中3の「2乗に比例(2次関数)」の単元で入試によく出る全問題(aの値・直線の式・交点の座標・2点間の距離・変化の割合・変域・面積・面積の2等分・等積変形・回転体の体積・発展問題の基礎)を、出る順序にそってまとめてみました。これだけをしっかりと理解しておけば、2次関数の高校入試問題の全てをほぼカバーできます。
下の図のように、放物線y=ax2と、傾き2の直線が、2点A(−1,1)とBで交わっている。次の各問いに答えなさい。

(1)aの値を求めよ。
(2)直線の式を求めよ。
(3)交点Bの値を求めよ。
(4)2点ABの距離を求めよ。
(5)xの値が−1から3まで変化するとき、それぞれの変化の割合を求めなさい。
(6)定義域(xの変域)が−1≦x≦2のとき、値域(yの変域)をそれぞれについて求めなさい。
(7)△AOBの面積を求めなさい。
(8)点Oを通る直線で△AOBの面積を2等分するとき、その直線の式を求めなさい。
(9)△AOBの面積と△APBの面積が等しくなるように放物線のOB間に点Pをとるとき、点Pの座標を求めなさい。
(10)直線とx軸との交点をCとする。△BCOをx軸のまわりに1回転してできる立体の体積を求めなさい。
(11)放物線上に点Qをとり、△QCOの面積と△AOBの面積が等しくなるようにしたい。点Qのx座標を求めなさい。
解き方
(1)aの値
放物線は点Aを通っています。点Aが放物線上にあると言ってもよい。「通る」・「グラフ上にある」→「代入」せよ、ということです。
y=ax2に(−1,1)、すなわちx=−1、y=1を代入。
1=1a
a=1
(2)直線の式
傾きが2とわかっているので、直線の式をy=2x+bとします。その直線が点Aを「通る」から(−1,1)を代入。
1=2×(−1)+b
1=−2+b
−b=−3
b=3
(3)交点Bの座標
(1)と(2)より、放物線の式はy=x2、直線の式はy=2x+3。この2式の連立方程式を解きます。

点B(3,9)が求められます。
(4)2点AB間の距離
斜めの線の長さは、三平方の定理を使って求めます。
三平方の定理を使いたいので直角三角形を書いて、

x=4√5
(5)変化の割合
2乗に比例y=ax2の変化の割合は、「xをたしてaをかける」で求められる(その理由についてはこちらを参照)。
よって(−1+3)×1より変化の割合は2
直線y=ax+bの変化の割合は、y=ax+bのaと一致する。
よってy=2x+3の変化の割合は2
(6)変域
−1≦x≦2の両端の数値、x=−1とx=2をそれぞれの式に代入する。
放物線では、x=−1のときy=1、x=2のときy=4、ところが2乗に比例でxの変域が負の数≦x≦正の数のとき、x=0のときのy=0が最小値になるから、答は0≦y≦4
直線では、x=−1のときy=1、x=2のときy=7、1次関数ではこの答のままで、1≦y≦7
(変域の求め方の違いについてはこちらを参照。)
(7)△AOBの面積
グラフ上で三角形の面積を求める方法は、3つある。

この問題では、y軸で2分し、左の三角形と右の三角形を別々に求めて足すのが一番簡単。

y軸の左の三角形は、3×1÷2=3/2
y軸の右の三角形は、3×3÷2=9/2
よって、3/2+9/2=6
(8)面積を2等分する直線の式
点ABの中点を求める(2等分と中点の関係についてはこちらを参照)。

中点の公式より
点ABの中点は(1,5)
よって、原点を通る直線の式y=axに(1,5)を代入してy=5x
(9)等積変形
面積が等しい→y=2x+3に平行(=傾きが等しい)で、点Oを通る、直線の式y=2xと、放物線の交点の座標を求める(等積変形と平行の関係についてはこちらを参照)。

(10)回転体の体積
先にCの座標を求めないといけない。y=2x+3とx軸の交点だからy=0を代入してx=−3/2
求める回転体は下図のようになる。

底面の半径9、高さ3/2+3の大きい円錐から、底面の半径9、高さ3の小さい円錐をくりぬけばよい。
9×9×π×9/2÷3−9×9×π×3÷3=81/2π
(11)応用問題の基礎
(1)〜(10)以外の応用問題は、ほとんどがたった1つの方法で解ける。

を使う。
求めたい点Qのx座標をtとする。
点Qは放物線上にあるから、点Qのy座標はt2

△QCOの面積が△AOBの面積と等しい6となる。
下の図のように、放物線y=ax2と、傾き2の直線が、2点A(−1,1)とBで交わっている。次の各問いに答えなさい。

(1)aの値を求めよ。
(2)直線の式を求めよ。
(3)交点Bの値を求めよ。
(4)2点ABの距離を求めよ。
(5)xの値が−1から3まで変化するとき、それぞれの変化の割合を求めなさい。
(6)定義域(xの変域)が−1≦x≦2のとき、値域(yの変域)をそれぞれについて求めなさい。
(7)△AOBの面積を求めなさい。
(8)点Oを通る直線で△AOBの面積を2等分するとき、その直線の式を求めなさい。
(9)△AOBの面積と△APBの面積が等しくなるように放物線のOB間に点Pをとるとき、点Pの座標を求めなさい。
(10)直線とx軸との交点をCとする。△BCOをx軸のまわりに1回転してできる立体の体積を求めなさい。
(11)放物線上に点Qをとり、△QCOの面積と△AOBの面積が等しくなるようにしたい。点Qのx座標を求めなさい。
解き方
(1)aの値
放物線は点Aを通っています。点Aが放物線上にあると言ってもよい。「通る」・「グラフ上にある」→「代入」せよ、ということです。
y=ax2に(−1,1)、すなわちx=−1、y=1を代入。
1=1a
a=1
(2)直線の式
傾きが2とわかっているので、直線の式をy=2x+bとします。その直線が点Aを「通る」から(−1,1)を代入。
1=2×(−1)+b
1=−2+b
−b=−3
b=3
(3)交点Bの座標
(1)と(2)より、放物線の式はy=x2、直線の式はy=2x+3。この2式の連立方程式を解きます。

点B(3,9)が求められます。
(4)2点AB間の距離
斜めの線の長さは、三平方の定理を使って求めます。
三平方の定理を使いたいので直角三角形を書いて、

x=4√5
(5)変化の割合
2乗に比例y=ax2の変化の割合は、「xをたしてaをかける」で求められる(その理由についてはこちらを参照)。
よって(−1+3)×1より変化の割合は2
直線y=ax+bの変化の割合は、y=ax+bのaと一致する。
よってy=2x+3の変化の割合は2
(6)変域
−1≦x≦2の両端の数値、x=−1とx=2をそれぞれの式に代入する。
放物線では、x=−1のときy=1、x=2のときy=4、ところが2乗に比例でxの変域が負の数≦x≦正の数のとき、x=0のときのy=0が最小値になるから、答は0≦y≦4
直線では、x=−1のときy=1、x=2のときy=7、1次関数ではこの答のままで、1≦y≦7
(変域の求め方の違いについてはこちらを参照。)
(7)△AOBの面積
グラフ上で三角形の面積を求める方法は、3つある。

この問題では、y軸で2分し、左の三角形と右の三角形を別々に求めて足すのが一番簡単。

y軸の左の三角形は、3×1÷2=3/2
y軸の右の三角形は、3×3÷2=9/2
よって、3/2+9/2=6
(8)面積を2等分する直線の式
点ABの中点を求める(2等分と中点の関係についてはこちらを参照)。

中点の公式より
点ABの中点は(1,5)
よって、原点を通る直線の式y=axに(1,5)を代入してy=5x
(9)等積変形
面積が等しい→y=2x+3に平行(=傾きが等しい)で、点Oを通る、直線の式y=2xと、放物線の交点の座標を求める(等積変形と平行の関係についてはこちらを参照)。

(10)回転体の体積
先にCの座標を求めないといけない。y=2x+3とx軸の交点だからy=0を代入してx=−3/2
求める回転体は下図のようになる。

底面の半径9、高さ3/2+3の大きい円錐から、底面の半径9、高さ3の小さい円錐をくりぬけばよい。
9×9×π×9/2÷3−9×9×π×3÷3=81/2π
(11)応用問題の基礎
(1)〜(10)以外の応用問題は、ほとんどがたった1つの方法で解ける。

を使う。
求めたい点Qのx座標をtとする。
点Qは放物線上にあるから、点Qのy座標はt2

△QCOの面積が△AOBの面積と等しい6となる。
