1次関数の利用の問題のうち、入試に最もよく出る問題の一つが動点の問題点が動く問題)です。
最初はわかりにくいのですが、何度か練習してコツがわかると、誰でもできるようになります。

ポイントは2つ。
(1)問題に合わせた図を書いて、図に大事なことを書き込んで、図を見て解く(数学の問題は、「頭」ではなく、「手」と「目」を使って解く)。
(2)動点の問題では、点が進んだ部分の長さをxを使って表わし、図に書き込む

基本的な問題から初めて、いくつか練習してみましょう。


1、長方形ABCDで、点PはAを出発して、辺上を毎秒1cmの速さでD、Cを通ってBまで動く。点PがAを出発してからx秒後の△ABPの面積をy平方cmとするとき、次の問いに答えなさい。
動点1(1)0≦x≦5のとき、yをxの式で表わしなさい。
(2)5≦x≦9のとき、yをxの式で表わしなさい。
(3)9≦x≦14のとき、yをxの式で表わしなさい。
(4)点PがAを出発してからBに着くまでのxとyの関係をグラフに表わしなさい。





解き方

(1)0≦x≦5のとき
Aを出発した点Pが進んだ距離をxを使って表わし、それを必ず図に書き込む。それだけで、動点の問題は簡単に解けます。

この問題の場合、毎秒1cmでx秒進むわけですから、点Pの進んだ距離は1×x、つまりxです(もし、毎秒2cmで動く点であれば、進んだ距離は2xになります)。これを図に書き込みます(左図の赤線)。
動点2

この書き込みさえできたら、図を見れば簡単に問題は解けます。

yは△ABPの面積ですから、三角形の面積の公式、底辺×高さ÷2より、底辺がx、高さが4cmと考えて、y=x×4÷2=2x、

つまりy=2xが答えです。



(2)5≦x≦9のとき
やはり、図を書き、点Pが進んだ距離をxを使って図に書き込んでおきます。
動点3

図を見て気づかないといけないのは、点Pが辺DC上のどこにあろうが、△ABPの高さは図の点線の部分であり、点が動いた距離xとは関係がないことです。点Pに関係なく、△ABPの高さは5cmです。

このことに気づけば、△ABPの面積y=底辺4cm×高さ5cm÷2、つまり、
求める式は、y=10です。

(3)9≦x≦14のとき
最後のこの場面だけ、少しむずかしい。

やはり、条件に合った図を書きます。
動点4
△ABPの底辺は、図の「?」の部分です。この部分の長さはいくらなのでしょうか?
問題は、「yをxの式で表わせ」なので、xを使って表わさないといけません。
最初、多くの人が、5−xとしてしまいますが、まちがいです。
短い5cmから長いxを引いたらマイナスになってしまい、辺の長さとしてはおかしい。

動点5
この図を見たら、見当がつきませんか?
そうです、「?」の部分の長さは、14−xです。

点PがAからD、Cを通ってBまでの長さは14cm。そのうち、点Pの進んだ距離はxですから、求めたかった底辺の長さは14−xとなります。
ここさえ理解できたら後は簡単、△ABP=(14−x)×4÷2より、y=−2x+28です。

(4)最後にグラフです。

この問題の場合、変域によって式が異なるので、グラフも変域ごとに分けて書かないといけません。
動点6
0≦x≦5のときは、y=2xのグラフです。点PがAを出発した瞬間の△ABPの面積は0であり、x=5をy=2xの式に代入するとy=10ですから、原点と点(5,10)を結んだ直線になります。

5≦x≦9のときの式は、y=10でした。xに関係なく常にy=10、つまりx軸に平行な、真横の直線になります。
座標(5,10)と(9,10)を結びます。

9≦x≦14のときは、y=−2x+28のグラフです。
時々、「先生、切片の28をどうやって見つけたらいいのですか?」と塾生から聞かれます。「無理です!解答欄をはみ出てしまいます。」

1つの考え方は、△ABPの面積は連続しているはず。だから、グラフは点(9,10)からの続きになります。
その後、傾きが−2だから、(9,10)から右へ1進んで下に2下がったところに点を打っていきます。点(14,0)で点PがBに到達するので、そこで終了という発想でグラフを書きます。

別の考え方として、9秒後の面積は10だから(9,10)の点をとり、14秒後に面積は0になるから(14,0)の点を見つけ、2つの点を結ぶとグラフが書ける、でもよい。

これで完成です。


本当に理解できたかどうか、少しだけ難しくした類題を解いてみましょう。

2、(類題)長方形ABCDがあり、点Pは頂点Bを出発して、毎秒2cmの速さで辺上をC、D、Aの順に頂点Aまで動く。点Pが頂点Bを出発してからx秒後の△ABPの面積をy平方cmとして、次の問いに答えよ。

動点2の1(1)点Pが辺BC上を動くとき、xの変域を求め、yをxの式で表わせ。
(2)点Pが辺CD上を動くとき、xの変域を求め、yをxの式で表わせ。
(3)点Pが辺DA上を動くとき、xの変域を求め、yをxの式で表わせ。
(4)点Pが、頂点Bから頂点Aまで動くときのxとyとの関係をグラフに表わせ。
(5)△ABPの面積が18平方cmになるのは、点Pが頂点Bを出発してから何秒後か。


解き方

大切なことは前の問題と全く同じです。それぞれの場合に分けて、しっかりと図を書いて考える。特に点Pが動いた距離をxを使って表わし、図に書き込んで、図を見て考えるようにします。

前の問題との違いはただ1つ、点Pの動く速さが毎秒2cmであることです。

(1)BCの長さが8cmで、点Pの速さは毎秒2cmなので、点PはBを出発してから4秒でCに到達します。
よって、xの変域は0≦x≦4
動点2の2
注意すべきは点Pの進んだ距離です。
毎秒2cmなので、距離は2×x秒、つまり2xとなります。

したがって、△ABPの面積は、底辺2x、高さが6cmだから、y=2x×6÷2=6x、
y=6xです。




(2)点Pが辺CD上にあるとき、点Pは4秒後に点Cに達した後、毎秒2cmだから、6÷2=3秒、4秒+3秒で7秒後に点Dまで動きます。
よって、xの変域は4≦x≦7
動点2の3
このとき、点Pが辺CD上のどこにあろうが、△ABPの高さは図の点線の長さ、8cmのままで、変わりません。

したがって、面積y=6×8÷2=24

式は、y=24



(3)点PがDからAに向かうとき、点Dに7秒で到達した後、8÷2=4秒でAに着くので、
xの変域は、7≦x≦11

動点2の4△ABPの底辺にあたるAPの長さ(図中の「?」)を慎重に求めなければなりません。
点Pが進む距離は、全部で8+6+8の22cmです。図の状態まで、点Pが進んだ距離は2x、だから、AP=22−2xと気づいてください。

よって、面積yは、(22−2x)×6÷2、つまり−6x+66だとわかります。

y=−6x+66です。

(4)グラフは、変域ごとに場合分けして、直線が連続するように書いていきます。

動点2の50≦x≦4のとき、y=6x
x=4のとき、y=24なので、原点と点(4,24)を結びます。

4≦x≦7のとき、y=24
x軸に平行な、真横の直線です。
(4,24)から始まり、(7,24)までです。

7≦x≦11のとき、y=−6x+66
点(7,24)からの続きになることと、そこから傾き−6であること、または11秒後に面積が0になることから、(11,0)を見つけて、2点を結びます。

(5)おまけの問題です。

面積を表わす3つの式が、y=6x、y=24、y=−6x+66であったこと、yが面積であることを、もう一度確認しておきます。

y=6xのyに18を代入して18=6x、この1次方程式を解いてx=3
y=−6x+66のyに18を代入して18=−6x+66、これを解いてx=8

3秒後と8秒後が答えです。