2008年09月
2008年09月30日
オイルマネーの威力で拡張が続くパームジュメイラ
パームジュメイラ(The Palm Jumeirah)は、世界最大級の人工リゾートアイランド。パーム島と呼ばれる3つの島から成り立っている。この建設よってドバイの海岸線は約520km長くなったという。
第一期工事の完成時には、ビル・ゲイツ、ミハエル・シューマッハ、デビッド・ベッカムなど世界のセレブが別荘を購入したと伝えられた。
ちなみに、Palmは椰子の木、jumeirahはアラビア語で「美しい」を意味するので、「The Palm Jumeirah」とは「美しい椰子の木」という意味となる。
オイルマネーで躍進が著しいドバイのランドマーク的存在で、政府系不動産デベロッパーのナキール(Nakheel)が開発を主導している。
2008年09月29日
2008年09月28日
東京・プラダ青山店に回帰したのか
スイス人建築家。ジャック・ヘルツォーグ(Jacques Herzog)とピエール・ド・ムーロン(Pierre de Meuron)は共に1950年スイス、バーゼル生まれ。
1975年チューリッヒ連邦工科大学卒業でり建築の学位を受け、1977年からは同校ドルフ・シュネブリ教授のもとで助手を務めた。
1978年には故郷のバーゼルにヘルツォーグ・アンド・ド・ムロン建築事務所を設立し、ハーヴァード大学などで教鞭も執る。その後、ヘルツォーグ・アンド・ド・ムロン建築事務所は、ハリー・グッガー、クリスティン・ビンスヴァンガーをパートナーに加え、活動している。
主な作品として知られているのは、ストーン・ハウス、リコラ・ヨーロッパ社工場+倉庫、バーゼル駅信号所、ナパ・ヴァレーのドミナス・ワイナリー、ロンドンのテイト・モダンなど。2001年にはプリッカー賞を受賞している。
彼らの作品は東京でも見られる。東京・プラダ青山店だ。そしてエポックとなったのが2008年、オリンピックの舞台となった北京国家体育場だ。東京・プラダ青山店では、建物の表層を蜜蜂の巣のようなプリズム状で覆ってしまっているが、北京国家体育場では鳥の巣と呼ばれるように複雑な柱が建物を一面に覆っている。
2008年09月27日
実はニュースは最強のコンテンツ
20数年ほど前、民放局でCNNの抜粋を見られるようになった。24時間のニュース報道。そんなものが成立するのかと思ったが、実に面白かった。その後、加入したCATVでCNNを24時間、見られるようになった。英語の勉強になる...日本語訳がまだ稚拙だったりする...はさておき、世界中での出来事がリアルタイムで見られるのはなかなか凄いことだ。そしてニュースは最強のコンテンツとなるのがわかった。
既存の新聞や雑誌が苦戦している。すでにインターネットのニュースで済ませ、新聞をとらない若者も多いという。既存メディアにはニュースという事象に独自の意見を提示するなど優れた面もあるが、多くの場合は、記者クラブ経由で、この国の三大紙でも似たり寄ったりの記事も多い。そんな状況下、このニュースにある「Digg」は、そんな既存メディアを更に脅かすかもしれない。
すでに主要な報道メディアのニュースサイトでは記事を「Digg」したいかとユーザーに尋ねるリンクが提供されているとある。ニュースというひとつの事象(事実ではなく)に「ディガー(Digger)」と呼ばれるユーザーが自身の意見を述べる。実は、ニュースというひとつの事象に対する意見、解釈が多いほど、そのニュースは強化される。その意味では、このAFPBB Newsも似ている。多様な意見を通してこそ、ニュースというひとつの事象の背景、隠された意味などが明らかとされるからだ。
2008年09月26日
2008年09月25日
グーグルは世界を変えられるか
10億円。美味しい話しかもしれない。触手が動いた人もいるのかもしれない。ただアイディアがあったとしても、言葉の壁がある。日本語での応募は駄目だろうし、ましてや議論にも参加できない。
世界を変えるアイディアとは....。「あなたのアイデアが本当に多くの人びとを救うかもしれないことが分かるという満足」。少しばかり不遜のように思う。インターネットは便利だし、グーグルが次々と打ち出す施策も素晴らしい。こんなことができるのだうかと思っていると、実現もしてくれる。それでも世界は変えられないと思う。
世界は余りにも複雑すぎる。インターネットは人と人とのコミュニケーションをサポートするが、それぞれの人の中で起こる事柄は、実は内閉していているからだ。内閉し、伝えられない部分に大切なものがあるし、その部分をさまざまな社会的システムとして解け合わせ、共有しないと、社会は変化しない。インターネットは新たな手段のひとつだと考えた方がよいと思う。
2008年09月24日
やはりグーグル携帯の狙いは配信事業
これまたグーグルの究極の後追い作戦だ。まだアンドロイドによるグーグル携帯の実物を見ていないが、テレビ報道などによると、そのインターフェイスはiPhoneにとても似ている。しかもOSとしての情報は公開するのだから、グーグル携帯上で稼働するシステムの開発案件も増えるだろう。
そして、狙い目はやはり「配信事業」だった。さてアップルはどうするのか。というよりも、それはユーザーが選べばよい。どちらに優れたコンテンツがあるのか、サービスは進化するのか。この事態をみて、この国の携帯キャリアはどうするのだろうか。美味しいところはグーグルやアマゾン、そしてアップルにもっていかれ、単なる携帯電話のインフラ提供会社となってしまうリスクがある。
2008年09月23日
ウェブページに言葉の意味と関係を加える試み
セマンティック(semantic)は意味を指す。インターネットの世界ではセマンティック・ウェブ(Semantic Web)のように用いられている。W3Cのティム・バーナーズ=リーによって提唱された。
ウェブページとその中に記述された内容に、それが何を意味するかを表すツール群などを追加することでWWW(World Wide Web)の利便性を向上させ、効率よく情報を収集するだけでなく、意味までも解釈できるようにするアイディア。これによってインターネットを単なるデータの集合から知識のデータベースに進化させようという試みである。
現在、ウェブページは文書構造を表すHTMLで記述されているが、個々の言葉の意味まだは記述、伝達できない。セマンティック・ウェブではXMLによって記述し、RDF(Resource Description Framework)など用いてタグを付け加える。
具体的には、RDFによるメタデータのモデルでは、主語(subject)述語(predicate)目的語(object)の3つの要素で文書内の関係情報を表現する。
これによって従来の無機的な文書情報ではなく、意味と関係性までも含む文書情報をデータベース化したり、検索対象とすることで、ウェブの閲覧者に対して、より高度な情報を提供することを目指している。
2008年09月22日
ベルリンを拠点に国際的に活躍する美術作家・塩田千春
塩田千春。1972年大阪生まれ。京都精華大学洋画科卒業後、ハンブルグ美術大学などを経て、ブラウンシュバイク芸術大学ではマリーナ・アブラモヴィッチに、ベルリン芸術大学ではレベッカ・ホーン。現在、ベルリンを拠点に国際的に活躍する美術作家。
国内では2007年に神奈川県民ホールギャラリーで個展「沈黙から 塩田千春展&アート・コンプレックス2007」を開く。同年、芸術選奨文部科学大臣賞新人賞を続けて受賞。
旧東ベルリンの解体されるビルや廃屋から集めた多数の「窓」を組み合わせたインスタレーションや自身の身体を用いた映像作品などさまざまな表現を展開している。
このニュースも、そんな一連のベルリンでの活動の延長か。靴。ある人たちにとってはフェティシズムの対象。この作品はそんな色合いはない。拡大するとわかるが、ひとつひとつの靴のフォルムが面白い。そして靴そのものが描かれているが、何故か、足跡のようにも見える。
▼塩田千春・ホームページ
2008年09月19日
グーグルのアンドロイドは何をもたらすのか
グーグルの携帯電話向け戦略の根幹をなすアンドロイド。仕様はオープン化されており、すでに多くの開発案件が噂されている。今回、ニューヨークでいよいよ「グーグル携帯電話」がデビューすることで、彼らの戦略は現実のものとなろうとしている。
このニュースにある「アナリストらは、携帯電話サービスの収益モデルを登録料モデルから広告モデルに変える可能性があると評価していた」は何を意味するのか。
例えばソフトバンクによるiPhone。これまで携帯電話サービスの料金徴集は携帯キャリアに独占されていたが、このiPhoneでは一定の割合がアップルの収益となる。要は、単なる携帯電話サービスというインフラだけが料金徴集の対象となるのではなく、そのインフラ上に提供されるさまざまな独自サービスが料金徴集の対象となる。その中にはグーグルが展開する広告モデルも当然のように含まれるだろう。
2008年09月18日
いよいよ最大6コアを内蔵したマルチプロセッサの時代となった
4年ほど前だが、現在、主流となっているインテルのCentrinoのプロモーションに参加した。その際には関連資料として提供されたホワイトペーパーにプロセッサ開発のロードマップがあった。そこにはすでに最大6コアを内蔵したマルチプロセッサの開発計画があった。
このニュースにある「Xeon 7400」シリーズは開発コードネーム「Dunnington」で呼ばれていたもの。以下は同社のホームページから。
45nm High-kプロセスで製造され、19億個のトランジスタを集積。最大動作周波数は2.66GHz、L3キャッシュ容量は最大16MB、L2キャッシュの合計容量は最大9MBなど。これらにより従来の7300番台と比較して、電子商取引などのアプリケーションでは約14%、科学演算では約31%、データベースなどの処理において最大約48%の性能向上を実現したという。
またIntel VT FlexMigration機能を搭載し、過去および将来にわたるCoreマイクロアーキテクチャに基づくプラットフォーム間においての仮想マシンの移行をサポートしている。フェイル・オーバーやディザスター・リカバリー(災害復旧)をサポートすることでシステムの停止時間を削減できるとした。
▼「Xeon 7400」製品情報
2008年09月17日
2008年09月16日
2008年09月15日
来るのが遅かった?H&M
女性たちはH&Mに大注目している。「日本上陸は遅かった」といっている。国内で最も影響を受けるのはユニクロらしい。彼女たちはそろそろユニクロに飽き始めたようだ。
とにかく価格がリーズナブルで、有名デザイナー参加でデザインもよい。店頭での陳列も一週間単位で変えると報じられた。男物もあるらしい。
消費者としてはよいニュースだが、ふと考えてしまうこともある。それは「価格」とは何かということだ。「価格」とは需要と供給で決まると教えられた。どうも、そう単純ではないようだ。ブランド品は、貴重価値、そしてブランド自体が「価格」決定の主たる要因。この種の販売形態では「価格」自体が商品。「もの」は後からついてくるのかもしれない。
2008年09月12日
研究結果「ビートルズに関する想い出が10代初めに集中している」
大学がこういう研究を生真面目に?するのも英国らしい。ビートルズ。もう二人はこの世にいない。彼らの楽曲はいつ聴いても新鮮だし、この研究にあるように、ある記憶を思い起こす源泉にもなっている。
ジョンの詩はごく普通の単語の組み合わせで一見するとわかりやすいが、歳を経て、時代が変わると、そこから違う意味合いが浮かび上がってくる。こんな曲ができるんだ。イエスタディひとつをとっても、この一曲だけでも作曲できたら、もう何もいらないという程、素晴らしい。
「ビートルズに関する想い出が10代初めに集中している」との研究結果。とてもよくわかる。そのまっただ中にいる時はわからないが、10代は想い出を沢山、作れるときだ(った)。歳を経ると、起こることのいくつかがデジャブのように思うこともあり、なかなかよい想い出は作りにくい。それはきっと「10代=初期」の問題と関わっている。10代にその人の人格や感性が形作られる。その後は、その初期を通して物事を見ている。
少しばかり哀しいことだが、歳を経た後は、その初期の想い出を食いつぶしているだけのように思うこともある。歳を経てもよい想い出を作る方法もかもしれない。きっともう一度、初期から今を見つめることだろう。そんな時、彼らの楽曲は、もう一度、蘇るように思う。
2008年09月11日
スマイソンの日本語ネットショップもある
スマイソンはイギリス王室御用達の老舗文房具メーカー。伊勢丹本店メンズ館に入っている。長い歴史に裏打ちされた使い勝手の良さで知られる手帳、ポケットノートシリーズもある。
インターネット上にショップも開いている。見ているだけでも楽しい。オンライン購入もできる。
▼スマイソン・公式サイト
2008年09月10日
検索履歴短縮でグーグルの利便性は変化するのか
このニュースでグーグルの検索履歴保存期間が18ヶ月だと始めて知った。18ヶ月=1年半。この期間設定にはユーザー動向を管理対象とするために、きっと何かの意味があるはずだ。
検索連動型の広告。グーグルはアクセス者の動向をしっかりと管理しているからできること。その管理は、それら広告への対応だけでなく、きっと検索性の向上・独自性にも及んでいるはずだ。「こいつはこんな検索履歴をもっているから」と検索履歴も参照して、その個人の検索性を高めているはずだ。秘匿性の高い、彼らの独自ノウハウだから、本当のところは何が起こっているのかはよくわからないのだが....。
18ヶ月の検索履歴保存期間が9ヶ月となると、アクセス者の検索利便性はどうなるのか。日常的なグーグル利用ではわからないだろう。きっと彼らは18ヶ月に匹敵する精度を9ヶ月でも可能だと踏んだから、欧州連合(EU)による指摘にも応じたはずだ。
2008年09月09日
いつかやると思っていたグーグルの新聞記事検索
今回のニュースのキーポイントは「過去記事すべてをデジカル化してオンラインでの検索・閲覧を可能にする」ことだ。現在、我が国でも新聞各社はいわゆるポータルサイトにニュース・記事配信を行っているが、それは「記事全文」ではなく、抄録と呼ばれる抜粋記事だ。すると、それら抄録をデータベース化しても「「過去記事すべて」が検索できない。ここにはいくつかの微妙な課題がある。
新聞は記者が原稿用紙に手書きで記事を書き、いくつかの過程を経て、活版印刷されていた。今は、それらの過程はデジタル化された。そのようにすでに記事全文はデジタル化されているが、それをインターネット上にそのまま掲載すれば、「紙」の新聞の存在はどうなるのかという課題がある。
かつて「OA化」という言葉が使われ、業務のコンピュータ化が進んだ時、「紙」はなくなるのかとの議論があったが、逆にアウトプットとして紙の消費量は増えた。そんなこともあり、「紙」=新聞がなくなるとは思えないが、記事全文はデジタル化され、公開された際、新聞の売上は減るだろう。CNNで観たが、すでにアメリカでは新聞を読まない(買わない)人が増えているという。さて、グーグルの今回の試みは新聞のあり方にどんな影響を与えるのだろうか。
2008年09月08日
コンピュータ・グラフィックスの新たなイベント
コンピュータグラフィックス関連の研究組織としてはシーグラフ(SIGGRAPH:Special Interest Group on Computer GRAPHics}が広く知られている。こちらはアメリカコンピュータ学会におけるコンピュータグラフィックス (CG) を扱うSIG(分科会)であり、我が国においても1980年代後半から大規模なイベントなどを開催してきた。今はメジャーとなったピクサー社製作のCGを見て、驚かされたのもシーグラフだった。
このニュースにある米NVIDIAは、コンピュータ・グラフィックス・チップの大手。6月20日には、インテル「Atom」に対抗するモバイル・インターネット・デバイス「NVIDIA Tegraシリーズ」を発表している。どちらかというとベンダー主導のイベントだろうか。
聞きなれた名前もあった。仏ダッソー・システムズ。今も日本市場向けに3次元CGシステムを提供している。同社のホームページによると9月9日(火)、10日(水)の両日、東京・テル グランパシフィック LE DAIBAにおいて「ENOVIA Customer Conference Asia Pacific 2008 (ECCAP 2008)」を開催するとのことだ。
▼ダッソー・システムズ・ホームページ
2008年09月06日
建築家サンティアゴ・カラトラヴァのベネチアの橋が不評の背景
1951年、スペイン生まれの建築家サンディアゴ・カラトラヴァ((Santiago Calatrava)。彼は優れた構造設計家としても知られており、独自の構造計算を駆使して構築した骨組みや翼を組み合わせたようなフレームがデザインの特色。最新作は、スウェーデン、マルメのターニング・トルソ。 ワールドトレードセンター・パストレインの駅の設計が予定されているという。
このニュースの写真を見る限り、彼のデザインの特性が充分に表現されていると思うが、施工された場所が悪かったのかもしれない。ベネチアの運大河カナル・グランデ。確かに周囲の景観とは違和感がある。それでもベネチアは、有名な仮面祭が催される処。あのバーチャル・リアリティーのようなイベントにはとてもよく似合うと思うのだが...。