いやあ、今回の取材はお施主様とお話が弾みました。
建築家に依頼して建てた我が家に実に大満足されている。
タイトルでは大げさに120%と書きましたが、ほんとその表現が当てはまるくらいです。
僕も「建築家のアスリートたち」で様々なお施主様にお話をお聞きしてきましたが
ここまで満足されていた方のお話はなかなかありません。

さていったいどんな感じだったのでしょうか。

今回、ご紹介するお家はこちら。↓
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静岡県のNさん邸です。

ご覧のとおり音響設備がスタジオの様に整っているリビング
Nさんのこだわりが形になったお気に入りの空間です。

ちなみにこの家の設計は
建築家の井上昌彦氏 偶然にも前回ご紹介したSさん邸の設計者と同じでした。
施工はASJ浜松スタジオ株式会社マブチ工業さんです。

さて、Nさんはいったいどんなところに満足されたのでしょうか?
具体的に聞いていきましょう。

まず最初は超お気に入りのリビングの話です。
このリビングにはNさんのこだわりがいっぱい詰まっています。

しかし、ここに至るまでは苦労の連続だったそうです。

Nさんいわく
ご自宅の施工に至るまで、静岡県内のありとあらゆるハウスメーカー、工務店を
5年もかけて廻ったとのこと

そこで探し出した答えが”建築家と工務店がタッグ”を組んで造るというスタイルでした。

このスタイルは、いわゆる注文住宅になるのですが
ハウスメーカーや工務店では注文住宅ができないのかというとそうでもないのです。

ハウスメーカーはお金を掛ければそれなりに設計してくれて形にはなる。
しかし、提案が今一面白くない。
工務店の場合は安いというメリットがあるがこれもこれで提案が今一のそれなり。

そんな悩み中で出会ったのが新聞広告で見つけたASJだったそうです。

工務店の仕事に建築家のクオリティーをプラスしてお施主様が想像する以上のものを造るというスタイルです。
僕もASJさんには「建築家のアスリートたち」でお世話になり
多くの住宅を取材しましたが、忖度なしで建築家の提案には感服してました。
Nさんの満足度には疑いの余地もないのですが

とわいえ「そこまでか?」という疑いもあり、
いたずら心をもって深くその仕事について聞いてみました。

Nさんのお仕事はモノづくりが本業、そしてご夫婦でトランペットを演奏するので、
家の造りと音響には非常にこだわっていました。

そこで考えていたのがリビングを石井式の設備で構成したいとのこと。

この石井式とは
室内音響研究の第一人者である石井伸一郎氏が開発した設計理論。
低い音から高い音まで一様に反射する堅い壁面と、
一様に吸音するグラスファイバーだけで構成されている全反射全吸音方式。
これにより、元の楽器の音と変わらない美しい反射音が部屋中に響くといいます。

まさにリビングが音楽スタジオの様な空間になるのですが
ここは住宅であってリビング。
生活空間のとして活用するのが本来の目的。

今回の設計者である井上氏はどういう答えを出したのか?

そもそも井上先生は経験上、こんな家を今まで設計したことがあり
Nさんもそんな井上先生の経験に期待したのでしょうか?

否、実はそうではないのです。

井上先生曰く
「こういった空間作りは初めてなので勉強しながら頑張ります」

いやあ何とも謙虚な先生だなと思いつつ
それではNさんとしてはちょっと仕事を任せられないのでは・・・・
という疑問もあったのではあえてつっこむと

そんなことは一切なく先生の人柄と、今まで造った作品のイメージが合致したので依頼したそうです。
井上先生を信じたNさんも凄いですが
先生も設計プランでNさんの想像を超えたのもを出してきたそうです。
Nさんにとってそれが驚きの連続で
ワクワクした家づくりにつながりました。


驚かれたポイントが分かる写真がこちら↓
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リビングは天井が高く、平屋建ての設計でもここだけでは
まるで吹き抜けのような空間。

井上先生はそれをただの大空間としては提案してくはなく
手作りの階段を設置して壁際に2階部分を作って配置。
これがご主人の書斎になるという提案。

Nさんはこの方法を想像すらしなかったそうです。

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この最初にお見せした写真はご主人の書斎から撮ったもの

上下に広い空間を作った場合
天井を見上げるだけでなく天井から空間を見下ろすことも
この空間を楽しむ要素なのです。

Nさんはどちらにいても大満足だそうです。

それで、肝心の石井式はどうなったかというと・・・・

石井式には空間のサイズにおいて様々な計算方法があり
それを計算して集音材を配置し音響空間を構築できるらしく
それが写真の壁の様な配置。

縦に黒いものが集音材で
井上先生は石井式をしっかり勉強されて
デザイン性を持たせながら構築したとのとこです。

さらに、Nさんが驚いたことがあります。

リビングは音漏れが心配で防音材を使うと費用がかさむと想像していたところ
防音材を使わない提案をされたようです。

当然大音量のなるリビングについては音漏れを心配し、
それなりの防音素材を使わなければならないのですが
幸いにしてご自宅は音漏れで心配することのない場所と先生は判断。

なので防音材の分を室内の内装にかけ、天然の木材で空間を構築。

音漏れで唯一心配だったNさんと同居するおばあさんの部屋は。
下の平面図のように
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リビングから一番離れている場所におばあさんの部屋を配置。
防音材を敷き詰めなくてもキッチンや納戸をおばあさんの部屋の間に配置するだけで
十分防音効果があることを計算しコストダウンを図った。

また、その他、建築家らしいデザイン性にも満足されている。

その一つが
玄関横の格子。
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この格子は中庭を外から見えないようにふさいでいる役目ですが
均等に並べた格子ではなく、太さや配置で趣を出している。

これは京都出身の井上先生だからできる一工夫。

室内からはこの写真↓のように
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和のテイストを醸し出し
今ではリビング以外でもNさんのお気に入りの場所の一つになっているそうです。

また、写真では分かりにくい内容ですが
室内の快適性にも満足されています。

Nさんがまるで天国だとお話ししていました。

そう感じる理由は建てかえる前の家にありました。
極端に古い建造物だったらしく夏は暑く、冬は寒い家。

当然、電気代がめちゃくちゃかけて、光熱対策を施したのですが
それでも快適さは得られなかったそうです。

しかし、立て替えて
風通しや、断熱性など土地を読める建築家が設計すると
全てが改善され
Nさんいう天国の空間が造られたのです。

さらに前の家と比べて電気代が半分に
立て替えていいことずくめになっています。

これも満足の一つであることは間違いありません。

しかし、唯一満足いっていない場所があるとぼやきました。
それは風呂場の脱衣所が寒い・・・・・
それはだれでも裸になれば誰でも寒いでしょというつっこみを入れたくなるオチでした。

Nさんは周りの友人から
家は3回建て直さないと満足いく家をつくれないという
ことをよく言われたそうです。

でも最初に自分は満足がいく家をつくってしまったと喜んでいました。

次回はそんなNさんが自宅でお気に入りの場所について写メを送ってくれたので
それも交えてリビング以外のこだわりについて書きたいと思います。
ご期待ください。