減法(ひき算)は加法(たし算)になおす

例題1:次の計算をしなさい。
(1)(−3)−(+2)
(2)(+7)−(−4)


小学校のとき、分数のわり算はどうやって計算しましたか?
わり算のままでは計算できないので、かけ算に書き直して、後ろの分数を逆数にしたはずです。
分数のわり算








正の数・負の数の減法も同様です。

ひき算のままで計算しないで、加法(たし算)に書き直してから解いていきます。
そのとき、分数のわり算で後ろの分数を逆数にしたように、今度は後ろの数の符号(+−)を逆にしないといけません。

(1)(−3)−(+2)だと、

(−3)−(+2)
=(−3)2)

と書き直します。

ここまできたらあとは加法の計算をするだけです。

つまり、

(−3)−(+2)
=(−3)+(−2)
=−5

ということになります。

減法は、1、加法になおして、2、うしろの数の符号を逆にして、3、計算するという順番です。

(2)(+7)−(−4)
=(+7)4)・・・加法になおして、うしろの数の符号を逆にする
=+11・・・計算する


(なぜ、減法(ひき算)を加法(たし算)になおしてから計算するのか?)

小学校では、ひき算はすべて、大きい数−小さい数でした。
たし算とひき算とは全く別物だと思って計算をしてきたはずです。

しかし、実は、小学校の範囲だと、たし算・ひき算を区別しておいたほうが便利であったから、そうしてきただけです。

負の数が出てきたら、もうたし算・ひき算という区別は意味を失います。
今までひき算と思ってきたものは、負の数をたしていただけだと考えないと説明がつかなくなります。

言い換えれば、すべての計算はたし算だと思考法をかえないといけません。

だから、減法を加法になおしてから、計算するのです。



( )を省いた式の計算

例題2:次の計算をしなさい。
(1)−9−3+5
(2)−5−7+2−4

「すべての計算はたし算」の発想から、次のように考えます。

(1)−9−3+5
この式は、(−9)+(−3)+(+5)の3つの項の加法であると見ていきます。
よって、
−9−3+5
=(−9)+(−3)+(+5)・・・( )のある式に書き直す
=(+5)+(−12)・・・+は+で集め、−は−で集めておく
=−7

これでよいのですが、せっかく( )のないすっきりした式として出題されているのに、いちいち( )をつけていくのは遠回りのような気がします。

だから、−9−3+5の問題そのものを丸で囲むやり方を私はすすめています。
つまり、
(−9)(−3)(+5)と、問題に直接、丸を書き込むのです。

(−9)(−3)(+5)・・・各項を丸で囲む
=(+5)+(−12)・・・+は+で集め、−は−で集めておく
=−7
ということになります。

さらによくよく考えると、2行目も、わざわざ( )を使わなくてもよいことに気づきます。

(−9)(−3)(+5)・・・各項を丸で囲む
=+5−12・・・+は+で集め、−は−で集めておく
=−7


最後のやり方がもっとも簡単でおすすめです。

(2)−5−7+2−4だと、

(−5)(−7)(+2)(−4)
=+2−16
=−14


加法、減法、( )のついた項、( )のない項がいろいろ混ざった計算

例題3:次の計算をしなさい。
(1)−7+5+(−6)−(−9)
(2)−9−(+6)−11−(−10)


ごちゃごちゃ複雑になるやり方より、シンプルですっきりしたやり方のほうが絶対いいに決まっています。
だから、まず、( )のない式に書き直します。

このとき、+はあってもなくても一緒、と考えて大丈夫です。
−(− )のときだけ、+になると覚えます。

だから、(1)−7+5+(−6)−(−9)の問題で、まず( )をとってから解いていくと、次のようになります。

−7+5+(−6)9)
=−7+5−69・・・( )をとる
=+14−13・・・+は+で集め、−は−で集めておく
=+1

(2)−9−(+6)−11−(−10)も同様に、
−9−(+6)−11−(−10)
=−9−6−11+10・・・( )をとる
=+10−26・・・+は+で集め、−は−で集めておく
=−16


以上、減法の単元をまとめると、

1、減法は加法になおしてから計算する

2、( )を省いた式は、それぞれの項を丸で囲んでから解いていく

3、いろいろ混ざった式は、( )をとった式に書き直してから解く