中学校の数学で、最も重要で、しかも子どもたちにとってわかりにくい単元は、1次関数です。入試でも必ず大問として応用問題が出題されます。

わかりにくい単元ほど、最初に、「なぜそうなるのか」の部分が理解できていないと、応用問題は解けません。逆に、1次関数とはどんなものなのか、初めにしっかりと概念、基礎が理解できていたら、難しそうに見える発展問題も案外簡単に解けてしまいます。

今日は1次関数の基礎の基礎、「1次関数とは何なのか」を考察します。

比例と1次関数

比例最初何も入っていない水そうに、1分間に3リットルずつ水を入れていきます。
x分後の水そう内の水の量をyリットルとします。
yをxを使った式で表すと
y=3x
y=axの形になったので、これは中1で習った比例です。

1次関数水そう最初に5リットルの水が入っている水そうに、1分間に3リットルずつ水を入れていきます。
x分後の水そう内の水の量をyリットルとします。
yをxを使った式で表すと、最初に5リットル入っていてそこから3リットルずつ増えていくので
y=5+3xとなるはずですが、文字の項を先に書いて
y=3x+5
これが1次関数です。

最初が0で、そこから決まった割合で増えていくのが比例、最初に既にいくらかの量があって、そこから決まった量ずつ増えていくのが1次関数です。

このとき、式は、最初に存在している数b決まった割合で増える量aとして、y=ax+bの形になります。
これが1次関数の一般式(どんな1次関数でもこの形になる)といわれるものです。

1次関数ろうそく長さ10cmのろうそくがあります。このろうそくは1分間に0.5cmずつ燃えて短くなっていきます。x分後のろうそくの長さをycmとすると、yはどんな式で表されるでしょうか?

最初にある数量があって(10cm)、そこから決まった割合で(0.5ずつ)減っているから
y=10−0.5x
文字の項を前に出して
y=−0.5x+10
となることが容易にわかると思います。

この場合も、最初にある数量が存在し、そのあと決まった量ずつ増えたり減ったりする関係が成り立っているから1次関数であり、y=ax+bでa=−0.5、b=10にあたる1次関数といえます。

これまでのまとめ
(1)最初にある数量があり、そこから決まった割合で増えたり減ったりしているものを1次関数という
(2)
1次関数はy=ax+bという式で表される
(3)a
は決まった割合で増えたり減ったりしている量、bは最初に存在する数量である


表で考える1次関数

1次関数表�左の表で表された関数の式を考えてみましょう。
最初、xが0のときy=−2であり、xが1増えるごとにyは3ずつ増えています。
最初に決まった量の−2があり、その後同じ割合で3ずつ増えているから、bが−2、aが3の1次関数といえます。
したがって、式はy=3x−2です。

1次関数表�左の表だと、式はどうなるでしょうか。

今まで、「最初の数量」という言い方をしてきましたが、この表で最初の数はy=1ではありません。実は、今まで「最初に存在する」と言ってきたのは、4つの例すべて、「x=0のとき」です。
この場合、最初に存在する量にあたるのは、x=0のときのy=3です。

さらに、この表のyは1ずつ増えていますが、だからといって「決まった割合で増える量」が1だとは言えません。xを見てください。xが2増えるごとにyが1増えています。
今までの例で、決まった割合で増える量とは、すべてxが1増えるごとにyがいくら増えているかを表していました。だからこの表でも、xが2増えるごとにyが1増えているということは、xが1増えるときのyの増える量は1/2、つまり0.5だということになります。

したがって、この表のxとyの関係を表す式は、b=3で、a=1/2、
つまりy=1/2x+3ということになります。

次のように修正しておきましょう。

(1)1次関数はy=ax+bという式で表される
(2)aは決まった割合で増えたり減ったりしている量(xが1増えたときのyの増える量)、bは最初に存在する数量(x=0のときのyの量)である


1次関数表�では、左の表ではx、yの関係はどんな式で表されるでしょうか。
x=0のとき、y=1ですから、最初の量、bは1です。
次に、xが2増えるごとに、yは4ずつ減っています。ということは、xが1増えるごとにyは2ずつ減っている(言い方をかえれば−2ずつ増えている)ことになりますから、決まった割合で増える量、aは−2ということになります。

答えは、y=−2x+1です。


以上が、1次関数の基礎の基礎、これから1次関数を学ぶにあたり、すべての問題の基礎になっていきます。