NHKスペシャル・グーグルの話

 番組の内容は、検索サイト「グーグル」についての現状紹介やグーグルによって変わった出来事などを紹介する番組、だろうかしらん。

「世界の情報の全てを集める!」というようなことをグーグルの社長さんが言っていたし、実際にグーグルがやっていることは「とにかく情報を集めること」と、検索者の趣味に応じた広告を出すことで金を稼ぐということだ。番組のほとんどは検索内容に応じたダイレクトな広告をグーグルがやってそれが効果的だということと(グーグルの広告で商売が上手くいった会社の紹介やグーグル自身が儲けている話)、それに付随してグーグルでの検索順位を上げるために必死になるコンサルティング会社を紹介することだった。私の中ではグーグルのアフィリエイトで月に90万円稼ぐお兄ちゃんの話は別にどうでも良かった。

 私はNHKが内容をちょっと怖くまとめすぎじゃないかという感想を受けた。確かに情報をここまでまとめているのは怖いといえば怖いが、そもそもの問題は民間企業が何かを一社独占をすることの弊害が表れないかという、「寡占」の問題が大きいんじゃないかと感じた。
 楽観的かもしれないが、私自身としては「興味に応じたダイレクト広告を出す」行為自体はありえるのではないかと感じた。そもそも政府によって悪用されたら超管理社会になりえるが、というよりもこの番組で最も言わなくてはならないことは「情報の独占による超管理社会になる危険性」についてだと思うが、今回は単純にビジネスの話に終始していた。私はそれが不満だ。

 私はグーグルが集めている情報がただ単純にビジネスに利用されているだけならばそんなに深刻な問題ではないと考える。検索サイトが独占されて検索結果の順位で客足が左右されるという程度の問題ならたいした問題だとは思わない。「情報の独占」が恐ろしいのはそれによって差別を受けることではないかと思う。この番組ではグーグルの検索結果からはじかれて客足が下がった会社が裁判を起こした事例が紹介されていたが、このいわゆる「グーグル八分」がもっと大々的に行われる可能性が問題だと思う。

 あるいは検索のキーワードや、あるいは私が非常に便利だといって使っているGメールなど、その人の興味や考え方に応じた広告をグーグルは出している。これが「広告」に留まらずに思想信条での差別につながることが一番恐ろしいと思う。

 そもそも、グーグルが何を考えて情報収集をしているかの紹介がなかったのでそこが気になる。「世界中の情報集める」ということはグーグルの社長が番組中で言っていた。そしてそれに応じた広告で莫大に儲けていることも紹介された。けど、「情報を集めて金儲け以外に何をするの?」という点は触れていなかった。…グーグルはそこまで考えていないのではないのか? と感じた。ただの民間企業が営利目的で情報を扱っているという「だけ」の話で終わるのならば、私はそれほど怖いことにはならないんじゃないかと思う。

…グーグルの社長さんの話をみていて思ったことは「RODの大英図書館特殊工作部みたいだなー」という感想だった。「ROD」の中でも大英図書館は裏で情報の収集による世界征服をもくろんでいたが、今回のNHKスペシャルを見る限り、グーグルがRODでの大英図書館に見えてくるから不思議だ。

 なお、今回のの番組で扱ったようなテーマに関して言えば、以前に朝日新聞が朝刊一面の肩で「アマゾンとグーグル」「youtube」「mixi」をテーマにした3回の連載をやっていた。ダイレクト広告に関する不安・疑問の提示はここでもなされていた。

R.O.D 第十一巻