下の図の矢印の長さはいくらでしょうか?
近似値





ほぼ目盛りの13あたりに先がきているので、ほとんどの人が13と答えるはずです。この13という数値のように、測定器具で読み取った量を測定値といいます。

しかし、ちょうとぴったりの13かと尋ねられたら、だいたい13、おそらく13、13に近い数としか言えません。

では、本当の長さはいくらなのでしょう?

それは、神様にしかわかりません。

人間が測定器具でわかるのは本当の値に近い値だけです。いくら目盛りを小さくしても、最後にはその目盛りに近いとしかいえないからです。

神様だけがわかる本当の量のことを真の値といいます。

それに対して、人間が測定器具で測り取った数値を近似値といいます。

上の図で、真の値が12.8ジャストだったとします。読み取った測定値は13でした。
0.2だけ、まちがっていたことになります。この0.2のことを誤差といいます。

誤差とは、真の値と近似値との間にある違い、つまり、誤差=近似値−真の値です。

真の値・・・神様だけが知っている本当の量
近似値・・・人間が測定器具で読み取った真の値に近い数値
誤差・・・近似値−真の値


例題1:ある数aを小数第1位で四捨五入したら28になった。
(1)aの値の範囲を不等号を使って表せ。
(2)誤差の絶対値は最大いくらか。


「ある数aを小数第1位で四捨五入したら28になった」とは、「真の値がaである「ある数」の測定値(近似値)が28であった」という意味です。
したがって、「aの値の範囲」とは、推測できる「真の値の範囲」のことです。

(簡単に解くコツ)

真ん中が28、左の目盛りが27、右の目盛りが29の数直線を書いて考えると簡単です。

四捨五入四捨五入して28になるのは、27と28の中間の27.5から、28と29の中間の28.5までの数です。
ちょうど27.5は四捨五入すると28になるので27.5以上と言えますが、ちょうど28.5だと四捨五入すると29になってしまうので28になるのはそれよりは小さい数、つまり28.5未満です。

図では、27.5は含まれるので黒丸、28.5は含まれないので白丸で表示します。

(1)aの値の範囲を不等号を使って表せ。

図より、27.5≦a<28.5です。

(2)誤差の絶対値は最大いくらか。

図を見たらわかるように、一番28からかけ離れているときで27.5ですから、真の値が28から一番遠い27.5だとして誤差の最大値は0.5です。


もし、この問題が例えば「四捨五入したら28.3になった」のように小数であったとしたら、真ん中が28.3、左が28.2、右が28.4の数直線を書きます。
あとのやり方はまったく同様、図を見て、範囲の28.25≦a<28.35、誤差の最大値0.05を簡単に求めることができます。

四捨五入の2







このように、誤差の問題は小学校で習った四捨五入の問題です。
小学校と違うのは、中学生は以上や以下、未満などの言葉の意味を知っているし、不等号の≦と<の違いもわかっているので、1をひく必要がないということだけです(例えば、四捨五入して80になる数の範囲を聞かれたとしたら、75から84までと答えてはいけません。75以上85未満、75≦a<85です)。

頭だけで考えないで、数直線を利用して問題を解くと、簡単だし、ミスをおかすこともありません。