2人の人に、「竹ひごで立方体の模型を作りたいから竹ひごを12本、30mmに切り取ってほしい。」と頼んだとします。

A君は1mm刻みのメモリのついた定規を使って30mmを切り取った。
有効数字1





B君は念を入れて0.01mmまで測れる定規を使って30mmを切り取ったとします。
有効数字2





どちらが信用できるかというと、それはB君です。

A君の持ってきた竹ひごは、ひょっとすると29.5mmかもしれません。B君の持ってきた竹ひごは、わるくても29.995mmです。(『近似値と誤差』参照)

このように、30mmといってもただ30mmというだけでは、どこまで信用できる数値かがわかりません。
そこで、誤差がどれくらいかが一目でわかるような記述の仕方を用いることにいました。

A君の場合だと、30mm近くだということまでは信用できるので、3.0×10と記述します。
B君の場合だと、30.00mmの近辺だとまではいえますから、3.000×10と記述します。

つまり、信用できる部分を、整数部分が1けたの形式で示すという約束事を採用したわけです。
そして、この信用できる部分のことを有効数字といいます。


有効数字の表し方を考えるとき、桁数の大きい数字のことも決めておかないといけません。

例えば、光の速さは
299792458m/秒、秒速2億9979万2458mです。

有効数字が億の位だと、3×100000000ということになります。
0がたくさん続くので煩雑です。
そこで、後ろの部分を書くときは10の累乗の形式を使って、3×10^8
光の速さ1


と書き表すことになっています。

万の位までが有効数字なら、2.9979×10^8と書きます。
光の速さ2


つまり、前の部分有効数字の範囲を表し、後ろの10の累乗の部分で実際の数値の桁数を表すという約束事が採用されているわけです。


例題1:10gの位まで測定した420gを、有効数字がわかる形で示せ。

(解き方)

10の位まで測定したと書いてあるので、10の位に線を入れます。

42/0

前の42が有効数字であり、その部分を整数部分は1桁という決まりで書かないといけないので4.2とします。

次に、4.2の4は実は420の4、100の位であり、100=10の2乗なので、後ろに10^2をつけ加えます。

4.2×10^2
有効数字3

で正解です。


例題2:18000mgを有効数字3桁の近似値で示せ。

(正解)
18000→180/00
1.80×10000
=1.80×10^4
有効数字4


(まとめ)
1、有効数字は整数部分が1桁の形式で書く
2、実際の数値を後ろの10の累乗で示す