3種類ある場合の数の問題、(1)ならべ方(順列)、(2)選び方(組合せ)、(3)順列でも組合せでもない場合の数、のうち、この稿で取り扱うのは2番目の選び方(組合せ)です。

選び方(組合せ)とは、A、B、Cの3人から2人を選ぶときのように、AとB、BとAは同じものなので、別々に数えてはいけないもののことです。


例題1:A、B、C、D、Eの5人から3人の委員を選ぶとき、選び方は何通りあるか。

(考え方と式)
5人から3人を選ぶ問題です(5人から2人を選ぶのと同じ答えになるのですが、ここではそのことにはふれません)。

5つから3つを取り出して「ならべる」問題だと、『ならべ方を求める式』で学んだように、枠が3つで、5と5−1と5−2のかけ算になり、5×4×3=60通りです。
この場合、例えばAとBとCをならべたABC、ACB、BAC、BCA、CAB、CBAはすべて別々として数え上げています。

ところが「選び方」だと、ABC、ACB、BAC、BCA、CAB、CBAを別に数えるわけにいきません。AとBとCの3人を選んだ場合として、選び方としてはただの1個です。

だから、5×4×3=60で求めた60のならべ方の中には、ダブっていて、数えてはいけないものが含まれているので、60のならべ方のうちからその分を除いておかないといけません。
では、ダブって数えたのはどれだけか?

選んだ3人の「ならべ方」の個数です。
AとBとCを選んだとしたら、そのならべ方、3個から3個取り出してならべた順列の数だけ、ダブって数えていることになります。
3個から3個選んでならべる個数なので、枠が3個で、3と3−1と3−2のかけ算、3×2×1=6で、全体のならべ方5×4×3=60をわらないといけません。

以上より、5人から3人を選ぶ「選び方(組合せ)」を求める式は、(5×4×3)÷(3×2×1)であり、答えは10通りだということになります。

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この問題を解き方を参考にして、n個からr個を選ぶときの選び方を求める式をつくってみましょう。

5個から3個「選ぶ」とき、(5つのならべ方)÷(3つのならべ方)でした。
つまり、(枠が3つで、5×4×3)÷(枠が3つで3×2×1)です。

一般化して、n個からr個選ぶとき、選び方の個数を求める式は、
(枠がr個で、n×(n−1)×・・・×(n−r+1))÷(枠がr個で、r×(r−1)×・・・×1)
ということになります。
選び方
















簡単にいうと、n個からr個を選ぶ場合の数を求めるときは、分数の分子にr個の枠をかいて、n、n−1、n−2、・・・と数を書き込む、分数の分母に同じr個の枠をかき、r、r−1、r−2、・・・、2、1と書き込む、約分をすませて答えを求めたらよい、ということです。


では、式を使う練習を。

例題2:1週間のうち、2日掃除をすることにしたい。曜日の選び方は何通りあるか。

(考え方と式)
1週間7日から2日を選ぶ場合の数を求める問題です。

分数の分子に2つ枠をかいてその中に入れる数字は7×6、分母にも2つ枠をかいてそれに入れる数字は2×1。

7×6/2×1
=7×3・・・(約分を先に)
=21通り