落下運動は、だんだん速さが大きくなる運動です。

落下運動でだんだん速さが大きくなる理由

物体の速さを変えるには、力を加える必要があります。

等速直線運動は、運動をしている向きに力がはたらいていないので速さが変わりません。
運動している物体にも重力がはたらいているのではないかと思われがちですが、重力の向きは鉛直下向きであり、水平方向に移動している物体の運動に関係する力ではありません(静止している物体にも重力ははたらいているのに、物体が横向きに運動することはないことを考えれば納得できます)。

落下運動にはたらいている力も重力です。
ところが、水平方向に運動している等速直線運動と違い、落下運動の場合は重力のはたらく向きが運動の向きと同じ向きなので、運動をしている物体をさらに同じ下向きに重力がぐいっ、ぐいっと引っ張ることになり、だんだん速さが大きくなっていきます。


落下運動では、速さが時間に比例する

落下している物体には、常に一定の重力がはたらき続けています。
下の図で、矢印は1の速さを生じさせる力だとします。a 秒ごとにこの力を加え続けます。そうすると、最初の a 秒は1の速さで進み、次の a 秒は1+1=2の速さ、次の a 秒は2+1=3の速さで物体は進むはずです。
力がはたらき続ける図








同じことが落下運動でも言えるはずです。 a 秒ごとに重力が1の速さを生み出すとします。次の a 秒で2の速さ、次の a 秒は3の速さ・・・・と、時間に比例して速さは大きくなります。
重力がはたらき続ける図
この a 秒が無限にゼロに近づいても理屈は同じです。瞬間、瞬間に重力によって速さが大きくなり続けることになります。

また、仮に決めた a 秒ごとに、速さは一定数の1ずつ大きくなり続けます。この定数のことを「加速度」といいます。

重力の加速度は、物体の質量に関係なく9.8m/秒2乗
加速度


であることがわかっています。
落下する物体の瞬間の速さm/秒)=9.8×落下時間

落下し始めて1秒後の速さは9.8m/秒だということになります。

加速度は、くわえたが大きいほど大きくなり、また物体の質量が大きいほど小さくなります。
「物体に力がはたらくと加速度が生じ、加速度はくわえた比例し、物体の質量反比例する」と公式化されています。

力の単位はNですが、これは、質量1kg の物体に1m/秒2乗の加速度を生じさせる力を1Nと決めたものです。


質量が違う物体の落下する速さ

「物体に力がはたらくと加速度が生じ、加速度はくわえた比例し、物体の質量反比例する」。
質量が2倍になると、はたらく重力も2倍になります。これだけだと、力が2倍なので加速度は2倍です。
ところが、加速度は質量の2倍に反比例もするので、質量が2倍になると加速度は今度は2分の1になってしまいます。

質量が2倍になっても、加速度はもとの2倍2分の1、すなわち1倍になってしまって、もとのままです。

質量が変わっても加速度は変化しない、ということです。

つまり、形・体積が同じで空気抵抗が同じであれば、重いものも軽いものも同じ速さで落下します(ガリレオがピサの斜塔でおこなったとされる実験が有名です)。


速さと距離

運動する物体の速さと進んだ距離との関係をグラフを使って考えてみましょう。

まず、わかりやすい等速直線運動から。
等速直線運動の場合、時間に関係なく速さ一定なので、横軸に時間、縦軸に速さをとってグラフを書くと図のようになります。
等速直線運動速さのグラフ











等速直線運動時間距離の関係を表すグラフは、距離=速さ×時間より、距離が時間に比例するグラフです。
等速直線運動距離のグラフ











視点をかえて、等速直線運動の速さのグラフ距離がどこに表われているかを考えてみましょう。
等速直線運動速さと距離のグラフ距離=速さ×時間です。
bcm/秒の速さでa秒間に進んだ距離は、b×a=ab cm、つまり、図の長方形の面積距離を表わしていることがわかります。
速さのグラフでは距離面積で表わされる」これは重要です。





次は、落下運動の速さ、距離のグラフです。

落下運動では、速さ時間比例します。
落下運動速さのグラフ
速さ÷時間が加速度ですから、左の速さのグラフでは、傾き加速度を表わしています。








次は、落下運動距離を表わすグラフです。
距離=速さ×時間、ところが落下運動の速さ=加速度×時間ですから代入すると距離=(加速度×時間)×時間となり、距離時間の2乗比例していることがわかります。
つまり、落下運動では、距離のグラフは2乗に比例のグラフになります。

落下運動距離のグラフ
速さ=距離÷時間です。
2乗に比例のグラフで、距離÷時間は、yの増加量÷xの増加量ということになり、これは数学でいう「変化の割合」です。
つまり、理科では、速さ変化の割合ということもできます。




最後に、落下運動の速さのグラフでは、どこに距離が表われているかを考えてみましょう。
落下運動速さと距離グラフ
速さのグラフでは距離面積で表わされる
左の図の三角形の面積が落下運動の距離を表わしていることになります。

三角形の面積ですから、b×a÷2
つまり、
落下運動距離速さ×時間÷2であることがわかります。

さらにこの式に、速さ=加速度×時間を代入して、
落下運動の
距離=加速度×時間×時間÷
距離=9.8×時間×時間÷
であることがわかります。


放り出された物体の運動

放物運動













横の向き(水平方向)には、落ち始めてからは何の力もはたらいていないので、速さは変わりません。等速直線運動と同じで、横向きに等間隔で進みます。

縦の向き(鉛直方向)には重力がはたらいています。落下運動と同じで、時間に比例して速さは大きくなっていきます。
単位時間あたりに縦向きに移動する距離は、時間の2乗に比例して大きくなります。


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