√6は√6のままで、整数で表すことはできませんが、√4=2、√9=3であり、√4や√9は整数になおすことができます。
√mとは、2乗するとmになる数を表す記号ですから、√n^2であれば√n^2=nとなり、ルートがとれて、整数で表すことができます。
√4=√2^2=2、√9=√3^2=3、√16=√4^2=4、√25=√5^2=5、・・・、つまり、√の中がある数の2乗であれば、√は整数で表すことができます。

「√の中がある数の2乗であれば、√は整数で表すことができる」、これがこの稿のポイントです。
例題1:√18nが整数となる自然数nのうち、最小の値を求めよ。
(考え方・解き方)
18より大きい数で、2乗になっている数を探すとまず25ですが、18に整数をかけて25にすることはできません。
さらに探すと、次に2乗である数は36です。36=18×2であり、√36=6となってくれますから、最小のnは2だということになります。
これで正解ですが、18が簡単な数だからすぐに見つかっただけで、例えば√500nなどというような大きな数になると、いちいち2乗の数を探していくことはほとんど不可能です。
どんな大きな数になっても簡単に探すことができる方法を見つけないといけません。
ところで、√18nの18は、1×18であり、2×9であり、3×6です。
ここで、9が3の2乗であることに注目です。
この問題の目標は、√の中を「ある数の2乗」にすることでした。
√2×9のとき、すでに9は3の2乗になっています。2乗になっていないのは2の部分だけです。だから、n=2であれば、√18n=√18×2=√2×9×2=√2^2×3^2となって、√の中が2の2乗と3の2乗となり、√がとれて整数になってくれたわけです。

つまり、√の中の数を積の形に分解して、2乗になっている部分と2乗になっていない部分とに分け、2乗になっていない数をnとしてかけると、√の中が「ある数の2乗」になってくれて、整数で表せるということです。
では、2乗になっている部分と2乗になっていない部分とはどうしたら見つけることができるか?
18=2×3^2だから2を見つけることができたわけです。
ところで、18=2×3^2は、素因数分解にほかなりません。
結局、この種類の問題を解く方法は、「まず、素因数分解をしてみる」ということになります。
(1)√18nの18を素因数分解すると2×3^2
(2)3は2乗になっているから、全体を2乗にするには2をかければよい。
(3)だから、最小のnは2
まとめると、
(1)素因数分解する
(2)2乗になっていない部分を見つけて、2乗になるような数字を見つけたらよい
ということになります。
以上の考え方は、問題が複雑になってもそのまま使えます。
例題2:√336nが整数となる自然数nのうち、最小の値を求めよ。また、そのとき、整数はなにか。
(解き方)
(1)素因数分解する
(2)2乗になっていない部分を見つけて、2乗になるような数字を見つける
336を素因数分解すると、2^4×3×7です。
2は4乗で、2^4=(2^2)^2ですから、すでに2乗になっています。
2乗になっていないのは3×7なので、かけないといけない自然数nは3×7=21です。
次に、21をかけるとどういう整数になるか?
√2^4×3×7×3×7となるわけですが、
=√2^4×3^2×7^2
=√(2^2×3×7)^2
=2^2×3×7
=84

ルートが外れた後の整数は84です。
例題3:次の数が整数となる自然数nのうち、最小の値を求めなさい。
(1)√(216/n)
(2)√(84n/5)

(解き方)
ルートがはずれて整数になるための自然数を見つける問題ですから、
「√ の中がある数の2乗であれば、√は整数で表すことができる」を基本に、
・素因数分解する
・2乗になっていない部分を見つけて、2乗になるための数字を見つける
であることは共通です。
(1)今度は、216をnでわって、√の中に2乗をつくることが目標です。
216を素因数分解してみます。
216=2^3×3^3です。
2も3乗、3も3乗で、2乗にするには1つずつ多すぎます。
だから、その多すぎる部分をnでわって消せばよいということになります。
答えは2×3=6です。
(2)まず、84を素因数分解します。
84=2^2×3×7です。
だから、nの中に、3×7が必要です。
分母の5がなければn=3×7=21で終わりですが、21だけでは分母の5が残ってしまいます。
この分母の5も消さないといけません。
分子のnの中に5があれば、約分して分母を1にして消すことができます。
以上より、n=3×7×5=105です。
ルートを整数にするための数値を見つける問題には、もう1種類、やや毛色の違う問題があります。
例題3:√(35−n)が整数となる自然数nをすべて求めなさい。
(解き方)
この問題は、「√ の中がある数の2乗であれば、√は整数で表すことができる」だけで解く問題で、素因数分解は使わなくてすみそうです。
nが自然数であり、ルートの中の数は0か正の数でないといけないので(2乗して負になる数はありません)、だから、35−nの範囲は0以上、34以下です。
そして、0以上34以下の整数で、「ある数の2乗」なっている数は、0、1、4、9、16、25の6つです。
35−n=0のとき、n=35
35−n=1のとき、n=34
35−n=4のとき、n=31
35−n=9のとき、n=26
35−n=16のとき、n=19
35−n=25のとき、n=10
nの値は、10、19、26、31、34、35の5つだということになります。
最後に、よくある入試問題です。
例題4:√(124−8n)が整数となるとき、自然数nの値をすべて求めよ。
(解き方)
124−8nの範囲は0以上124未満ですから、11の2乗である121まで、2乗になる数を探しても解けるでしょうが、芸がないというか、時間がかかりそうです。
124も4でわれるし、8nの8も4の倍数であることに気づいて、4でくくって(因数分解して)みることを考えます。
√(124−8n)=√4(31−2n)
√4の部分は2の2乗になっているので、31−2nが「ある数の2乗」になっていたらよいことに気づきます。
31までの数で、2乗である数は、0、1、4、9、16、25です。
31−2n=0のとき、nは31/2になって自然数ではないので不適当です。
31−2n=1のとき、n=15
31−2n=4のとき、n=27/2で不適当。
31−2n=9のとき、n=11
31−2n=16のとき、n=15/2で不適当。
31−2n=25のとき、n=3
以上より、nは3、11、15の3つだとわかります。
√mとは、2乗するとmになる数を表す記号ですから、√n^2であれば√n^2=nとなり、ルートがとれて、整数で表すことができます。
√4=√2^2=2、√9=√3^2=3、√16=√4^2=4、√25=√5^2=5、・・・、つまり、√の中がある数の2乗であれば、√は整数で表すことができます。

「√の中がある数の2乗であれば、√は整数で表すことができる」、これがこの稿のポイントです。
例題1:√18nが整数となる自然数nのうち、最小の値を求めよ。
(考え方・解き方)
18より大きい数で、2乗になっている数を探すとまず25ですが、18に整数をかけて25にすることはできません。
さらに探すと、次に2乗である数は36です。36=18×2であり、√36=6となってくれますから、最小のnは2だということになります。
これで正解ですが、18が簡単な数だからすぐに見つかっただけで、例えば√500nなどというような大きな数になると、いちいち2乗の数を探していくことはほとんど不可能です。
どんな大きな数になっても簡単に探すことができる方法を見つけないといけません。
ところで、√18nの18は、1×18であり、2×9であり、3×6です。
ここで、9が3の2乗であることに注目です。
この問題の目標は、√の中を「ある数の2乗」にすることでした。
√2×9のとき、すでに9は3の2乗になっています。2乗になっていないのは2の部分だけです。だから、n=2であれば、√18n=√18×2=√2×9×2=√2^2×3^2となって、√の中が2の2乗と3の2乗となり、√がとれて整数になってくれたわけです。

つまり、√の中の数を積の形に分解して、2乗になっている部分と2乗になっていない部分とに分け、2乗になっていない数をnとしてかけると、√の中が「ある数の2乗」になってくれて、整数で表せるということです。
では、2乗になっている部分と2乗になっていない部分とはどうしたら見つけることができるか?
18=2×3^2だから2を見つけることができたわけです。
ところで、18=2×3^2は、素因数分解にほかなりません。
結局、この種類の問題を解く方法は、「まず、素因数分解をしてみる」ということになります。
(1)√18nの18を素因数分解すると2×3^2
(2)3は2乗になっているから、全体を2乗にするには2をかければよい。
(3)だから、最小のnは2
まとめると、
(1)素因数分解する
(2)2乗になっていない部分を見つけて、2乗になるような数字を見つけたらよい
ということになります。
以上の考え方は、問題が複雑になってもそのまま使えます。
例題2:√336nが整数となる自然数nのうち、最小の値を求めよ。また、そのとき、整数はなにか。
(解き方)
(1)素因数分解する
(2)2乗になっていない部分を見つけて、2乗になるような数字を見つける

2は4乗で、2^4=(2^2)^2ですから、すでに2乗になっています。
2乗になっていないのは3×7なので、かけないといけない自然数nは3×7=21です。
次に、21をかけるとどういう整数になるか?
√2^4×3×7×3×7となるわけですが、
=√2^4×3^2×7^2
=√(2^2×3×7)^2
=2^2×3×7
=84

ルートが外れた後の整数は84です。
例題3:次の数が整数となる自然数nのうち、最小の値を求めなさい。
(1)√(216/n)
(2)√(84n/5)

(解き方)
ルートがはずれて整数になるための自然数を見つける問題ですから、
「√ の中がある数の2乗であれば、√は整数で表すことができる」を基本に、
・素因数分解する
・2乗になっていない部分を見つけて、2乗になるための数字を見つける
であることは共通です。
(1)今度は、216をnでわって、√の中に2乗をつくることが目標です。
216を素因数分解してみます。
216=2^3×3^3です。
2も3乗、3も3乗で、2乗にするには1つずつ多すぎます。
だから、その多すぎる部分をnでわって消せばよいということになります。
答えは2×3=6です。
(2)まず、84を素因数分解します。
84=2^2×3×7です。
だから、nの中に、3×7が必要です。
分母の5がなければn=3×7=21で終わりですが、21だけでは分母の5が残ってしまいます。
この分母の5も消さないといけません。
分子のnの中に5があれば、約分して分母を1にして消すことができます。
以上より、n=3×7×5=105です。
ルートを整数にするための数値を見つける問題には、もう1種類、やや毛色の違う問題があります。
例題3:√(35−n)が整数となる自然数nをすべて求めなさい。
(解き方)
この問題は、「√ の中がある数の2乗であれば、√は整数で表すことができる」だけで解く問題で、素因数分解は使わなくてすみそうです。
nが自然数であり、ルートの中の数は0か正の数でないといけないので(2乗して負になる数はありません)、だから、35−nの範囲は0以上、34以下です。
そして、0以上34以下の整数で、「ある数の2乗」なっている数は、0、1、4、9、16、25の6つです。
35−n=0のとき、n=35
35−n=1のとき、n=34
35−n=4のとき、n=31
35−n=9のとき、n=26
35−n=16のとき、n=19
35−n=25のとき、n=10
nの値は、10、19、26、31、34、35の5つだということになります。
最後に、よくある入試問題です。
例題4:√(124−8n)が整数となるとき、自然数nの値をすべて求めよ。
(解き方)
124−8nの範囲は0以上124未満ですから、11の2乗である121まで、2乗になる数を探しても解けるでしょうが、芸がないというか、時間がかかりそうです。
124も4でわれるし、8nの8も4の倍数であることに気づいて、4でくくって(因数分解して)みることを考えます。
√(124−8n)=√4(31−2n)
√4の部分は2の2乗になっているので、31−2nが「ある数の2乗」になっていたらよいことに気づきます。
31までの数で、2乗である数は、0、1、4、9、16、25です。
31−2n=0のとき、nは31/2になって自然数ではないので不適当です。
31−2n=1のとき、n=15
31−2n=4のとき、n=27/2で不適当。
31−2n=9のとき、n=11
31−2n=16のとき、n=15/2で不適当。
31−2n=25のとき、n=3
以上より、nは3、11、15の3つだとわかります。