見学のご報告です。
日ごろからコミュニティに関心がある私たちですが、先週『okatteにしおぎ』を見学する機会をいただきました。

 2015年にオープンした木造2階建ての建物で、キッチン(=お勝手)をパブリックコモンスペースとして地域に提供している施設です。 キッチンで皆で集って、作る、食べるのほか、飲食店営業、菓子製造業の許可を取得しており、小商いもできます。
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↑左2階建ては改修された建物、土間のある下屋は増築部分。外壁の木目と緑が目に心地よい建物でした。

 見学では、事業コーディネートをされているn9.5の齊藤様にご説明をいただき、大家さんのお話もお伺いすることができました。 改修設計は、ビオフォルム環境デザイン室が行っています。

 はじめプロジェクトは、大家さん家族のライフステージの変化、相続対策から始まったそうです。 大家さんが考えていらした、単なる賃貸経営ではない地域活性化への想いと、「共食」への関心から、 『お勝手』というキーワードにたどり着いたそうです。写真 2019-05-14 12 03 28
↑土間に置かれたキッチン『お勝手』

 最初からそういったキーワードがあったわけではなく、 打ち合わせや、ワークショップを重ねることで、キーワードを探していったそうです。 ご自身の様々な記憶や体験の中から、面白しろいと思ったコミュニティや場面について掘り下げていくと、 ある時ふとキーワードが明確になったそうです。 事業を行う上での、コンセプトとなるキーワードがうまれる過程のお話は、とても勉強になりました。

 運営面でなによりも私が驚いたことは、「ルールの少なさ」です。
『okatteにしおぎ』では、メンバーシップ制を導入されていて、週1回から年に数回利用する方まで様々とのことです。
全体を取り仕切る長のような人も居ません。
多くの人が集まると、色々とルールや規定を作りがちですが、ルールと言われるものはあまりなく、
 ・おたがいさま
 ・もちより(サービスを受けに来るのではなく、何かを持ち寄りそれを分けあう場)
という考えのもと、会員が主催者のように自発的に行動しているということでした。
イベントも自発的に行われ、コーディネーターや特定の人がおぜん立てはしないそうです。
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↑増築部分。大きな窓から緑が見え、天窓も明るくて気持ち良い空間でした。

 最初は、人とご飯を食べたい、おいしいものが食べたい、ママ友が欲しい、知り合いが近くに欲しいといったといった目的から、参加される会員も多いそうです。 しかし自分で行動しないとサービスが受けられないということに気が付いた会員は、参加者・お客様から主催者へと変化し、イベントを考えたりして、『自分で何かやるのも面白いかも!』と、目覚めるのだそうです。
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↑改修部分。土間スペースと繋がっている板の間のリビングスペースと畳スペース。

 ルールの少ない中、トラブルはないのかということも気になります。
 ・仲良くしようと思わない
 ・あかの他人 
 ・トラブルはある
 ・不満をためない、お互いを知る・肯定する
という考えを皆が共有し、トラブルを少なくし過ごせているようです。
最終的には、話し合い、コミュニケーションをとることが、トラブル回避で一番大切なことようでした。

各々が自立して居る中で、お互いを尊重した付かず離れずの絶妙な距離感が、持続的な唯一無二のコミュニティを生んでいるように感じました。
場所をつくったから人が集まるではなく、人が集まったら場になった。という素晴らしいプロジェクトを見せていただきました。