割合の単元を学習していて、例えば「60円の、120円に対する割合を求めなさい。」という問題で、安易に120÷60=2とする子が相当数います(特に『ゆとり』以後、増えました)。

「おいおい、何でも大きい方を小さい方でわると思ったら大間違いだよ。割合の問題だと、小さい方を大きい方でわることも多いから、問題をよく読んで考えなきゃ。」と、今までは何の疑問も感じないでただ子どもを責めていたのですが、今年、5年生に割合を教えていて、初めてある重大なことに気づきました。

現行の4年生の教科書だと、1年間、かけ算の計算練習をする機会がまったくありません。単元として、かけ算の項目がゼロなのです(まともにかけ算ができない中学生の増えるのも当たり前です)。

5年生になると、今度は逆に、わり算が1年間に2回も、間をおかずに出てきます。最初が小数÷整数、後の方が小数÷小数です。これも頭がごっちゃになってよくないのですが(子どもの頭にはある程度の熟成期間が必要です)それはさておき、ということは、答えが小数になるわり算が、5年生になるまでまったく出てこないということにやっと最近気づきました。

4÷5=0.8が5年生になるまで出てこないのです。

ということは、5年生のわり算は、子どもたちの頭の中では、ちょうど中学1年生が負の数を習うのと同じような、算数・数学の世界での大革命です。
中学生になると、それまでの正の数に加えて負の数を知ることによって、数の世界が一挙に2倍に広がります。
同じように、小学5年生は答えが小数になるわり算を習うことで、今まで1より大きい整数しか出てこなかったわり算の世界に答えが1より小さい小数のものも出現することになって、一挙に2倍に数の世界が広がるわけです。

そりゃあ、常に大きい数÷小さい数しかしようとしない子が出てくるはずだ。それまでの10年間、その世界しか知らない、その世界しかないと思っている子に、すぐに新しい世界に慣れろと言っても無理だ。

大いに反省しました。

今年からはやさしく、算数では答えが1より小さい小数になる世界もあるんだよ、特に割合の世界はそうなんだよ、と教えることにします。


数の世界が2倍に広がる革命は、小5の後は中1の負の数、その後は中3のルート、そして高校生になってからの複素数でしょうか。

数学の苦手な中3の子が、平方根の習い初めにつまずくのも無理もない。

革命に慣れるには、ある程度の日数が必要です。