受験校の過去問から学ぶ

受験する高校の過去の入試で出題された問題そのもの、あるいはその高校の過去の入試問題をまとめた問題集のことを、「過去問(かこもん)」と言います(「過去出題された問題」、または、「過去の入試問題を集めた問題集」の略語です)。

大阪では英俊社という出版社から出されている過去問がポピュラーで、その表紙が赤色なので「赤本」と言うこともあります。
最近は、私立高校が、説明会やオープンキャンパスで自校の過去の入試問題を受験希望者に配布することが多く、これも「過去問」と呼びます。

ごくまれに、自分が受験する高校の過去の入試問題を一切解くこともなく受験する蛮勇の持ち主もいますが、ほとんどの人は、受験校の入試の傾向や難易度を知るために、受験が近づくと過去問を解いていきます。

今日は、その、過去問の活用法について述べます。


・12月に過去問を最低でも2年分

追い込み期末テスト・実力テストが終わって冬休みに入るまでに絶対にしておかなければならないのが、受験する高校の過去問を解くことです。

受験直前では遅すぎます。冬休み前に2年分、できたら3年分、完璧に制覇しましょう。




・最近のものを先にする

平成24年度春の入試問題、その後23年度の問題と、最近のものを先にします。
古すぎると教育課程や傾向が今と違っていて参考にならないことがあります。


・1回目は時間を計り自己採点(自分の弱点と欠点を見つける)

1回目は時間を計って、試験時間に合わせて実際に受験する気持ちで1年分をおこないます。
終わったら解答をみて自己採点をします。
自分の弱点や不得意な分野、これから勉強しなければいけない事柄を見つけるためにするものですから、自分に厳しく採点します。

合格最低点に届かなくてもなんら気にすることはありません。
毎年12月に、最初から合格点に達する受験生はほとんどいません。

12月に過去問を解く効用は、挑戦して打ちのめされて、自分の学力がまだまだ合格水準に届いていないことを自覚する点にあります。
まだ12月だと、自分はまだだめだとはっきり知ることで、冬休みに頑張る原動力となります。


・2回目は自力でできるまで(答えではなく解き方を頭にたたきこむ)

1年分を終えたら、すぐにもう一度同じ問題をします。今度は時間を気にしてはいけません。

同じ問題は2度と出題されませんが、同じ解き方をする問題、同じ難易度の、同じ傾向の問題が必ず出題されます。
自分で解き方がわかればそれでよし。
わからないときは解答と解説を熟読します。
それでもわからないときは塾や学校の先生に質問し、納得がいくまで教えてもらいます。

答えを覚えてもだめです。
途中の解き方(問題の読み取り方、解くときの考え方、解く途中の書き方)を自分自身の頭にたたきこみます。


・9割解けたら前の年の問題

自力で9割近く解けるようになるまで、何度もやりなおします。

その後、1年前の問題にチャレンジします。

量より質、多くの問題をしたからといって力がつくわけではありません。
どれだけ深く極めるかが勝負です。


・過去問で一気に力をつける

12月に受験校の過去問をやりぬく、そこで自分の勉強しなければならないことを見極めて冬休みに頑張りぬく、この2つをやり遂げることで毎年、中3生全員が大きく力を伸ばします。
高得点をとり、志望校に良い成績で合格していきます。

また、私立高校の過去問対策で一気に学力を伸ばし、その余勢で公立高校入試に自信をもって臨み、公立高校入試でも楽々と合格してくるのです。

今現在の合格可能性にはなんの意味もありません。
自分自身を信頼し、自信をもって壁を乗り越えると、一気に力をつけた自分と出会うことができます。


・公立高校受験と過去問

まず私立高校の過去問をやりぬきます。

公立高校後期試験の受験生なら、公立高校の過去問は、私学併願校受験の後にとりかかっても充分間に合います。
公立高校入試前期試験の受験生は、1月になると前期試験対策も並行して進めないと間に合いません。

しかしそれでも、まず私立高校の過去問で力をつけます。

私立高校を受験しない公立専願の人は、公立高校前期入試の過去問からとりかかるべきです。


・過去問をやり過ぎて失敗する人の例

過去問はあくまで過去問であり、未来問ではありませんから、過去問と同じ問題が実際の入試で出題されることはありません。

ところが、入試が近づいてくると焦りのあまり、何を勉強してよいかわからなくなって、過去問ばかりに没頭する人が出てきます。

そういう人は共通して、毎回採点して、「お、合格最低点を越えた!」「平均80点をとれるようになった!」と、誤った自信を深めていきます。
答えを覚えているはずですから、解くたびに点数が上がっていくのは当たり前です。

そして本番で、見たことのない問題に遭遇し(見たことのある問題が出題される入試などありません)、自信喪失、顔面蒼白、意気消沈、結果最悪という結果になってしまいます。

過去問は、勝つための鉄則、「敵を知り、おのれを知る」ためにやるものであって、それ以上のものではありません。

受験校の傾向と自分に足りない点がわかったら、試験直前は今度は自分に足りない点の解消に全力を尽くすべきです。

その意味でも、過去問は12月にしておくべきです。





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