21年度大阪府公立高校の前期入試理数科、3番の平面図形の問題です。

この稿のテーマは、「図形の問題は相似か三平方の定理にしぼって解く」です。


3、図1、図2において、四角形ABCDはAB=6cm、BC=2cmの長方形である。Eは、辺ABの中点である。Fは、辺DC上にあってDと異なる点であり、DF<AEである。四角形PQFR≡四角形AEFDである。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。


(1)図1において、Qは直線DC上にあってFについてCと反対側にあり、Pは直線DCについてAと反対側にある。Sは、Pから直線BCにひいた垂線と直線BCとの交点である。線分EFの長さをxcmとし、そのときの線分CSの長さをycmとする。
3(1)

[1]次の文中(ア)、(イ)に入れるのに適している数をそれぞれ書きなさい。

xの変域は(ア)<x<(イ)である。

[2]yをxの式で表しなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。









(解いてみる)
問題文を読んで、解く前に書き込みをしておいたのが下の図です。問題文に書いてあることだけでなく、書いてあることからわかることも書き込みをしておきます。
3(1)の1

[1]
DF<AEという条件にあてはまるようにxを考えます。

xが一番小さくなるのは、点Fが点Eのほぼ右にきたときです。それより下だとDF<AEの条件に反します。
このとき、xは2に近づきます。

xが一番大きくなるのは、点Fが点Dに重なる直前です。
このときのxは線分DEの長さから求められます。
△AEDが直角三角形なので、三平方の定理よりDE=√13。

以上より、2<x<√13。

(ア)は2、(イ)が√13です。

[2]
3(1)の2
もともとのxとyはずいぶん離れた場所にあって両者の関連性を見い出さないので、すぐに
式をつくることはできません。x、yと等しい場所を他に見つける必要があります。

問題文に「四角形PQFR≡四角形AEFD」とあるので、QF=xを書き込んでおきます。

図形の問題を解くのに使える道具は『相似』と『三平方』です。
使える道具が限られているので、
私なら、「相似か三平方を使うにはどうしたらよいか」の観点から考えます。
さらに、相似にしろ三平方の定理にしろ、使える図形は三角形しかありません。

この問題でも、おそらくQF=xを使うであろう、だからQFを含む三角形で考えてみよう、このような発想で解いていきます。

そう考えて、Fを通りRPに平行な線分を書き込み、長さの2を書き入れます。
そうすると、Pを通り下のCSに平行な直線をかいてもう一つ三角形を作図し、yと記入したら解けるのではないかと思いつくことができます。

2つの三角形は、∠FQPが共通で、ともに90度の角をもつので、2組の角がそれぞれ等しい相似です。

ここまできたらもう解けたも同然、相似な図形の対応する辺の比は等しいので、QF:QP=2:y
x:3=2:y
xy=6
y=6/x


(別の解き方)
3(1)の3
府教育委員会の模範解答は違う解き方をしています。

私と同じ書き込みに加えて、さらにFとPを結ぶ線を書き込んで、△QFPの面積を2通りの方法で表して等式(方程式)を立てています。
底辺をQFと見ると、面積はx×y×1/2、底辺をQPと見ると面積は3×2×1/2、
xy=6
y=x/6
と解いています。

解答を見ると、「ああ、そうか」と思えますし、よく出る「面積を2通りに表して方程式を立てる」という解法ではありますが、私が受験生だったとして、FPを結ぶ線を思いつくかどうか、自信がありません。


(解いた後の感想)
[1]
DF<AEという条件から、xの変域を導く問題です。三平方の定理を使いますが、数学というより国語やクイズに近い感じがします。

[2]私は運良く相似な三角形の組をすぐに見つけ出せたので難しい印象を持ちませんでしたが、同じ私が別の機会に解くことがあるとして、同じ解法を思いつけるかどうか、自信がありません。
やさしいのか、難しいのか、よくわからない問題です。


(2)図2は、図1中の四角形PQFRをFを中心とし回転させた状態を示している。
3(2)図 2において、Qは直線EFについてCと反対側にある。EとQとを結んでできる△FQEの内角∠QEFの大きさをaとし、0<a<90とする。CとRを結ん でできる△FCRの内角∠RFCの大きさをaを用いて表しなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。










(解いてみる)
しばらく考えてみましたが、解き方を思いつきませんでした。私が受験生なら、いったんあきらめてさっさと次の問題に向かいます(後で、あらためて戻ってくると、別の観点から問題を眺めることができてあっさり解けることがあります)。

3(2)の2
四角形PQFR≡四角形AEFDなので、FQ=FEを使いそうだということはわかります。
△FQEが二等辺三角形なので、∠FEQも∠FQEもaです。

四角形PQFR≡四角形AEFDなので、∠DFEと∠RFQも等しい。
だから、∠QFE=∠DFE−∠QFD
∠DFR=∠RFQ−∠QFDより
∠QFE=∠DFR(図の太い赤線の角どうし)

これを使うことを思いつきませんでした。

∠QFE=180度−2aなので∠DFR=180度−2a

∠DFC=180度だから、∠RFC=180−(180−2a)
よって∠RFC=2a

(解いた後の感想)
私が受験生なら、この問題は運が悪いと時間内に解けなかったかもしれません。移動した図形の、等しくなる辺や角度を利用する問題は、どこに目をつけて解いたらよいのかを見つけにくいことが多く、気づくと簡単、気がつかないと時間切れになってしまいます。