大阪府公立高校入試で出題される平面図形の問題について、解き方を考えます。
問題は平成21年度の後期B問題を使いました。


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箱次は、左の写真のように箱のふたを移動させたときのようすをモデルにした問題である。

図1〜図3において、四角形ABCDはAB=10 cm、AD=18 cmの長方形であり、四角形EFGHはEF=3cm、 EH=18 cmの長方形である。 Dは辺EH上にあり、Eは直線ADについてCと反対側にある。辺FGと辺DCは、C、Gと異なる点で交わっている。1は、辺FGと辺DCとの交点である。
次の問いに答えなさい。


(1)    図1、図2において、Gは直線BC上にあってCについてBと反対側に図1ある。Fは、直線ADについてCと反対側にある。このとき、辺FGと辺ADは交わる。Jは、辺FGと辺ADとの交点である。

[1]図1において、五角形ABCIJの内角∠IJAの大きさをaとするとき、△ICGの内角∠GICの大きさをaを用いて表しなさい。





解く前の準備
図1の2
平行線の同位角は等しいので∠a=∠JDH、∠GIC=∠HDIで解くのが一般的かもしれません。

私は、△JIDで解けそうだと思いました。




解いていく

∠DJI=180度−a

∠JID=三角形の内角180度−∠DJI−∠JDI
=180−(180−a)−90
=a−90

対頂角だから∠JID=∠GIC
よって、∠GIC=a−90

[2]図2は、Iが辺DCの中点であるときの状態を示している。
図2図2において、線分AJの長さを求めなさい。











解く前の準備
図2の2
IがDCの中点だから、DI=IC=5cmを入れて考えます。

「AJの長さを求めなさい」とありますが、こちらが求められるはずがありません。
数学で考えるときの基本図形は三角形。JDを求めたらAJがわかると考えて、JD=xとします。

問題文で与えられた条件のうち10cmはDI=IC=5cmで使いました。まだ使っていない条件はないか、考えます。さらに、図形の問題で利用できるのは、ほぼ「相似」か「三平方の定理」だということを念頭において、Iを通りGHと平行な線分IKを書き入れます。(21年度の前期試験・理数科数学の問題でほぼ同様の問題が出題されていたことがヒントになりました。)

当然、IK=3cm。そうするとDK=4cmだということに気づきます。これで、相似が使えそうです。


解いていく

△JID∽△IDKより、x:3=5:4
4x=15
x=15/4

よって、AJ=18−15/4=72/4−15/4=57/4


(2)図3において、Fは辺AD上にある。 KはFを通り辺ABに平行な直図3線とGを通り辺ADに平行な直線との交点である。このとき、FK⊥KGである。Lは、線分KGと辺DCとの交点である。

[1]△EFD∽△KFGであることを証明しなさい。




解く前の準備

図3の2
△EFD∽△KFGを証明するときに使う相似条件は「2組の角がそれぞれ等しい」になりそうです。
1つ目は∠E=∠K=90度、2つ目は平行線の錯角を利用しようと決めます。




解いていく

△EFDと△KFGにおいて

長方形の角だから∠DEF=90度
仮定FK⊥KGより∠GKF=90度
よって、∠DEF=∠GKF

EH//FGより、平行線の錯角は等しいので∠EDF=∠DFG
FD//KGより、同様に∠DFG=∠KGF
よって、∠EDF=∠KGF

以上より、2組の角がそれぞれ等しいので△EFD∽△KFG


[2]長方形FKLDの面積を求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。

図3









解く前の準備

図3の3四角形FKLDの面積を求める問題です。
縦×横、FK×FDを使うしかなさそうです。一応、FK=xとおいてみます。

[1]から続いた問題なので、△EFD∽△KFGを使うはず、と考えます。

教科書や問題集でよく見かけるようなありふれた問題ではありません。悩んだすえ、問題文中にある数字で使えそうなものはないかと見直して、FG=18を書き入れてみました。

これでやっと、△EFD∽△KFGが使える形になりました。

解いていく

「求め方も書くこと」とあるので、論理の飛躍がないように(〜だから・・・を忘れないように)、解く過程を書いていきます。

長方形FKLDの縦FKをxとする。
△EFD∽△KFGより、相似な図形の対応する辺の比は等しいから、EF:KF=FD:FG
よって、3:x=FD:18
FD×x=3×18
FD=54/x

長方形FKLDの面積はFK×FDで求められるから、x×54/x=54

(前に同じような問題を解いた記憶があるので解けましたが、現役の中3生には難しかったと思います。私が受験生だとしたら、うまく解けたかどうか自信がありません。)


大阪府公立高校入試:平面図形の問題の特徴

・問題文が長過ぎる
問題文中の長さや角度は丁寧に図に書き込んでおかないといけません。
しかし、図を見たら確認できる部分は気楽に読み進んで大丈夫です。

・身のまわりにある物を題材にして問題が作ってある
昔からの大阪府の伝統で、この問題では箱でした。
問題を解くときには「箱」であることに何の意味もありませんから、無視してさっさと本来の問題の部分にとりかかるほうが賢明です。

・見ただけでぱっと解き方がわかる問題はほとんど出題されない
どうやってその問題を解くかの方針をしっかりと立てて、そのために必要な事柄を書き込むなどの準備をしないと解けない問題がほとんどです。

・角度の問題は要注意
難しくはありませんが、慎重に解かないとポカをするように作られています。

・証明問題は得点源
特に相似の証明は簡単です。簡単な分、あっさり書き過ぎると高得点を望めないので、理由にあたる部分を丁寧に記述するべきです。

・「求め方も書くこと」の問題は、途中式を書くだけでは不十分
式ではなくて言葉で、間をつないでいかないといけません。ただし、びびることはありません。「論理の飛躍」がなければ絶対に減点されません。「〜だから・・・」の文法さえ守っておけば、減点されることはありません。
逆に、答えがまちがっていても途中の考え方が正しければ部分点をもらえます(答えが間違いでも配点10点中8点などという例があるそうです)。