「1次関数の式を求めなさい」、「直線の式を求めなさい」、「1次関数で、yをxの式で表わしなさい」と問われる問題の特集・まとめです。

このグループの問題は、中学生にとっては難しく感じられ、いろいろな問題が雑多にあるように見えますが、実は、たった2種類の問題しかありません。解き方もたった2種類です。
今日は、それをしっかりと頭に入れてください。

たった2種類とは、y=ax+bから出発し、1.変化の割合(傾き)がわかっている問題のグループと、2.連立方程式を使って解ける問題のグループ、この2つです。


1.変化の割合がわかっている問題(2段階に分けて式をたてる問題)

例題1、次の条件をみたす1次関数の式を求めなさい。
(1)変化の割合が−3で、x=−2のときy=10である。
(2)グラフが傾き−2の直線で、点(6,−2)を通る。
(3)グラフが点(4,5)を通り、直線y=−x+4に平行である。
(4)x=−3のときy=−1で、xが2増加するときyは4増加する。

順に説明します。

(1)変化の割合が−3で、x=−2のときy=10である。

解き方

1次関数の式は必ずy=ax+bの形になること、これがすべての問題の出発点です。

変化の割合、つまりy=ax+bのが−3だから、まずaに−3を代入し、y=−3x+b

次に、x=−2のときy=10をこのy=−3x+bの式に代入し、10=−3×(−2)+b

10=−3×(−2)+bを解く。
10=6+b
−b=−4
b=4

変化の割合aが−3で、bが4とわかったから、答えの式はy=−3x+4


次に、(2)、(3)、(4)の問題を解いてみましょう。すべての問題が、上の(1)と全く同じ問題であることに気づくのがここで一番大切なテーマです。


(2)グラフが傾き−2の直線で、点(6,−2)を通る。

1次関数y=ax+bのaのことを、「変化の割合」といい、グラフでは「傾き」といいます。つまり、変化の割合が−2というのも、傾きが−2というのも実は一緒、a=−2ということです。

また、点(6,−2)、これはグラフ上の座標を表わしていますが、前の6はx座標、後の−2はy座標ですからx=6のとき、y=−2であると言っているのと全く同様です、

つまり、この(2)は、書き方こそ違っていますが、書いてある内容は(1)と同じことを言っているだけです。

解き方

まず、y=ax+b

傾き−2だから、aに−2を代入してy=−2x+b

点(6,−2)を通ることから、x=6、y=−2を代入して
−2=−2×6+b
−b=−12+2
−b=−10
b=10

よって答えは、y=−2x+10


(3)グラフが点(4,5)を通り、直線y=−x+4に平行である。

2つの直線が平行であるとき、切片は違いますが傾きは同じです。つまり、「平行」と書いてあれば、「傾き」が同じと教えてくれているのです。

平行=傾き平行傾きが同じ、よく出る、重要な言い換えです。














解き方


1次関数だから、y=ax+b

次に、「直線y=−x+4と平行」だから、傾きもy=−x+4と同じ、つまり傾きa=−1、
よってy=−x+b

点(4,5)を通るから、x=4、y=5を代入して、
5=−4+b
−b=−4−5
b=9

よって答えは、y=−x+9


(4)x=−3のときy=−1で、xが2増加するときyは4増加する。

最初、皆さんが一番間違える問題です。

増加」という言葉が出てきたら、「変化の割合」の問題だ、ということを徹底しておきましょう(逆に、「」という言葉が出てきたら、「代入」しろということです)。

したがって、この問題の場合、「xが2増加するときyは4増加」とは、変化の割合の公式
1
より、変化の割合、すなわちが2ということです。

または、頭に1次関数のグラフを思いうかべて、「xが2増加するときyは4増加する」、つまり右へ2進んだら上に4上がる、傾きは2だ、と見つけてもかまいません。

解き方

まず、y=ax+b

変化の割合傾きが2だから、y=2x+b

x=−3のときy=−1を代入して、
−1=2×(−3)+b
−b=−6+1
b=5

答えは、y=2x+5


2.連立方程式を使って解ける問題(2点の座標から連立方程式をたてる問題)

例題2、次の条件をみたす1次関数の式を求めなさい。
(1)x=1のときy=4、x=3のときy=8である。
(2)グラフが2点(5,2)、(3,6)を通る直線である。

(1)x=1のときy=4、x=3のときy=8である。

1次関数の式を求める問題ですから、まず、y=ax+bを思いうかべることは1.のグループと同じです。

2つの数の組があるので、y=ax+bに代入して、連立方程式をたてることができます。

4=a+b
8=3a+b

加減法で引いて、
−4=−2a
2a=4
a=2

4=a+bに代入して、
4=2+b
−b=−2
b=2

よって、答えはy=2x+2


(2)グラフが2点(5,2)、(3,6)を通る直線である。

ある座標を「通る」と書いてあれば、x座標をxに、y座標をyに代入せよということです。

やはり、出発点は、y=ax+bです。

(5,2)を代入して、2=5a+b
(3,6)を代入して、6=3a+b

連立方程式ができました。

加減法で引いて、
−4=2a
−2a=4
a=−2

2=5a+bに代入して、
2=5×(−2)+b
2=−10+b
−b=−12
b=12

答えは、y=−2x+12


この(1)(2)の問題は、変化の割合を求める公式を用いて、1.の問題群と同じやり方で解くこともできます。しかし、連立方程式にしたほうが速いので、連立方程式をたてて解くのがおすすめです。

この、2.の問題群は、あっさりしていて非常に簡単です。
ところが、皆さんの超苦手な1次関数の応用問題を解くとき、この問題が使えることを覚えておくと、とても役に立ちます。


1次関数の応用問題に活用する

2点の座標がわかれば、連立方程式をたてて、すぐに1次関数の式を求めることができる、この技を使いこなせたら、応用問題をとても楽に解くことができます。
練習をしてみましょう。

(1)地上10kmくらいまでの気温は、高度が上昇することに一定の割合で低くなっていく。地上2kmの高さの気温が8度、地上4kmの高さの気温が−4度のとき、地上xkmの高さの気温をy度として、yをxの式で表しなさい。

解き方

「地上10kmくらいまでの気温は、高度が上昇することに一定の割合で低くなっていく」の部分は、「一定の割合で」、つまり、「変化の割合」が一定ですよ、1次関数ですよ、と言っているに過ぎません。

さらに、「地上2kmの高さの気温が8度、地上4kmの高さの気温が−4度のとき」とは、「地上xkmの高さの気温をy度として」ですから、x=2のときy=8、x=4のときy=−4という意味です。

つまり、皆さんが悩むこの問題は、「x=2のときy=8、x=4のときy=−4である1次関数の式を求めなさい」という、とても簡単な問題に言い換えられるわけです。

それに気づきさえすれば、y=ax+bに代入して、
8=2a+b
−4=4a+b
という連立方程式をすぐにたてることができます。

これを解いて、a=−6、b=20

答えはy=−6x+20です。


さらに皆さんが苦しむ、次の問題はどうでしょうか?

1次関数(2)Aさんは、家から10000m離れた図書館に行き、用事をすませて家に帰った。また、兄は、Aさんが家を出発してから10分後に、同じ道を通って図書館に行った。左の図は、Aさんが出発してからx分後に、家からymの地点にいるとして、Aさんと兄のようすをグラフに表したものである。このとき、次の問いに答えなさい。

・Aさんが図書館を出発してから家に帰るまでのようすを表すグラフ(80≦x≦130)について、yをxの式で表しなさい。

・また、兄のようすを表すグラフ(10≦x≦160)について、yをxの式で表しなさい。


どう解いたらよいか、わかりますか?

2点の座標さえ書き込めたら、どんな難問もすぐに解ける

グラフの問題を解く最も有効なコツは、グラフに座標を書き込むことです。

1次関数2左の図のように、座標さえ書き込めば、解き方がうかんできませんか?


Aさんのグラフは、2点(80,10000)、(130,0)を通っています。
だから、y=ax+bに代入して連立方程式をつくることができます。

10000=80a+b
0=130a+b

これを解いて、a=−200、b=26000

答えはy=−200x+26000


兄も同様です。(10,0)、(160,10000)を通っているから、y=ax+bに代入して、

0=10a+b
10000=160a+b

この連立方程式を解いて、a=200/3、b=−2000/3です。

よって、答えは、y=200/3x−2000/3


2点さえわかればどんなグラフでも連立方程式をたてて式を求めることができる、これは重要です。

この技を駆使するために、グラフの問題を解くときは座標を書き込むくせをつけておくことです。