我が師の言葉に「教師は広い知識を持つ必要はない、ただし、正確な知識を持たない教師は失格だ」というのがある。

人体の細胞の数は何個?
『人の体』の単元の説明をするとき、「人間の体は何億という細胞からできています」という導入から始めてきた。
心中で、「何億で済むほど少なくはないはず」と反省し、次から「何百億という細胞から成り立っています」などと言い直しはしたものの、全くの当て推量である。
いつか調べなくてはと思いつつ、もう何年も過ごしてきた。
あなたは正しい数字をご存じだろうか?

人体を構成する細胞は60兆個
今朝(平成21年5月10日(日))の日本経済新聞朝刊に、永田和宏京大教授の『体のなかの数字』なる随筆が載っていた。
永田先生によると、人間の体は60兆個の細胞からできているとのこと。
何億、何百億のレベルを遙かに超えている。私は大嘘を教えてきたことになる。

正確な知識を持たない教師(私は講師だが)は、失格なのである。

教科書もまちがえる?
まず、教科書もあてにならないことがままある。
例えば人の体の単元だけでも、以前の教科書では胆液だったものが今は胆汁に、前は小腸で分泌されるのは腸液となっていたのに今は腸液の用語は使わない・・・など。
水分の吸収は大腸でと教えてきたが最新の教科書では小腸で吸収となっている(最初、テキストのミスだ、大腸になおしといてと言って大恥をかいた)。
人の体のことなんて、『解体新書』の時代でもあるまいし全部わかってるんと違うの?とぼやきたくもなる。

また、専門家でも「知識の再確認を迫られる」ことがあるらしい。
今朝の永田先生も「調べなおし」をしたそうで、そう聞くとちょっと救われたような気にはなりますね。

要は、素人同然の私たちは、「改むるにはばかる事なかれ」ってところに落ち着くのかもしれない。

人体はすごい
ここからは余談だが、記事中の参考になった部分を転記しておく。
1個の細胞に含まれているDNAの長さは180センチで、1人の人間が持っているDNAをつなぐと1000億キロ、地球と太陽を200往復以上できるのだそうだ。
小腸の絨毛を伸ばすと表面積はテニスコート1面分(これだけは私も知っていて正確に教えていた)。
血管の総延長は地球の周囲2周り半に相当する。
1日に2%の細胞が入れ替わっており、約1年で体の全細胞が別物になっている。