顕微鏡をのぞいたとき、端に見えた観察物を視野の中央に動かすにはプレパラートをどの向きに動かせばよいかという問題は、中学1年生1学期の理科の定期テストで必ず出題される問題です。

試料を中心に右上に見えるミジンコを視野の中央に持ってきたいとき、プレパラートをア〜エのどの向きに動かせばよいか?

「それは、イに決まっている。」と答える人は不勉強。

正解はエです。

「顕微鏡は上下左右が逆さに見えているから、反対に動かさないといけない。外に出ていくように動かすと、逆に中央に寄ってきます。」と説明するのですが、勉強に大事な『なぜか?』まではなかなか説明できません。

そこで今日は、なぜ顕微鏡で観察すると上下左右が逆に見えるのか?の説明です。
逆向きに見える理由は、顕微鏡がどういう仕組みで物を見ているのかを知らないと理解できません。

顕微鏡の仕組み顕微鏡は2枚の凸レンズ(対物レンズと接眼レンズ)を組み合わせたものです。

凸レンズの性質から、対物レンズの焦点より外側に観察したいものを置くと、対物レンズの反対側に、まず、上下左右が逆になった実像ができます。

この対物レンズによる実像が接眼レンズの焦点よりは内側、つまり接眼レンズよりにあると、今度は接眼レンズから見たとき同じ側に接眼レンズによる虚像ができます。

この原理から、接眼レンズをのぞく目は、拡大した虚像を見ることができるわけです。

目が見ているのは、上下左右が逆になった実像を拡大した虚像だから、顕微鏡は上下左右が反対に見えているということになります。


顕微鏡の倍率が、対物レンズの倍率×接眼レンズの倍率で求められるのも、理由は同じです。
対物レンズによってa倍に拡大した実像を、さらにb倍に接眼レンズで拡大しているからです。

また、余談ですが、目は、対物レンズでできた実像を拡大した虚像を見ることになるので、観察したいものがきれいに見えるかどうかは、対物レンズの性能に依存します。
高価な顕微鏡は、対物レンズに上等な凸レンズを使っている顕微鏡です。




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