ハンドメイド
2011年05月29日
ストラテジー修理
さて昨日見事に真っ二つになった愛刀・ストラテジー。
本日手術にて無事復帰しました。カタチだけはw
少々不恰好だけど、使えりゃいいのさ。下取りに出したって500円も付かないし(既にティップと3番目のガイドを交換済なので)。
ということで修理手順などをUPしてみます。皆様のご参考にでもなればと。
まずはこんな感じで破断しました><
普通はこんなササクレたりしないんですけどね。
なにか外的な要因だったら、ポッキリと折れることが殆どです。
こんな風にダメージ蓄積でシャリシャリ言いながら折れるなんて初体験。
このまま継いでも、このササクレ入った場所が使えないので短くなっちゃう。
タダでさえファーストテーパーの硬い竿(よく腰抜けずに10年もったな)がますます硬くなる。なので・・・
素材に折れたブルーダーを持ってきました。
これはバット折れした奴を貰ったもの。その後修理したけど車のドアに挟んでティップ折れ→4FTで2ピースのフローター専用に改造→フローターエア漏れでお蔵入り→ストラテジーのティップガイド破損→ガイド外されてスクラップ
という聞くも涙な竿生を送ってる奴です。
これの先っぽはほぼ無傷なので、これを移植しようと。
んで少し長めに取って、ちょっとだけマイルドな性格でストラテジーが生き返らないかなと。巻きモノ用は別にあるし、どうしてもファストテーパーのジャーク竿にはしときたい。だけど生前(?)はちょっとその性格がキツ過ぎて、ルアー10g程度ないとティップ返り過ぎて投げ辛い感じだったんです。
つまりロングAの15Aやオリザラ、ラッキー13使うには凄くいいんだけど、14Aやレッドフィンですら少しウェイト足りない感じ・・・
逆に3/8ozのスピナベでもティップ負けせずに投げられてたから、それはそれで良かった面もあるんです。だけどそれがスピードスティック買って必要なくなった。もっとジャーキング専門でOK。
それで少しマイルドなブルーダーのティップ部を持ってきたわけです。そのままの性格にしたければ、旧いスコーピオンもあったんですけどね。
さてまずはいらないブランクをタテに裂いて、継ぐ部分の補強を・・・
これはブルーダーのティップで使わないちょっと下の部分。
これを4つに割って、ブランクを外から巻きます。ん~原始的w
せっかくだから、ティップにはゴールドサーメット。高級品だw
性能的にはSICなんだろうけど・・・これはスコーピオンのスクラップから流用。
そうそう、ティップガイドの径が少し小さかったので、ブランクを削ってあわせました。
この中にタテ裂きにしたブランクを詰めて、エポキシで固着。部分的にソリッドにして削った分を補強。
出来上がりはこんな感じです。
継いだ部分にガイド乗っけて補強したかったので、前後のバランスをとるために、この一個下のガイドも外して付け直し。継いだパーツの重量分持ち重りすると思い、ガイドを一個減らしました。ベンディングカーヴ見る限り、減らしても問題ないはずなんで。
今まで修理した竿って、例えばスローテーパーのティップ部分だったり、ファーストテーパーの真ん中だったりと・・・その竿のオイシイ部分ではないことが殆どだったんで、今回みたいに一番使う部分が折れて、修理して使えるのかどうか・・・それがちょっと不安(そして一番重要www)。
さて来週には試し投げに行ってみようと。今度は予備の竿を持って・・・
2007年02月20日
ミノー修理
日曜日に見事真っ二つとなった、レーベルミノー。
このまま廃棄するのももったいないので、どうにか修理することに。
まずはこんな感じで、継ぎ目になる場所の無垢材を作成。バルサを内径にあわせて切り出し、ちょうど竿のジョイント部分を作るような感じにします。
長さは、それぞれフックハンガーで止まるくらい。
ここらへんは浮力・強度との兼ね合いで…補強材は小さければ小さいほど良いと思います。
それをはめ込んで…
こんな感じ。
あらかじめ補強材には、2液性のエポキシ接着剤を塗布しとくこと。
この段階で、ラトルを足すのもアリですね。
これは頭部にはコトコト系の音を出す…タングステンを1個、テール部分にはシャラシャラ系のクレビスを2個。テールは特に浮力がないので、足しすぎに注意!
きっちり継ぎ目まで差し込んだら、ボディへの穴あけ。もちろんコレやらなくてもある程度、強度は出ると思います。
だけど、これは5.5インチミノーで…ラインも20〜25ポンドを使用するので、ルアーに掛かるストレスが高い。そのことも考えての補強です。
そこにビスを打ち込む。
これはサーフェイスリグとかに使われてる奴です。ボディ下面に2つ、背中にも2箇所。もちろんネジ込む前にはアロンアルファを染み込ませ、中のバルサ材を固めること。そうしないとネジ補強の意味ないし。
これでどれだけ復帰するか…実力は未知数(笑)
週末あたり、またリザーバーで酷使してみようかな?
2006年12月13日
メバル竿修理
ハンドメイドネタの一環として。
先日、不幸にもソリッドティップのメバル竿、月光が折れてしまった(というか他の釣り人に蹴っ飛ばされたわけだが…)。
ということでそれを補修しました。
メバル竿のティップは、ご存知の通り繊細なティップが命。それだけにかなり破損しやすい部分だといえる。皆さんが竿を…特にメバ竿のティップを折った場合、役立てて戴きたい。
まずはこんな感じで…
これはソリッドになってる部分を切り落としたところです。ご存知のように途中までチューブラー、穂先近くでソリッドになってるから、このソリッド部分ごと取替えます。
使うのはこれ。
どこの釣具屋でも売ってる、磯竿用のソリッドティップ。
今回はグラスを使いました(カーボンだと1500円、グラスは500円)。
単純に合う太さの所から切って、後ろから入れてしまうのもアリなんですが…
それだとこんな風にツライチには仕上がらない。そのために、上から差し込む感じで…少々加工します。
ブランクの内径に合わせて、ルーターやサンドペーパーで慎重に削り込む。
ちょっと白が強いところが削った部分。ここをブランクに差込みます。
差し込んだらブランクの方にスレッドを巻き、補強します。このままだと裂けちゃう可能性も。
メバル竿だからスレッドでいいけど、バス用の竿の場合は強度が要るので、ナイロンの4〜6ポンドを使います。
その上にエポキシを塗布。
次にガイドですが、折れた竿から外して装着。その際、こうやってブランクに下巻きしてから着けること。そうしないと、ガイドの素材が金属だから、曲がる力が掛かったときにブランクを傷付けてしまいます(メバル竿の先端用のガイドフットはプラスチックが多いけど…)。
全部付けたら、こうやって歪みがないかチェック。安いブランクは、それ自体が歪んでいることもあるので、買うときにチェックしときましょう。
最後に各ガイドフット部分にエポキシを塗って…
…とこんな感じで完成。
ブランクの素材をいろいろ手にとって、もし今までの調子に不満があれば、それを矯正する方向のブランクを探すのも手ですね。
これは…月光にちょっとだけ張りが欲しかったので、少し強めにしてみました。
売り場でブランクを探すとき、実際にメバル竿のティップを触って確認すると間違いないですよ(メバル竿って、使った感じは激柔ティップだけど…実際は触ると思ったより硬いし)。
2006年10月12日
ルアー基礎講座
今日、ショップで流されてるビデオ見てたら・・・とあるトップカテゴリに居るプロ(おれも凄く尊敬してる人)の口から、とんでもない話が出てきました。
それというのも、フックに関する事柄。
その内容をこのあと解説しますが、これってハンドメイドやる人間にとっては・・・知っておかないとルアー設計なんてお話にならんぞヲイ!って話だったわけで。
そこで顧みて、私のような場末のハンドメイドビルダーでも知ってるんだけど、意外と一般のアングラーさんが知らないこともあるんジャマイカ?と思い、ルアーの仕組みについて・・・ネタが続く限りやろうと思います。その1回目ね。
ということでルアーのフックについて。
まず念頭において欲しいのが・・・ワームフックとルアーのトレブルフックとでは性格が全く違うということ。
これはそれぞれのルアーに課せられた使命の違いによるものだ。
ワームの場合、その目ざす処は基本的に「餌っぽさ」だ。ということで必然的に、日本のえさ釣りで使うものと近い物となる。力掛かったときに、フックポイントとアイが同一線上に向かうような形だ。
例を挙げるなら、昔のオフセットフックと今のオフセットフックの違い。
これは、飽くまで魚がワームをエサだと思って口の中に入れることを前提としてる。ルアーが入った状態からハリを魚の口に貫通させるためのものだ。
対してルアー用トレブルフック。ここがビデオで流れてたんだが・・・
トレブルフックが持つ役割とは、その「3つのフックポイントが広くルアー周辺をカバーすること」が役割となる。
食わせたあとに魚の口を貫通させる・・・という能力よりも、ルアーのボディ周辺への魚の接触をなるべく高確率で拾う為・・・が第一の目的というわけだ。
というのも、皆さんご存知の通り・・・バスはルアーをエサだと思って食ってることなど少なく、食性や攻撃性といった本能を刺激されて(音・アクション・波動・散光・・・)、我慢できず食ってきたり、攻撃を仕掛けてきたりする。
極端な話、バスがルアーにアタックしたとしても、バスが口を空けているとは限らないのだ。
だから、ルアーのフック・・・特にイーグルクローやヘドンのフックは、ロングシャンクで設定されている。
まあ、だからといってそれがすべてでもない。でも、生っぽさを否定するような・・・よりアピーリーなルアーは『ロングシャンク』の方が向くと言える。
だからミノーなんかはちょっとエサ向きの方向性のハリが付いてたりするんじゃないだろうか。
ロングシャンクではあるが、フックポイントがフックハンガーに向いており、やや繊細なタックルで挑んでも(フッキングパワーが弱くても)確実にフックアップしやすいように設定されている。
特徴的なのが、ハトリーズ。
見て分かるように、ボディに対してフックが明らかに小さい。
これは思想的な面で『ガッツリ喰わなきゃ納得出来ねぇ!』みたいなことがあるんじゃないだろうかと思う。羽鳥さんの理念として、ショートバイトだの弾くだのってのは偽者。喰うならガップリ行ってくれ!そんだけのアクション出させてやる!みたいな。
こういうコダワリを見せてくれるルアーは、やっぱ楽しい。
ちなみに冒頭のトッププロなのにアイタタ・・・な話をしてたの、国内最強と謳われてるあの人です。ラーメンマンから『センセイ』って呼ばれてる。ホントにルアーのこと分かってんのだろうか・・・ひょっとしてゴーストライターならぬ『ゴーストビルダー』が居るんじゃないの?
2006年05月29日
ルアーのアイディア
普段、ルアーのことばっかり考えてるわけじゃないけど・・・それでも、何かのキッカケで良いアイディアがないか探している。
中には普段使っている雑貨だったり・・・面白いのはやっぱホームセンターや100円ショップ。思いがけず刺激になったりも。
それでもやっぱり、ルアーのヒントになるのはルアーだったりする。
他社のルアーを見ると・・・その強い個性に引き摺られ、自分のスタイルを崩してしまうリスクは確かにあると思う。でも、そのルアーが現在発売され、認められて人気製品になった・・・その原因を知るためにも、色んなルアーを見たほうが良いと思う。
私も例に漏れず、ハンドメイドは模倣から入った・・・
いや、思い返したら模倣から入ってない(笑)
割り箸を加工したフローティングスプーンだった(爆)
その後に「これじゃいつまでたっても釣れん」と思ったような覚えが。そんで、カツラの丸棒を加工してヒートンを打ち込み、ポッパー・ペンシル・ペンシルポッパーを作った。同期はM社初代ベイトXかな?その頃だった。
その実態は・・・
ペンシル→WRIGGLER(99ers)
ポッパー→ポーの不細工な奴
ペンシルポッパー→マッキーバー
というパクリ三昧。ブランドネームも「Bagly's」からパクって「pakly's」(笑)
ところが結果として楽に釣れちゃうわけで。なんだ、市販品とハンドメイド・・・大した違いがないやん、と。塗装などの強度や仕上がり(筆塗りだったので)は最悪だったが、それでも原価は一個100円以下。
そうこうするうち、主に強度の面で不満が募った。それに自身ルアーに求めるモノが・・・エサの延長である「疑似餌」から、魅了する物体「LURE」に。
そこで大きな壁。
真にバスを釣る能力。それに耐久性とコストパフォーマンスを加えた時点で、買うルアーは全てアメリカ製になった。
ハンドメイドの条件も、ただ「釣れる」ではなく・・・それのみが持ちえる、光るものを持っていること。これが最低条件になった。ほかと一緒なら買えば良い。時間のない社会人となったこともあり、作る手間を考えたら買ったほうが安い。
買ったほうが安いルアーをわざわざ作る必要はない。使ってくれる人の為に?違う、自分の為に。
そんな中、スランプのドツボにはまりこんだシャロークランクに・・・強力なヒントになるルアーがあった。
それは数年前に買っていた、ジタバタアライ君だ。高い金出して買ったんだから、売る前にっちょっと使ってみよう・・・と、2~3年ボックスのコヤシになってたのを引っ張り出して使ってみた。
なんか、モヤモヤしてたのが全部スッキリした気分だった。
ウェイトバランス、ボディデザイン。今まで迷い、悩んでたのが・・・一本の筋道が見えた気がした。
事実そのあと作ったプロトが、E-Bacのほぼ原型だ。細かい仕様の変更はあっても、今も同じ直線上にある。
E-Bacは・・・マンズの1-もヒントになった。これは悪い意味で(笑)1-が悪いルアーっ訳じゃないのでご注意。私の目指したいデザインとは逆方向だということ。
他、私が感銘を受けたルアーを・・・
ラパラ・シャッドラップ
ヘドン・バイウーブギ
ザウルス・ポップスウィンガーセラフ
ボーマー・スクウェアA
エクスキャリバー・スーパースクープ
スミス・インナーハンドWB
ショックを受けたルアー
ザウルス・50ベイドン
ボーマー・モデルB
メガバス・タイプX
以上、何かの参考に・・・ならんだろうな(笑)