内田樹さんのブログ『内田樹の研究室』を欠かさず読んでいます。

読むたびに、圧倒的な知識量、思考の深さ、文章の展開の上手さ、論理の独創性に唸らされています。

同じ関西の空の下に、これほどの人が住んでおられると思うだけで、心からうれしくなってきます。

今日、見つけた言葉です。


「以前、他人の技を批判してはいけない、と多田先生に教えていただいた。
どうして他人の技を批判してはいけないのですか、と先生にお訊ねしたら、先生は「他人の技を批判しても、自分の技がうまくなるわけではないからだ」と答えられた。
そして、「批判して上達するなら、俺だって一日中他人の技を批判してるよ」と破顔一笑されたのである。
けだし武人の風儀というべきであろう。」


「あるとき橋本治さんが、ある高名なフェミニストと対談したことがあった。
はじめて会って、しばらく歓談して、では収録をというときになったら、橋本さんの姿がなかった。
家に帰ってしまったのである。
「ああ、この人とは、話すことが何もない」と思ったからだそうである。
これもまた士大夫の風儀と言うべきであろう。」



内田さんの論の進め方で私がいちばん好きなところは、私たちが「道徳」的に「善」とみなしている事柄がなぜ「善」であるのか、その根拠を正確に説明してくださることです。

もう日本は落ち目だと言わんばかりの言説が巷をとびかっていますが、毎日私たちがささやかな幸福の中で生活できているのは、自分の持ち場をしっかりと守っている人たちが日本中でこの国を支えてくださっているからです。

内田さんの論説は、そうした名もない偉人たちへの、力強い応援歌だと私は思っています。



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