今日は連立方程式の応用の典型問題、「速さ」、「食塩水」、「去年と今年の増減」について、どのように解いたら確実に、やさしく解けるのか、考えてみましょう。

速さの問題

例題1
ある人がA地から峠をこえて2.7km離れたB地に向かった。A地から峠までは分速50m、峠からB地までは分速70mで歩いて、全体で46分かかった。A地から峠までと、峠からB地までの道のりをそれぞれ求めよ。

問題の最後の部分を見て、A地から峠までをx、峠からB地までをyと決めます。
ここで単位を意識してください。問題を見直すと、2.7km、50m、70mとあります。mをkmになおしてもよいのですが、素直に2.7kmをmにするほうが簡単なようです。ですから、x、yの単位はxm、ymです。
数学の鉄則、「単位をそろえないと計算できない」も、ここで再確認しておきましょう。

次に式を作ります。

日本語の1つの文を素直に1つの式に置き換えていけばよい」から、
合わせて2.7km=2700mより
x+y=2700
「全体で46分かかった」から、全体=46、
46は分だから、左辺も時間(分)を求める式にすればよい。
時間=距離÷速さより
x/50+y/70=46 (/は分数の横棒)
とわかれば、これで式は完成です。

速さの問題と思っただけで頭が痛くなる人は、図を書くことをおすすめします。
連立速さの図速さの問題では、左の土偶の顔のような図を書きます。
コツは、横棒の上に距離、下に速さ時間を書くくせをつけることです。

そうすると、横棒の上だけで一つ目の式、x+y=2700ができます。
次に、横棒は分数の横棒と思ってよいので、それをそのまま使って、x/50+y/70=46ともう一つの式も簡単に導き出せます。

式ができたので解いていきましょう。
2番目の式の両辺に分母50と70の最小公倍数350をかけて7x+5y=16100としてから計算します(右辺にかけることを忘れて46のままで計算しないようにご注意を)。

形算すると、答えはx=1300、y=1400となり、問題の解答は、Aから峠までが1300m、峠からBまでが1400mです。

類題1
Aさんは8時に家を出発して、1200m離れた駅に向かった。はじめは毎分50mの速さで歩いていたが、列車に遅れそうだったので、途中から毎分200mの速さで走ったら、駅には8時18分に着いた。歩いた道のりと走った道のりをそれぞれ求めよ。


連立速さの図2x+y=1200
x/50+y/200=18


答え
歩いた道のり800m、走った道のり400m


食塩水の問題

例題2
2%の食塩水xgと5%の食塩水をyg混ぜて、4%の食塩水を300gつくりたい。2種類の食塩水をそれぞれ何g混ぜればよいか。

食塩水の問題では、最初に言葉の意味をはっきりさせておかなければなりません。
「2%の食塩水xg」とは、xgの食塩水があってそのうちの2%がその中に溶けている食塩の量だという意味です。ですから、「4%の食塩水を300g」だと、食塩水全体が300gでそのうちの4%、つまり300×0.04=12gが300gの中に溶けてしまっている食塩の量だということになります。

式の立て方ですが、ここでも図を書いてそれを見て式を作るのがもっとも簡単な方法です。

連立食塩水左のように、食塩水を表す容器の上にを、容器の中に食塩水のgを書くように決めておきます。
まず、食塩水の量から、x+y=300という式ができます。これは簡単ですね。
次に、中に溶けている食塩の量を表す式を作ります。
先ほど述べたように、2%の食塩中の食塩はxg×0.02、5%の食塩水中の食塩はyg×0.05、4%の食塩水300g中の食塩の量は300×0.04です。
したがって、式はx×0.02+y×0.05=300×0.04
つまり、0.02x+0.05y=300×0.04
または、0.02x+0.05y=12
ということになります。

教科書だと2%を2/100と分数にするものが多いようです。%が文字だと分数を使わないといけませんが、(例:a%=a/100)、私は小数が使えるときは小数のほうがよいと思っています。小数のほうが分数よりわかりやすく、計算間違いも少ないからです。

x+y=300
0.02x+0.05y=12
という式ができたので、下の式の両辺を100倍して2x+5y=1200にしてから解いていきます。

答えはx=100、y=200、問題の解答は2%の食塩水100g、5%の食塩水200gです。

類題2
A、B2種類の合金がある。Aは銅を30%含み、Bは銅を45%含んでいる。この2種類の合金を混ぜて、銅を35%含む合金を120g作るには、それぞれ何gずつ混ぜればよいか。


x+y=120
0.3x+0.45y=120×0.35


解答
Aが80g、Bが40g


去年と今年の増減の問題

例題3
ある中学校の昨年の生徒数は420人だった。今年は昨年に比べ、男子は8%増え、女子は5%減ったので、全体として5人増えている。今年の男子、女子の生徒数を求めよ。

この問題はある程度練習して注意点を覚えておく必要があります。

まず、普通は問題の終わりの部分を見て「求めなさい」と書いてあるものをx、yで表します。しかし、この問題では、問題文の終わりに書いてある「今年の男子、女子」をx、yとすると、解けないことはありませんが非常にややこしくなります。「去年・今年の問題」では、去年をx、yとしないと解けないと知っておく必要があります。

式を立てます。
まず、昨年の生徒数からx+y=420

2つ目の式ですが、2通りの方法が考えられます。

まず、「日本語の通りに文を素直に式になおしていく」だと、8%=0.08、増えたは+、5%=0.05、減ったは−で、
0.08x−0.05y=5

もう一つの式は、生徒数全体に着目して立てる式です。「8%増えた」は1+0.08で1.08になったと考えます。「5%減った」は1−0.05で0.95です。
生徒数全体ですから右辺の「5人増えた」は420+5=425です。
1.08x+0.95y=425

前者の式のほうが計算は簡単ですが、式を立てるときの符号間違いが多かったり、答えで悩むという欠点があります。
後者の式は、式を立てるとき立てやすく、問題の解答との共通点もあってわかりやすいという長所があるかわりに計算がやや複雑になります。

どちらでもいいのですが、強いて言えば後者がおすすめでしょうか。

x+y=420
1.08x+0.95y=425

解くと、x=200、y=220となります。

この問題は最後まで意地悪です。
この、200人、220人を解答欄に書くと、「間違い」になってしまいます。

なぜかはわかりますね。最初に注意したように、x、yは去年の数であり、求めないといけないのは今年の数だからです。

今年、男子は8%増えたのだから200×1.08、女子は5%減ったのだから220×0.95の計算を最後にしないと正解にはなりません。

解答は、男子216人、女子209人です。

ややこしいので、去年・今年の増減の問題の要点をもう一度まとめておきます。

1、去年をx、yとおかないと解けない
2、2つ目の式は2種類できる、どちらかを自分で選ぶ
3、計算の答えと問題の答えが一致しない、連立方程式を解いた後、しないといけない計算が残る

類題3
ある学校の今年の生徒数は308人である。これは昨年に比べて、男子は5%減少し、女子は4%増加したことになるが、全体では2人減少した。今年の男子、女子の人数をそれぞれ求めよ。


去年の男子をx、女子をyとする。
x+y=308+2
0.95x+1.04y=308

解答
連立方程式を解くとx=160、y=150
今年の男子は160×0.95=152人、女子は150×1.04=156人