大阪府公立高校入試、22年度前期理数科の問題を取り上げます。
大問1で7問か8問の小問、大問2が平面図形、大問3が空間図形というのが最近の傾向です。
この稿で取り上げるのは平面図形です。

今日のテーマは「解く前の書き込みで、解けるかどうかが決まる」です。



2:
図1、図2において、四角形ABCDはAB=26cm、AD=20cmの長方形であり、四角形EFGHは1辺の長さが13cmの正方形である。E、Fはそれぞれ辺AD、AB上にあって、G、Hは長方形ABCDの内部にある。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。
(1)図1において、IはGから辺ABににひいた垂線と辺ABとの交点でありJはGか22年2ら辺BCにひいた垂線と辺BCとの交点である。
[1]△EAF≡△FIGであることを証明しなさい。
[2]AF=4cmであるときの線分GJの長さを求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。















22年2の2

[1]△EAF≡△FIGであることを証明しなさい。

(解法)
解く前に必要な事項をどれだけ上手に書き込むかで解けるかどうかが決まります。

大阪府公立高校の入試問題の特徴として、
(1)問題文で与えられた数値を図の必要なところに複数書き込んでおく
(2)直角三角形があるとき、直角以外の角に丸や×の印をつけておくと解き方が見えてくる
の、2つを知っておくと得点力が違ってきます。


(証明)
△EAFと△FIGにおいて、
四角形EFGHが正方形だからEF=FG・・・(1)
長方形の角だから∠EAF=90度
仮定より∠FIG=90度
よって、∠EAF=∠FIG・・・(2)
次に、∠IFG=180度−∠AFE−∠EFG
=180度−∠AFE−90度
=90度−∠AFE
また、∠AEF=180度−∠EAF−∠AFE
=180度−90度−∠AFE
=90度−∠AFE
よって∠IFG=∠AEF・・・(3)
(1)(2)(3)より、直角三角形で斜辺と1つの鋭角が等しいから
△EAF≡△FIG

直角三角形で、丸をつけた角と×をつけた角の和が90度になることをしばしば使います。
証明が書きやすいようにあらかじめ印をつけておくと簡単に気づくことができます。


[2]AF=4cmであるときの線分GJの長さを求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。
22年2の2
(解法)
あらかじめ知っておいたほうがよい予備知識として、大阪府公立高校入試数学の大問では、(1)[1][2]、(2)[1][2]という問題構成のとき、(1)と(2)の問題の間にはほとんど連続性や関連性はありません。
逆に(1)[1][2]の[1]と[2]はつながった問題です。
よく授業中冗談で言うのですが、[1]と[2]は連続もののテレビドラマですから、[1]を見ておかないと[2]を理解できません。

この問題もまさにそうで、[1]の合同の証明を使って、[2]を解いていきます。
具体的には、AF=4cmと問題文に書いてあるのでAFに4を書き込んだ後、[1]で合同を証明したことからIGにも4と書き込んでおきます。
それさえ準備しておいたら、三平方の定理を使ってFIの長さを求められることに気づきますから、解き方が見えてきます。

(求め方)
△EAF≡△FIGより、IG=AF=4
△FIGで∠FIG=90度、IG=4、FG=13より、三平方の定理を使って
22年2(1)











AF=4、FI=3√17より、
IB=26−4−3√17
=22−3√17

∠GIB=∠GBJ=∠GIB=90度だから長方形IBJGは長方形である
よって、IB=GJ

したがって、GJ=22−3√17


(2)図2は、AF=12cmであるときの状態を示している。
22年2(2)図2において、Kは辺EF上にあってE、Fと異なる点である。Lは辺GH上にあってG、Hと異なる点である。KとLとを結ぶ。Mは、Lから辺BCにひいた垂線と辺BCとの交点である。KL//BCであって、四角形FGLKの面積が65平方cmであるとき、線分LMの長さを求めなさい。


(解法)
AF=12を書き込むだけでなく、直角三角形で5:12:13ができているのでAE=5も書き入れておきます。
EF=FG=EH=13も使う可能性があるので記入、その図をながめて、どうやって解こうかと考察します。

FG=13の書き込みから、Gを通りBCに平行な線を書き込めばそこにも5:12:13ができること、Fを通り、BCに平行な線を書き、HGとの交点をNとして、その線で四角形FGLKの面積をわけて考えたら解けるのではないかということ等を思いつきます。

最後に、求めるLM=xとおいて、やっと解き始めることができます。

(解答)
△FGNは∠FGN=90度、∠FNG=∠EFN=∠AEFより△AFEと相似。

よって、FN:EF=FG:AFだから
FN:13=13:12
FN=169/12

四角形FGLK=△FGN+四角形KFNL
=(169/12)×5×(1/2)+(169/12)×(x−5−9)

この面積が65であるから方程式にして、
(169/12)×5×(1/2)+(169/12)×(x−14)=65

22年2(2)の2すぐに筆算をしないで、計算が楽になるように工夫しながら解いていかないと、時間ばかりかかり、計算ミスも増えてしまいます。















LM=419/26です。


(最後に)
平面図形の最後の問題は、毎年一番難儀な問題です。
あることに気づき、解くための補助線を書き込まないと、まず解けません。
解き方を思いつかなかったら後回しにして、さっさと次の空間図形の問題にとりかかるべきです。

もう1つ、理数科の問題では出題される計算問題は毎年たった1問です。そのかわりに、後の関数や図形の問題で計算力を試されます。
計算力とは、暗算力や筆算力ではありません。
すぐに筆算をするのが最も愚策、工夫して式を簡単にし、速く正確に解いていかないと得点が伸びません。