外部委託はせずに自分たちで行うためにはルール作りや人間関係の調整等は必須となるのは納得です。ただ、高齢になって自分の役割をいままで通り果たすことが難しくなるケースは当然あるでしょうし、そんなときどうしていくのかも模索しながら運営している現状とのことでした。
今回海外の事例と実際にお住いの久保さんの生の声を聞けたことはとても貴重な経験でした。
私事ですが、私も学生時代コレクティブハウジングを研究する教授のもとで学び、当時建設されたばかりのフェルドクネッペンの様子を新鮮な気持ちで資料を通して知りました。奇しくもその25年後の姿を見ることが出来て本当に感慨深く、短期間に精力的に視察に回られ今回このようにご報告して下さった久保さんには感謝の気落ちでいっぱいです。コミュニティのある住まいへの愛と情熱に溢れる久保さんのトークに圧倒されました。これからもどうぞ日本での実現に向けて邁進してください。応援しています!
(実例写真:久保さんの講演資料より抜粋拝借いたしました)