大学入試の場合、他の科目でもそうでしょうが、誰にでも万人に役立つ小論文の参考書・テキストはありません。入試の種類、大学のレベルによって、習得しないといけない内容が大きく違うからです。

ところが、文英堂から出ている、『ほんとはやさしい小論文』(北岡充子著・桑原聡企画)というテキストがあります。購入して最初眺めたときは、活字は大きいし、内容は平易だし、あまり良い印象はなかったのですが、実際に高校生に指導を始めてみると、意外にもほとんどの人に役立つことが段々わかってきました。

考えてみれば、難関大学の受験生であっても、小論文に関しては最初は素人です。そして、そういう人向けのレベルの高い参考書は、小論文初心者が知っておかないといけない重要な基礎事項が抜けています。『ほんとはやさしい小論文』は、入試に小論文が必要なすべての人のための、共通の基礎がほぼ網羅されている良書であると今では思っています。

今日は、『ほんとはやさしい小論文』を参考書に、小論文を書く人が最初に知っておかないといけない必須事項をまとめてみました。
以下のことだけ知っていたら、小論文の基礎の必要で十分な事項が理解できたと思っていただいて大丈夫です。


1、正しい文章の書き方
 
(1)主語と述語のねじれのない文を書く
(2)1文を短くする
(3)です・ます体(敬体)と、だ・である体(常体)を混在させない
(4)話し言葉・略語を使用してはいけない
(5)接続詞(例:まず、次に、さらに)を上手に活用する
(6)縦書き原稿では漢数字を使う

2、小論文とは何か

(1)要求されるのは、読解力考察力表現力であり、3つそろって初めて合格ラインに達する
(2)まず問題文本文の要旨をまとめ、次に意見を述べるのが小論文である

3、本文要旨のまとめ方

(1)「べき」、「しなければならない」等の著者の強調語を手がかりにする
(2)「思う」、「考える」等の筆者の主張を示す語があればその場所が要旨である
(3)筆者の主張する、「テーマ」「問題点」「結論・対策」の順にまとめていく

4、論の組み立て方

(1)冒頭で問題を提起する
(2)まず具体的な自分の経験を書く
(3)イエスかノーか肯定か否定かを選択して立論する、これがないと小論文とはいえない
(4)自分の意見と対立する意見に先にふれておくと反論を封じ込めることができる
(5)反対意見を部分的に肯定後、結論を述べると説得力が増す

5、出題のパターン別書き方

A、作文タイプ(〜について述べよの型)

(1)問題提起の形でテーマをとりあげる
(2)提起した問題の答を考える
(3)もちろんAだが、しかしBの形で論を述べる
(4)反対意見を部分的に肯定後、自分の結論を述べる   

B、課題文タイプ(長文を読んで要約した後で書く)

(1)テーマに関連する個人的な経験を考える
(2)経験に基づいて肯定・否定の両意見を考える
(3)もちろんAだが、しかしBの形で論を述べる
(4)反対意見を部分的に肯定後、自分の結論を述べる
   
C、図表タイプ(グラフや表を検討した後で書く)

(1)図表からテーマに関連する特徴を読み取り、問題を提起する
(2)図表の特徴に関連づけて意見を述べる
(3)対立意見を部分肯定した上で、自分の論を述べる
   
D、自己推薦書

(1)特別な能力、最も充実した経験を具体的に述べる
(2)経験がもたらした影響・自分の成長を次に述べる
(3)志望動機や入学後の希望でまとめる  




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