(この稿では累乗を扱います。パソコンの日本語変換ソフトでは通常の記述法で累乗を表わすことができません。そのため、この稿ではほとんどの数式をイメージで表記しています。携帯でご覧になる方にはご不便をおかけするかもしれないことをあらかじめお断りしておきます。)

子どもたちが悩む問題の一つが累乗の問題です。
累乗を「超簡単」に理解できるように頑張って書いてみました。


やはり出発点は言葉から

累乗の「」は、「かさねる」、「繰り返す」という意味です。
そして「」は乗法の乗、「かける」という意味です。

だから、累乗とは「繰り返しかける」という意味です。

2を2回繰り返しかける2×2、3を4回繰り返しかける3×3×3×3などが累乗の例です。

同じ数を何度も書くのは面倒なので、
2×2は
2の2乗


3×3×3×3は
3の4乗


と表します。

このときの、右上、右肩に書いた小さい数字のことを「指数」といいます。


余談:
どんなテキストも、累乗で表せという問題は「累乗『の』指数を使って表せ」と表記してあります。
私は、この日本語はおかしいと常々思っています。
「累乗の指数」をくっついた一語として扱っているのでしょうが、累乗とは「同じ数を繰り返しかけること」、または「同じ数を繰り返しかけたもの」のことでしょうから、「累乗『を』指数を使って表せ」が正しい日本語ではないでしょうか。



最初は式を書き直す

よくある間違いは、「3の2乗はいくつ?」、「6です」、「2の3乗はいくつ?」、「6です」という間違いです。

間違いである理由は、指数を使わないで書いてみるとすぐわかります。
書き直す











慣れたら、3の2乗と見ただけで9、2の3乗と見ただけで8と頭に浮かんでくるようになります。
それまでは、指数を使わない、小学校流の書き方に書き直して計算をすると間違えないですみます。


累乗で最も大切なこと

多くの人が最初にちゃんと理解していないので何度も繰り返す間違いは、( )がついているときとついていないときの区別です。

−3の2乗と、(−3)の2乗とでは答えが違ってきます。

()のあるなし





−3の2乗は−9、(−3)の2乗は+9です。

なぜでしょうか?


そう「決めた」から

指数は、そのくっついた数字、文字にしか効果を及ぼしません。
理由は、「そう決めた」からです。

()なし


















その数、その文字だけでなく、まとめたもの全体や両方に指数の効果を及ぼしたいときは、全体または両方を( )で囲まないといけません。
その理由も、「そう決めた」からです。

()あり




















最初のうちは、以上のことを知った上で、やはり指数を使わない書き方で書き直してみるべきです。

()のあるなし2











−3の2乗は、−3×3だから、−9
(−3)の2乗は(−3)×(−3)だから、+9


間違えやすい問題

1の累乗

「1の100乗はいくつ?」、「100です」がよくある間違いです。

1×1=1、1×1×1=1、1は何回かけても1です。


関連問題として、中学校の定期テストでよくある問題に(−1)の101乗はいくつになるか?が、あります。
いくつになると思いますか?

正の数・負の数の乗法で学んだように、負の数×負の数=正の数であり、負の数の個数が奇数であるとき、そのかけ算の答えは負の数です。
(−1)を101回かけたとき、負の数を奇数回かけるので答えは負、マイナスになります。
そして1を何回かけても答えは1。

以上より、(−1)の101乗の答えは−1です。


小数の累乗

0.1の2乗はいくつになるでしょう?

よくある誤答は、1は何回かけても1だから、答えは0.1という間違いです。

落ち着いて考えればわかることですが、小数はかけるたびに答えは小さくなっていきます。

0.1×0.1=0.01、0.1×0.1×0.1=0.001、・・・。

瞬間的に答えを求めようとしないで、

小数





指数を使わない式に書き直して確認しておくとミスを減らすことができます。


分数の累乗

分母か分子だけでなく、分数そのものの累乗を求めるときは、分数に( )をつけて、その( )に指数をつけないといけません。

そのとき、例えば、(2/3)の2乗を求めるとき、2つの解き方があります。
理屈どおりですと、(2/3)×(2/3)=4/9です。
しかし、分子の2を2乗して4、分母の3を2乗して9と、分子・分母を別々に計算して4/9としても答えは同じになります。

分数


















問題を解くとき、後者の方法で解く人のほうが多いようです(どちらでもかまいません)。


覚え方を間違えないように

−2の2乗は−4、(−2)の2乗は+4ですが、このとき短絡的に「( )がないと−、( )があると+」と嘘の覚え方をしてしまい、変な間違いをしてしまう人がいます。

最後













( )のあるなしで+−が決まるわけではありません。

数字に指数がついていたら数字だけを累乗する、( )に指数がついていたら( )そのものを累乗する、という決まりがあるだけです。

慣れて完全に間違いをしなくなるまで、しつこく、指数を使わない式の書き方に書き直してから計算することを徹底してください。