2005年04月18日
考察7、分析実戦・投資手法(2)
わんわん先生「今回は考察6の続きじゃ。まずは前回のおさらいから始めよう」
ありさ「はーい」
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手法をテストするには次の三つが必要です。
★エントリー時の状態
★損切りルール
★利益確定ルール
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わんわん先生「ここでさらに考察1まで遡る。考察1では『ある時間tからある時間t+αまでの価格変動の期待値が0ではないtが存在する場合において、取引による利益期待及び損失期待を持てる』と結論付けたが、これはデフォルメしたものであって、実際には以下のようになるのじゃ」
『ある時間tからある時間t+αまでについて、ある手法を用いたときに価格変動の期待値が0でないtが存在する場合において、取引による利益期待値をもてる』
わんわん先生「これだけだと分かりにくいじゃろうから下の図を見てくれ」
ありさ「考察1の図の使いまわしだね」
わんわん先生「この図は『未来の価格変動が過去の変動に影響されず、常に50%ずつの確率で上昇するか下落する』というランダムウォーク・チャートとしよう。この場合は利益確定や損切りラインをどこに置こうとも期待値は0じゃ。」
ありさ「どのタイミングでいくらで買っても一緒だね」
わんわん先生「下の図は架空の株価のチャートじゃ。横軸は時間を示していて、右に行くほど現在に近い」

ありさ「この抵抗線ってなんなの?」
わんわん先生「過去の株価のチャートを見るとな、『この価格は割られにくいが、ここを割り込むと大きく下落する』というような価格帯が存在しているのじゃ」
ありさ「最後の防衛線って感じかな?」
わんわん先生「そう思っても構わん。これについてはまたいつか詳しく説明するとしよう。抵抗線があると、その価格帯より下落する可能性は低くなるが、いざ割れてしまうと一気に下落する。これの確率と価格変動のグラフを描くと下のようになる、ような気がする(これはあくまで筆者の想像です)」

ありさ「へんてこなグラフなの!」
わんわん先生「まぁ例えってことにしてくれ。このグラフの場合もα時間後の期待値は0とする。では現在の価格において買いポジションを持ち、『抵抗線を割る』を損切り条件、『+3%に到達』を利益確定条件にすると……」
ありさ「あっ! t時間後の価格変動の期待値は0のはずなのに、売買条件を加えることによって期待値がプラスになるの!」
わんわん先生「そういうことじゃ。売買条件を工夫することによって売買の期待値が増減するってことじゃな」
ありさ「なるほどなの! だから手法をテストするときには『エントリー時の状態』、『損切りルール』、『利益確定ルール』が必要なんだね」
わんわん先生「うむ。次回は手法の評価方法について教えるぞ」
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ありさメモ
期待値は『エントリー条件』だけじゃなく『損切りルール』、『利益確定ルール』によっても変化するんだね。
『抵抗線』の直前で売買する方法は使えるかも。どういうときに抵抗線ができるのか勉強してみよっと♪