ポイント1、式と座標を書き込め
問題文を読み直すようでは解けない。
座標が決め手、座標を書き込めば絶対に解ける。
ポイント2、「座標→式→座標」が最強の技

難しい問題は、この技1種類ですべて解ける。

例題1(放物線と面積):放物線y=1/2x2上に3点A、B、Pがある。点Aのx座標を−4、点Bのx座標を4、点Pのx座標をtとする。また、直線APとx軸の交点をQとし、図のようにそれぞれの点を線分で結ぶとき、次の問いに答えなさい。ただし、0<x<4とする。

(1)△AQBの面積を求めなさい。
(2)△APBの面積を文字tを用いて表しなさい。
(3)△PQBの面積を文字tを用いて表しなさい。
(4)△APB=3△PQBとなるときのtの値を求めなさい。
解き方
問題を解き始める前に、必ず式と座標をグラフに書き込んでおく。
放物線の式

にx=−4、x=4、x=tを代入して、A(−4,8)、B(4,8)、P(t,1/2t2)

(1)座標さえ書き込んでおけば、グラフを見たらすぐに解ける。
△AQBの、底辺はABの長さ8、高さはx軸からABまでの距離8、求める面積は8×8÷2=32
(2)グラフを見て、丁寧に解いていく。
△APBの底辺はABの8、高さはABからx軸までの距離8からPのy座標をひけばよいから8−1/2×t2、よって面積は8×(8−1/2×t2)÷2=32−2t2
(3)三角形PQBの面積を直接求めようとするのは無謀、相当手間がかかる。何か工夫できないかを考える。
このとき、「応用問題は先に解いた問題を使って次の問題を解くように作ってある」の鉄則から、(1)、(2)を使って(3)を解くことがひらめくと非常に楽になる。
△PQBの面積は、(1)で求めた△AQBの面積から、(2)で求めた△APBの面積をひけばよいだけ。
よって、32−(32−2t2)=2t2
(4)やはり、(1)〜(3)を利用して解く。
(2)より、△APB=32−2t2、(3)より△PQB=2t2、
よって、
△APB=3△PQB
32−2t2=3×2t2
−8t2=−32
t2=4
t=±2
0<x<4より、t=2
例題2(面積の二等分):図のように、放物線y=x2と直線y=2x+3との交点をA、C、点Aを通りx軸に平行な直線とy=x2との点A以外の交点をBとし、四角形ABCDを平行四辺形とするとき、次の直線の式を求めよ。

(1)点Aを通り、△ABCの面積を2等分する直線の式
(2)原点Oを通り、平行四辺形ABCDの面積を2等分する直線の式
解き方
問題を解き始める前に、必ず式と座標を書き込む。
この問題の場合、点Aと点Cの座標を「交点=連立方程式の解」により、先に求めておかなければならない。

点A(−1,1)より、点Bの座標は(1,1)であることがわかる。
さらに、ABの長さが2だから、点Dの座標は点Cより左に2となり、(1,9)である。
こうして、4点A、B、C、Dの座標をグラフ中に書き込んで準備完了。

(1)点Aを通り、△ABCの面積を2等分する直線の式
「面積を2等分」の問題の場合、三角形の面積を求めてそれを半分にする問題はきわめて例外。

面積を求めなくても、底辺の中点を通る直線で三角形の面積は2等分される。面積を二等分する直線の問題は、実は、「中点」を求める問題である。
重要:面積を二等分する問題は、中点を求める問題である
だから、この問題も、BとCの中点を考えてそれをMとし、点Mの座標を求めればよい。
では、中点の座標はどうやって求めればよいのか?
中点は、2つの点の真ん中、2つの点の平均であり、座標はx座標とy座標に分かれるから、それぞれの真ん中、平均を求める。つまり、中点のx座標は、2つの点B、Cのx座標の平均、(一方のx座標+他方のx座標)÷2、y座標も、(一方のy座標+他方のy座標)÷2で求められる。

中点を求める公式より、点Mのx座標は、B、Cのx座標をたして2で割って(1+3)÷2=2、点Mのy座標は、B、Cのy座標をたして2で割って(1+9)÷2=5
ゆえに、M(2,5)となる。
Mの座標(2,5)を書き込むと、2等分する直線は、2点A(−1,1)、M(2,5)を通る直線だから、この2点の座標を1次関数y=ax+bの式に代入して、
1=−a+b
5=2a+b
この連立方程式を解いて、a=4/3、b=7/3
答えは、y=4/3x+7/3
(2)原点Oを通り、平行四辺形ACBDの面積を2等分する直線の式
四角形の面積を2等分する直線にはどんな性質があるだろうか?

青い線が面積を2等分していることはわかりやすい。黄色でぬった三角形が合同であれば、黄色の三角形の面積は等しいから、赤い線も面積を2等分している。
また、中2の平行四辺形で学んだように、対角線は中点で交わっている。
黄色の三角形が合同のとき、青の線と赤の線は四角形の対角線の交点、すなわち中点で交わっていることになる。
言い換えれば、「四角形の対角線の中点を通る直線を引けば、四角形の面積を2等分する」。
三角形の面積の2等分の問題と同様、四角形の面積の2等分の問題も、中点を求める問題であったわけである。
この問題では、対角線ACの中点を求める。
A(−1,1)、C(3,9)を中点を求める公式に代入して、中点(1,5)
原点を通る直線y=axが点(1,5)を通るから、代入して、5=a、
したがって、答えはy=5x
例題3(等積変形):放物線y=x2と直線y=x+2の交点をA、Bとする。△AOBと面積が等しい△APBを考える。点Pが放物線上で点AとBの間にあるとき、点Pの座標を求めよ。

解き方

面積の等しい図形を考える問題は、「等積変形」の問題と呼ばれます。
教科書では、中2の平行四辺形の単元の最後に出てきます。

図で、黒色の2本の直線が平行であれば、緑色で描いた三角形と青色で描いた三角形の面積は等しくなります(底辺が共通で、高さは等しくなるから)。
重要なのはその逆で、「面積を等しくしようと思えば、平行線を引けばよい」。
この問題でも、直線ABと直線OPが平行であれば、△AOBと△APBの面積は等しいといえます。
さらに、この問題は関数の問題であり、グラフ上で「平行」とは、「直線の傾きが等しい」と読み替えなくてはいけません。
以上より、まず直線ABと傾きが等しく原点Oを通る直線OPの式を求め、最後に放物線と直線OPの交点の座標を求める、という順序になります。
直線OPの式
直線y=x+2と「平行=傾きが等しい」から傾きは1、原点を通る比例のグラフだから切片は0。
よって、y=x
放物線と直線OPの交点
放物線y=x2と直線y=xの連立方程式を解けばよい。
x=0,x=1
x=0は原点のことだからx=1
もとの式に代入してy=1
よって、P(1,1)
この等積変形の問題は、いろいろな応用問題で類題が出題されます。
問題文を読み直すようでは解けない。
座標が決め手、座標を書き込めば絶対に解ける。
ポイント2、「座標→式→座標」が最強の技

難しい問題は、この技1種類ですべて解ける。

例題1(放物線と面積):放物線y=1/2x2上に3点A、B、Pがある。点Aのx座標を−4、点Bのx座標を4、点Pのx座標をtとする。また、直線APとx軸の交点をQとし、図のようにそれぞれの点を線分で結ぶとき、次の問いに答えなさい。ただし、0<x<4とする。

(1)△AQBの面積を求めなさい。
(2)△APBの面積を文字tを用いて表しなさい。
(3)△PQBの面積を文字tを用いて表しなさい。
(4)△APB=3△PQBとなるときのtの値を求めなさい。
解き方
問題を解き始める前に、必ず式と座標をグラフに書き込んでおく。
放物線の式

にx=−4、x=4、x=tを代入して、A(−4,8)、B(4,8)、P(t,1/2t2)

(1)座標さえ書き込んでおけば、グラフを見たらすぐに解ける。
△AQBの、底辺はABの長さ8、高さはx軸からABまでの距離8、求める面積は8×8÷2=32
(2)グラフを見て、丁寧に解いていく。
△APBの底辺はABの8、高さはABからx軸までの距離8からPのy座標をひけばよいから8−1/2×t2、よって面積は8×(8−1/2×t2)÷2=32−2t2
(3)三角形PQBの面積を直接求めようとするのは無謀、相当手間がかかる。何か工夫できないかを考える。
このとき、「応用問題は先に解いた問題を使って次の問題を解くように作ってある」の鉄則から、(1)、(2)を使って(3)を解くことがひらめくと非常に楽になる。
△PQBの面積は、(1)で求めた△AQBの面積から、(2)で求めた△APBの面積をひけばよいだけ。
よって、32−(32−2t2)=2t2
(4)やはり、(1)〜(3)を利用して解く。
(2)より、△APB=32−2t2、(3)より△PQB=2t2、
よって、
△APB=3△PQB
32−2t2=3×2t2
−8t2=−32
t2=4
t=±2
0<x<4より、t=2
例題2(面積の二等分):図のように、放物線y=x2と直線y=2x+3との交点をA、C、点Aを通りx軸に平行な直線とy=x2との点A以外の交点をBとし、四角形ABCDを平行四辺形とするとき、次の直線の式を求めよ。

(1)点Aを通り、△ABCの面積を2等分する直線の式
(2)原点Oを通り、平行四辺形ABCDの面積を2等分する直線の式
解き方
問題を解き始める前に、必ず式と座標を書き込む。
この問題の場合、点Aと点Cの座標を「交点=連立方程式の解」により、先に求めておかなければならない。

点A(−1,1)より、点Bの座標は(1,1)であることがわかる。
さらに、ABの長さが2だから、点Dの座標は点Cより左に2となり、(1,9)である。
こうして、4点A、B、C、Dの座標をグラフ中に書き込んで準備完了。

(1)点Aを通り、△ABCの面積を2等分する直線の式
「面積を2等分」の問題の場合、三角形の面積を求めてそれを半分にする問題はきわめて例外。

面積を求めなくても、底辺の中点を通る直線で三角形の面積は2等分される。面積を二等分する直線の問題は、実は、「中点」を求める問題である。
重要:面積を二等分する問題は、中点を求める問題である
だから、この問題も、BとCの中点を考えてそれをMとし、点Mの座標を求めればよい。
では、中点の座標はどうやって求めればよいのか?
中点は、2つの点の真ん中、2つの点の平均であり、座標はx座標とy座標に分かれるから、それぞれの真ん中、平均を求める。つまり、中点のx座標は、2つの点B、Cのx座標の平均、(一方のx座標+他方のx座標)÷2、y座標も、(一方のy座標+他方のy座標)÷2で求められる。

中点を求める公式より、点Mのx座標は、B、Cのx座標をたして2で割って(1+3)÷2=2、点Mのy座標は、B、Cのy座標をたして2で割って(1+9)÷2=5
ゆえに、M(2,5)となる。
Mの座標(2,5)を書き込むと、2等分する直線は、2点A(−1,1)、M(2,5)を通る直線だから、この2点の座標を1次関数y=ax+bの式に代入して、
1=−a+b
5=2a+b
この連立方程式を解いて、a=4/3、b=7/3
答えは、y=4/3x+7/3
(2)原点Oを通り、平行四辺形ACBDの面積を2等分する直線の式
四角形の面積を2等分する直線にはどんな性質があるだろうか?

青い線が面積を2等分していることはわかりやすい。黄色でぬった三角形が合同であれば、黄色の三角形の面積は等しいから、赤い線も面積を2等分している。
また、中2の平行四辺形で学んだように、対角線は中点で交わっている。
黄色の三角形が合同のとき、青の線と赤の線は四角形の対角線の交点、すなわち中点で交わっていることになる。
言い換えれば、「四角形の対角線の中点を通る直線を引けば、四角形の面積を2等分する」。
三角形の面積の2等分の問題と同様、四角形の面積の2等分の問題も、中点を求める問題であったわけである。
この問題では、対角線ACの中点を求める。
A(−1,1)、C(3,9)を中点を求める公式に代入して、中点(1,5)
原点を通る直線y=axが点(1,5)を通るから、代入して、5=a、
したがって、答えはy=5x
例題3(等積変形):放物線y=x2と直線y=x+2の交点をA、Bとする。△AOBと面積が等しい△APBを考える。点Pが放物線上で点AとBの間にあるとき、点Pの座標を求めよ。

解き方

面積の等しい図形を考える問題は、「等積変形」の問題と呼ばれます。
教科書では、中2の平行四辺形の単元の最後に出てきます。

図で、黒色の2本の直線が平行であれば、緑色で描いた三角形と青色で描いた三角形の面積は等しくなります(底辺が共通で、高さは等しくなるから)。
重要なのはその逆で、「面積を等しくしようと思えば、平行線を引けばよい」。
この問題でも、直線ABと直線OPが平行であれば、△AOBと△APBの面積は等しいといえます。
さらに、この問題は関数の問題であり、グラフ上で「平行」とは、「直線の傾きが等しい」と読み替えなくてはいけません。
以上より、まず直線ABと傾きが等しく原点Oを通る直線OPの式を求め、最後に放物線と直線OPの交点の座標を求める、という順序になります。
直線OPの式
直線y=x+2と「平行=傾きが等しい」から傾きは1、原点を通る比例のグラフだから切片は0。
よって、y=x
放物線と直線OPの交点
放物線y=x2と直線y=xの連立方程式を解けばよい。
x=0,x=1
x=0は原点のことだからx=1
もとの式に代入してy=1
よって、P(1,1)
この等積変形の問題は、いろいろな応用問題で類題が出題されます。
読者に誤解を与えないように、かける×の記号を入れて修正しました。