Aの3倍とBの4倍が等しいとき、AとBの比は3:4ではなくて、逆の、Aが4でBが3、4:3です(A×3=B×4のとき、4×3=3×4のはずだから)。
逆の比になるので、「逆比」といいます。

速さの問題で、この逆比の考え方を使うとあっさり解ける問題がよく出題されます。

Aの「速さ」が時速4km、Bの「速さ」が時速5kmだとします。速さの比は4:5です。
2時間に進む距離は4×2=8kmと5×2=10kmなので、距離の比は8:10=4:5。速さの比と同じになります。
ところが、20kmを進むのにかかる時間は、Aだと20÷4=5時間、Bは20÷5=4時間。A:B=5:4で、速さの比と逆になります。

速い人のほうがかかる時間は少ないはずなので、当然といえば当然ですが、「速さ時間の比は逆になる」と覚えておくと便利です。


例題1:A君は午後1時にP市を出発し午後4時にQ市に着きました。B君は午後1時50分にQ市を出発し、A君と同じ道を逆に歩き、午後6時50分にP市に着きました。2人は午後何時何分何秒にすれちがいましたか。

PQ間の距離がわからないので、2人の速さを求めることができません。同じ距離を進んだときの時間はわかるので、比を求めてみます。

A君は、午後1時から4時までの3時間。
B君は、午後1時50分から午後6時50分までの5時間。
同じ距離を歩くのにかかる時間の比は3:5です。

逆比1B君が出発した1時50分からA君がQ市に到着するまでの間に2人は出会ったはずなので、左のような図をかいて考えます。
同じ距離を進むのにかかる時間がA:B=3:5なので、速さの比は逆比の5:3、したがって、同じ時間にすすむ距離の比も5:3です。A君は1時50分から4時まで歩く距離のうち5:3の5の距離、すなわち5/8を進んだときにB君と出会うはずです。

そうすると、A君がB君と出会う時間は、1時50分から4時までの130分のうちの5/8を行ったときです。

130÷8×5=650/8=325/4=81と1/4分
1/4分は60×1/4=15秒だから、
1時50分より81分15秒あと、つまり3時11分15秒に2人は出会います。


例題2:3人で湖を1周します。BはAより4分遅れて出発し、5分後にAを追い越します。CはBより8分遅れて出発し、6分後にAを追い越しました。CがBを追い越すのはCが出発してから何分後ですか。

BがAより4分遅れて出発し5分後にAを追い越すということは、Aが9分で進む距離をBは5分で進むということです。AとBの時間の比が9:5で、AとBの速さの比は逆比の5:9です。

CはBより8分後、つまりAよりも4+8=12分あとに出発し、6分後にAを追い越したので、同じ距離を進む時間の比はA:C=(12+6):6=18:6=3:1。速さは逆比で、A:C=1:3。

速さの比が、A:B=5:9、A:C=1:3なので(連比です)、Aの両方の比を5にそろえると、A:B=5:9、A:C=5:15。
よってB:C=9:15=3:5

BとCの比がわかったので、Bが1分に進む距離を、Cが1分に進む距離をと仮定します。
BはCより8分前に出発していたので、先行している距離は×8=24
これをCが1分にずつ距離を縮めていくので、
24÷2=12分後にCはBに追いつきます。



話は横道にそれますが、仕事算は、逆数を使うことで、実は逆比で(比を意識はしませんが)問題を解く例です。

例題3:AとBが池の周りを歩いて1周するのに、Aは16分、Bは24分かかります。いま、AとBが同じ位置から同時に反対方向に進むとき、何分ごとに2人は出会いますか。また、同じ方向に進むとき、何分ごとにAはBを追い越しますか。

池1周を割合の1としたとき、Aは1分に1/16、Bは1分に1/24の割合を進むことになります(16:24に対して1/16:1/24が逆比です)。反対方向に進んで出会うときは2人で1周分を進めばよいので1÷(1/16+1/24)=1÷5/48=48/5=9と3/5分

同じ方向へ進むときは、1周分、速いほうが多く進めばよいので1÷(1/16−1/24)=1÷1/48=48分

公倍数を利用すると、逆比だということがさらによくわかります。

1周を16と24の公倍数48の距離と仮定すると、Aが1分に進む距離は48÷16=3、Bが1分に進む距離は48÷24=2(16分:24分の逆比、3:2になりました)。
同じ方向に進むとき、出会うまでにかかる時間は48÷(3+2)=48/5分
逆の方向に進むとき1周分多く進むのは48÷(3−2)=48分