図形の移動の問題は、一見複雑ですが、実は簡単に解くことができます。


回転の角度を見つけて解く問題

例題1:左の図で、四角形ABCDは1辺が9cmの正方形、三角形PQRは正三角移動1形です。三角形PQRを、点Dを中心にして、辺PRが辺CD上にくるまで回転させます。このとき、頂点Pがえがく線の長さは何cmですか。












コツの1:図形が移動したあと、どこにあるかを先にかいてみます。
移動1の2







コツの2:「点Dを中心に」の言葉を見落とさないで、点Dが中心で、半径PD(PR)の円弧をえがけばよいことに気づきます。
移動1の3
正方形の1つの角度は90度、正三角形の1つの角度は60度であることから、頂点Pのえがく線の長さは、半径9cm、中心角210度のおうぎ形の弧の長さであることがわかります。

18×3.14×210/360
=18×3.14×7/12
=32.97cm




移動1の4左の図のような、「半径9cm、中心角が210度のおうぎ形の弧の長さを求めなさい」という問題であれば簡単です。

図形の移動の問題は、(1)移動した後の図形を先にかきこんで考える、(2)中心と半径を見つけ、おうぎ形の問題として考える、の2つのコツで、簡単な問題であることに気づくことができます。





図形が通った後の面積を求める問題

例題2:半径が6cmの半円があります。左の図のように、点Aを中心とし移動2て60度回転させました。かげをつけた部分の面積を求めなさい。










「かげをつけた部分の面積」を求める問題は、「全体から不要な部分をひく」という方法で解くのが原則です。
この問題も、この原則にそって考えます。
その際、すぐに計算にとりかからないで、簡単に求める方法がないかどうかを検討してから解きはじめます。

この問題では、全体は半径6cmの半円と半径12cmで中心角60度のおうぎ形の面積の和、不要な部分は半径6cmの半円です。
移動2の2
半径6cmの半円はなくなるので、結局、かげをつけた部分の面積は、中心角60度、半径12cmのおうぎ形の面積と等しいことに気づけば、計算も簡単です。

12×12×3.14×60/360
=12×12×3.14×1/6
=2×12×3.14
=75.36

3.14のからんだ計算は、あわてて筆算をしないで、できるだけ式を簡単にしておき、筆算を最後にすることも忘れないように。


次の問題も、同じ種類の問題です。

例題3:三角形ABCがあり、辺ABの長さは6cm、辺ACの長さは9cmです。こ移動3の三角形を、点Aを中心として60度回転させたものが三角形ADEです。かげをつけた部分の面積を求めなさい。













やはり原則どおり、「全体から不要な部分の面積をひく」方針で考えていきます。

全体は、半径9cm、中心角60度のおうぎ形に三角形ABCを加えたものです。
ひかないといけない不要な部分は、三角形ADEと、半径6cmで中心角60度のおうぎ形です。
移動3の2
三角形ABC−三角形ADEで、三角形の部分はなくなりますから、結局、半径9cm、中心角60度のおうぎ形から、半径6cm、中心角60度のおうぎ形をひくだけでよいことがわかります。


9×9×3.14×60/360−6×6×3.14×60/360
=9×9×3.14×1/6−6×6×3.14×1/6
=(9×9−6×6)×3.14×1/6
=45×3.14×1/6
=15×3.14×1/2
=23.55

3.14が出てくる計算なので、式を簡単にして、筆算は最後にすること。


円が別の図形の周囲を移動する問題

例題4:たての長さが10cm、横の長さが15cmの長方形ABCDがありま移動4す。この長方形の外側を、周にそって半径2cmの円Pが1周し、長方形の内側を、周にそって半径2cmの円Qが1周します。
(1)円の中心Pと円の中心Qがえがく線の長さを求めなさい。
(2)中心Pの円が通ったあとにできる図形の面積を求めなさい。




長方形の外側と内側とでは円の動き方が違います。

まず、内側から。
移動4内側図の赤線で示した、たて10−2×2=6cm、横15−2×2=11cmの長方形になります。
よって、中心Qのえがく線の長さは(6+11)×2=34cm






外側を動く円の動き方には注意が必要です。
移動4外側の1
辺上を動くときは、たてと横の動きですから中心の動いたあとは直線になりますが、頂点にそって移動するときは円の弧をえがく動きになります。






外側を移動する円の中心が動いたあとを見つけるコツは、接点を通る円の半径と辺とが90度のところが直線の動きをするところなので、その境界線をあらかじめかいておくことです。

移動4外側の2
頂点で曲がる部分は円周の一部になります。さらに、円周の一部にあたる4つの部分は、合わせると1つの円になります。

よって、中心Pのえがく線の長さは、
10×2+15×2+4×3.14
=20+30+12.56
=62.56cm




(2)中心Pの円が通ったあとにできる図形の面積

移動4外側の3中心がえがいた線の問題と考え方、やり方は一緒です。

たて10cm、横4cmの長方形が2つ、たて4cm、横15cmの長方形が2つ、そして、半径4cmの円の面積、以上の和です。

10×4×2+15×4×2+4×4×3.14
=80+120+50.24
=250.24