授業中、多くの人がどう解いたらよいか迷って、手が止まってしまう問題があります。
塾生が悩んでいた問題を pick up.

やや難しい円の問題を解くコツをまとめてみました。


例題1:次の図で、∠xの大きさを求めなさい。
例題1
このままでは、多分解けません。

円の問題を解くとき、むやみに補助線を入れるべきではありません。しかし、補助線を入れて考えないと解けない問題が何種類かあります。

この問題もその一つです。
線を1本かき込んだら、解けます。


(気づこう)
・直径の円周角は90度。

(かき込み)
例題1の2円の中心を表す点Oに注目、「あ、直径だ」と気づくこと。
直径の円周角、90度をかき込みます。

補助線を1本かき入れることで、90度と、xと等しい同一弧の円周角が見つかります。

180−90−25=65度です。




例題2:次の図で、∠xの大きさを求めなさい。
例題2
例題1をさらにちょっと難しくした問題。

要領は例題1と同じ、直径だと見つけて、補助線を1本かき入れて、90度を使う、です。









(気づこう)
・直径の円周角は90度。

(かき込み)
例題2の2線分BEをかき込む。

∠BED=90度を入れる。

∠BEC=90−32=58度

ともに弧BCの円周角だから、
∠BAC=∠BECより、
x=58度




教訓1:直径を見つけて、90度をかき込む





例題3:次の図で、∠xの大きさを求めなさい。
例題3

この問題も、このままでは多分無理。

ある種類の問題の典型問題です。
やはり、かき込む補助線が1本。
それさえわかったら、解けます。






(気づこう)
悩んだら中心角をかき込んで、そこで考える。

(かき込み)
例題3の2補助線EOをかき込みます。

弧AEの中心角∠AOE=円周角∠ABE×2=60度

弧EDの中心角∠EOD=円周角∠ECD×2=2x

60+2x=360−250
2x=50
x=25度





例題4:次の図で、∠xの大きさを求めなさい。
例題4

例題3をもう少し難しくした問題。

∠BOC=60度はすぐわかります。
そのあと、どうするか、です。








(気づこう)
悩んだら中心角をかき込んで、そこで考える。

(かき込み)
例題4の2弧BCの中心角∠BOC=円周角∠BAC×2=60度

弧AEの円周角∠ACE=32度を活用したいので、補助線AOをひく。

そうすると、弧AEの中心角∠AOE=円周角∠ACE×2=64度とわかる。

そして、弧ABの中心角∠AOB=円周角∠ADB×2より、∠AOB=2x

64+2x+60=180度
2x=56
x=28度


教訓2:悩んだら、中心角をかき込む



例題5:次の図で、∠xの大きさを求めなさい。
例題5
一部の直線が円からはみ出した問題です。

この種類の問題は、円周角の定理を使ってわかる角度を記入したあと、三角形の角度の問題で一番よく使う、ある技を使うと解けます。





(気づこう)
三角形の角





(かき込み)
例題5の2
まず同一弧BDの円周角だから∠BAD=∠BED=25度を記入。

△ACDで、∠CAD+∠ACD=∠ADEより、
∠ADE=25+x

次に、(25+x)+25=100

この方程式を解いて、x=50度



教訓3:円から直線が外にはみ出している問題は、
三角形の角
を使って、方程式をたてる







例題6:
次の図で、∠xの大きさを求めなさい。A〜Hは、円周を8等分する点である。
例題6「円周を8等分」を使って解きます。

例題3、4で取り上げた、「悩んだときは中心角をかき込む」も活用すると、わかりやすくなります。

以上2つの観点から、補助線をかき込んで解いていきます。






(気づこう)
弧の、円周に対する割合がわかれば中心角を求められる。

(かき込み)
例題6の2円周角∠BHCと∠HBEを求めたいので、補助線BHをひく。

弧BCの円周角∠BHCを求めるために、中心角∠BOCを知りたいのでBO、COをひく。

同様に弧EHの円周角∠HBEを求めるために、中心角∠HOEを知りたいのでHO、EOをひく。

弧BCが円周の1/8なので、中心角∠BOC=360×1/8=45度
よって、円周角∠BHC=45÷2=22.5度

弧EHは円周の3/8なので、中心角HOE=360×3/8=135度
よって、円周角∠HBE=135÷2=67.5度

最後に、∠x=∠BHC+∠HBE=22.5+67.5=90度



教訓4:
円周に対する弧の割合がわかる問題は、まず中心角を求める


例題7:次の図で、Mは円の接線でBは接点である。また、L//Mである。∠xの大きさを求めなさい。
例題7
数学の問題を解くときの鉄則として、与えられらた条件をどこかで使わないと問題は解けません。

「接線」、「接点」の性質をどこで使うか、「平行」で何を見つけるか、の観点から問題を考えていかないと解けません。





(気づこう)
接線と指定してあれば、接線と接点を通る半径は垂直になることを使うはず。
平行と書いてあれば、錯角か同位角が等しいことを使うはず。

(かき込み)
例題6の2まず、弧ABの中心角∠AOB=106度から、円周角∠ACB=53度を記入する。

Mが接線だから、∠OBM=90度に気づいてかき込んでおく。

直線L//直線Mより、等しい錯角を見つけて印をつけておく。

これで、問題の条件をすべて使う条件が整ったので、解き始めます。

弧ABの中心角∠AOB=106度より、円周角∠ACB=53度。

そうすると、錯角の上のほうの角が53+14=67度とわかります。

平行線の錯角は等しいから、∠CBMも67度。

また、OB⊥Mより、∠OBM=90度。

以上より、x=90−67=23度。



教訓5:問題に条件が与えられているときは、逆にその条件を利用してわかることをかき込む


例題8:次の図でOA=OB=OPのとき、∠xの大きさを求めなさい。
例題8
円の問題には見えませんが、実は円の問題であることに気づけば簡単です。

なぜ、円の問題なのでしょうか?





(気づこう)
円の半径の長さはすべて等しい。

(かき込み)
例題8の2OA=OB=OPということは、点Oを中心とした円の周上に3点A、B、Pがある、OA、OB、OCをその円の半径とみなしてよい、ということです。

3点A、B、Pを通る円をかき加えます。

弧ABの中心角∠AOB=360−190=170度。

よって、弧ABの円周角∠APB=170÷2=85度
x=85度


教訓6:点Oを一端とする3つの線分の長さが等しいとき、その3つの線分を半径とする円をかいて考える