相似の証明問題の練習です。基本的な入試問題をもちいて、楽に解くコツを習得してもらいます。

解くための道具

「形」が等しいものが相似である

相似条件
(1)3組の辺の比が等しい
(2)2組の辺の比が等しく、その間の角が等しい
(3)2組の角がそれぞれ等しい


例題1長方形ABCDがある。左の図は、辺AD上に∠BPC=90度となるような点Pをとったものである。このとき、△ABP∽△DPCとなることを証明しなさい。(秋田県の問題を改題)
相似の証明(秋田)
「楽に解けるかどうかは準備で決まる」、解く前に「自分のために」準備をしましょう。

相似の証明では、相似条件のうちの3番目、「2組の角がそれぞれ等しい」を使うことが圧倒的に多く、特に辺の長さが書いてない場合、ほぼそうだと思ってまちがいありません。その観点から準備をします。

コツ:目標は、2組の等しい角を求めることです。
準備として、図形問題で直角三角形が出てきたとき、直角でない角にマルペケをつけておきます。
内角の和が180度だから、直角の90度を除くと残りの2つの角の和は90度です。誰でもわかる、当たり前のことですが、「わかっている」と、「使える」との間には大きな距離があります。「使える」ようにするには、「目に見える」ように書き込んでおくことです。
90度以外の角にマルとペケをつけておくことで、やさしい問題になります。


相似の証明(秋田2)解答:△ABPと△DPCにおいて
長方形の角だから∠PAB=90度
長方形の角だから∠CDP=90度
よって∠PAB=∠CDP・・・(1)
三角形の内角の和は180度だから∠ABP=180−90−∠APB
∠APDは直線で180度で、仮定より∠BPC=90度だから∠DPC=180−90−∠APB
よって∠ABP=∠DPC・・・(2)
(1)(2)より、2組の角がそれぞれ等しいので△ABP∽△DPC

注意:証明問題に決まった書き方はありません。「どう書いても」、書き方で減点されることはありません(対応の順番を間違えると減点されます)。
大きく減点されるのは、「論理に飛躍があるとき」、わかりやすく言うと、「理由が書いてない」ときです。
ですから、私の書いた解答のうち、太字で示した、「〜だから」の部分がもっとも重要です。書き落とさないように注意してください。
証明問題の答えを書くときは、とにかく、前に「〜だから」を書き込む癖をつけておくことです。


例題21辺の長さが4の正三角形ABCがある。下の図のように、頂点Aを辺BC上の点Rに重なるように折り曲げたところ、BR:RC=3:1となった。次の問いに答えなさい。(滝高)
(1)△BPR∽△CRQを証明しなさい。
(2)BP=x、CQ=yとおくとき、x、yの値をそれぞれ求めなさい。

相似の証明(滝)








(1)を解く前の準備
相似の証明(滝高2)
やはり目標は、2組の等しい角を見つけることです。
直角三角形で直角でない角にマルとペケをつけることの応用として、正三角形でも同様の準備が有効です。
誰でも知っていることですが、正三角形の1つの角は60度です。ここでも、「知っている」のと、「使える」は別物。使えるように60度をまず書き込みます。
そして、「自分のために」60度でない角に、マルとペケをつけておきます(左図の赤色の箇所)。
わかっている長さも書き込みます。


(1)の解答:△BPRと△CRQにおいて
正三角形の角だから∠PBR=60度
同様に正三角形の角だから∠RCQ=60度
よって∠PBR=∠RCQ・・・(1)
三角形の内角の和は180度だから∠BPR=180−60−∠BRP
また、正三角形の角だから∠A=60度
それを折り曲げたものだから∠PRQ=60度
∠BRCは直線で180度で、∠PRQ=60度だから
∠QRC=180−60−∠BRP
よって∠BPR=∠QRC・・・(2)
(1)(2)より、2組の角がそれぞれ等しいので△BPR∽△CRQ


(2)を解く前の準備

滝高3
まず、求めたいBP=x、CQ=yを書き込みます。

問題はその次です。
子どもたちは本当に「人がよい」。
(1)の証明問題は、ただ証明が書けるかどうかが試される問題だと思っています。書けたら万歳で次に向かおうとします。
これこそ、とんでもない誤解です。(1)の証明は、(2)でその結果を使うために証明させているのです。
そのことを知っていたら、△BPR∽△CRQに注目して、相似を使うために書き込めることを書き込んでおこうという発想が出てきます。
BP=xだから当然AP=4−x。△BPRで使いたいから、APを折り曲げたRP=4−x。
同様に、CQ=yだからAQ=4−y。△CRQで使うためにAQを折り曲げたQR=4−y。

最後に、「自分のために」、相似の対応を見誤らないように、∠CQRに、∠BRPと同じペケをつけておきます。

(2)の解答
△BPR∽△CRQだから対応する辺の比が等しいので、1:x=y:3・・・(1)
同様に、1:x=4−y:4−x・・・(2)
この連立方程式を解く。

(1)よりxy=3
(2)よりx(4−y)=4−x
4x−xy=4−x
xy=3を代入して4x−3=4−x
5x=7
x=7/5
これをxy=3に代入して
7/5y=3
y=15/7