入試問題では、直角三角形で成り立つ三平方の定理そのもの
a2+b2=c2

を使って解くほうが例外で、特殊な直角三角形を組み合わせた問題のほうが多いような印象があります。
特殊な直角三角形とは、(1)辺の長さが特別なとき、(2)角度が特別なとき、の2種類です。

(1)辺の長さが特別なとき(3:4:5と5:12:13)

数字は不思議です。一番ありふれた数字の3と4と5。それぞれを2乗してみますと、3の2乗は9、4の2乗は16、5の2乗は25。9+16=25、3の2乗+4の2乗=5の2乗(三平方の定理)が成り立っています。
つまり、辺の長さが3cm、4cm、5cmの三角形は三平方の定理が成り立つので直角三角形です。

3:4:5の図3:4:5が成り立つときは、比を使って解くほうが簡単です。

左の図のxの長さを求めるとき、25=5×5、20=5×4から5:4が成り立っていることに気づいて、xは、5:4:3の3、すなわちxは5×3=15だと考えます。
(比例式で解くこともできる。25:x=5:3。よってx=15。)



辺の長さが特別な場合として、3辺が5cm、12cm、13cmの三角形も、その2乗が25+144=169となり、直角三角形です。


(2)角度が特別なとき(90・30・60度と90・45・45度)

90・30・60角度が90度、30度、60度の三角形は特殊な三角形です。どこが特殊かというと、一番短い辺を1としたとき、必ず斜辺が2の割合になります。










正三角形90・60・30度の直角三角形を2つ、図のように組み合わせると正三角形ができます。
当然、底辺の半分が1、底辺が2ですから、別の辺の長さは2です。
高さをxとすると、
1:2:√3

つまり、90・60・30度の直角三角形の3辺の比は、常に1:2:√3になります。






この種類の三角形では、
a2+b2=c2

を使って問題を解くより、1:2:√3を使って問題を解くほうが簡便です。

例えば、1辺の長さが6cmの正三角形の高さを求めたいとき、2にあたる長さが6cmで2の3倍なので、1にあたる長さは1の3倍の3cm、高さは√3の3倍の3√3cmと、あっさり求めることができます。
(比例式を使ってもよい。高さをxとして、6:x=2:√3。よってx=3√3。)



1:1:√2角度が90度、45度、45度の直角二等辺三角形も特別な三角形です。

このときは、等しい辺が1:1の割合なので、斜辺は必ず√2の割合になり、3辺の間に1:1:√2の関係がなりたちます。

例えば、等しい辺の長さが4cmの直角二等辺三角形で斜辺の長さを求めるとき、1のところが1の4倍の4だから、斜辺は√2の4倍の4√2と求めたほうが、いちいち斜辺をxとおいて三平方の定理に代入するより、ずっと簡単です。
(比例式でも解ける。4:x=1:√2。よってx=4√2。)


正三角形の問題

正三角形が出てきたら、1つの角が60度なので、1:2:√3を使います。

例題:1辺の長さが6cmの正三角形の面積を求めよ。

正三角形(2)2にあたる辺が2の3倍の6cm。
1にあたる底辺の半分は3cm。
高さは√3の3倍の3√3cm。

よって、面積は6×3√3÷2=9√3平方cm。





正方形の問題

正方形の辺と対角線が出てきたら、1:1:√2を使います。

例題:1辺の長さが4cmの正方形の対角線の長さを求めよ。

1:1:√2(2)
1にあたる辺の長さが4倍の4cm。
だから、√2にあたる対角線も√2の4倍、4√2cm。







正四角錐の問題

正方形、正三角形の組合せでできた図形に正四角錐があります。

例題:すべての辺の長さが4cmの正四角錐の体積を求めなさい。

正四角錐
体積の公式は、底面積×高さ×1/3なので、先に高さを求めないといけません。
頂点のOから底面におろした垂線OHがこの立体の高さであり、Hは底面の正方形ABCDの対角線の交点、つまりBDの中点を通るはずだという見当をつけます。

BC=4cm、CD=4cmだからBD=4√2cm。
よってBH=2√2cm。
BH=2√2cm、OB=4cmで2√2:4=1:√2。だから、三角形OBHも1:1:√2の直角二等辺三角形。
よって、正四角錐の高さOH=2√2cm。

以上より、体積=底面積ABCD×高さOH×1/3
=(4×4)×2√2×1/3
=32√2/3