普段、このブログは、塾の授業でやや「難しい」と思われる単元のうち、ほりさげて考えてもらいたいことを中心に書いています。
しかし、基本的なことをわかりやすく説明し、きちんと理解してもらうことも塾の大切な仕事の一つです。

そこで、子どもたちの苦手な分野を中心に、『超簡単』シリーズを企画しました。
数学の苦手な人でも「こうすれば誰でも簡単に解ける」というコツを書いていきたいと思います。

今日は受験生がよく忘れてしまっている単元、「比例・反比例」です。


これだけは覚えておく

比例の式はy=ax反比例の式はy=a/x
比例、反比例の問題を解くときは、必ずこの式から出発します。


まず、比例・反比例の式の求め方から。


比例の式


y=ax代入

例題1:yはxに比例し、x=2のときy=−6である。yをxの式で表せ。

(解き方)
比例の式はy=axだから、「比例」の文字を見たら、y=ax

y=axにx=2、y=−6を代入してaを求める。
−6=2a
−2a=6
a=−3
aがわかったら式は完成。
y=−3x


反比例の式

反比例の式


y=a/xのaは、a=xy

例題2:yはxに反比例し、x=3のとき、y=4である。yをxの式で表せ。

(解き方)
反比例の式は
反比例の式



そしてa=xyだから、「反比例」の文字を見たら、a=xy

だから、a=xy=3×4=12
a=12

反比例2



答えはy=12/x


コツ:比例の文字を見たらy=axに代入、反比例の文字を見たらa=xy


表と、比例・反比例

例題3:次のような表で表される関数がある。yをxの式で表せ。

(1)
比例表




(解き方)
表の下欄のyがいつも上欄xの−2倍になっています。
これは比例の目印。
比例だから、「y=axに代入」。
できるだけ数字の簡単なx=1、y=−2を代入します。
−2=a
−a=2
a=−2
aを求めることができたので
答えはy=−2x

ところがもう一度表を見直すと、この−2は最初から上欄、下欄の関係でわかっていました。
ちょっと悔しいところです。


(2)
反比例表





(解き方)
表の上の欄と下の欄を見ると、かけたら常に−12になっています。
これが反比例の目印。
反比例の式はy=a/xで、「a=xy」
xとyをかけたらいつも−12になっているから、
答えはy=−12/xです。


比例のグラフ

例題 4:(1)比例y=−3x、(2)y=3/4xのグラフをかけ。

(解き方1)
(1)
まず、比例のグラフは必ず原点を通ります。

次に、もっとも簡単な数、x=1をy=−3xの式に代入してみます。
そうするとy=−3
x=1、y=−3ということは、座標でいうと(1,−3)

以上より、まず原点に点をうち、次に(1,−3)に点をうち、2点を通る直線を引いて終わりです。

比例グラフ(左のグラフは途中でとめていますが、変域が指定されていないときは、実際のグラフはグラフ用紙の端から端までかいてください。)















(2)
まず、比例のグラフは必ず原点を通ります。

次に、もっとも簡単な数、x=1をy=3/4xの式に代入しようと考えますが、そうするとy=3/4という分数になって困ります。
こういうときは、分母と同じ数、4を代入します。
そうするとy=3
x=4、y=3ということは、座標でいうと(4,3)

以上より、まず原点に点をうち、次に(4,3)に点をうち、2点を通る直線を引いて終わりです。
比例グラフ2















(解き方2)
中2の1次関数と同様、「傾き」という考え方を使ってかく方法です。

(1)(2)
比例のグラフは必ず原点を通るので、原点から出発することは(解き方1)と同じです。

次に、y=−3xだと、マイナスなので「右に下がる」、−3なので右に1進んで、下に3下がったところに点をうちます。

原点とその点を結ぶとグラフの完成です。

y=3/4xのときは、原点から出発し、4右へ行って、3上に進んだところに点をうちます。

原点とその点を結ぶとグラフがかけます。

比例グラフ3
















反比例のグラフ

例題5:反比例y=12/xのグラフをかけ。

(解き方)
反比例y=a/xの比例定数はa=xyを使って、グラフもかいていきます。

この問題の場合、a=12だから、xy=12です。
xとyをかけたら12なので、かけて12になるxとyの組合せを見つけていきます。

(2,6)、(3,4)、(4,3)、(6,2)などが見つかります。

この4つの点をグラフにうち、その点を結んでいきます。

注意すべきは、マイナスの数も考えないといけないこと。
かけて12になる組合せは、(−2,−6)、(−3,−4)、(−4,−3)、(−6,−2)もあります。

この4つの点もうちこみ、その点を結びます。

反比例グラフ反比例のグラフは双曲線ですから、グラフは2ヶ所にないといけません。