わが国の主食は米であり、古来より稲作に向いた土地が農業が盛んで豊かな土地とみなされてきました。
人々が苦労して開墾した、稲作に向かない、農業に適さなかった土地として有名なものに、南九州のシラス台地と、関東平野の関東ローム層、北海道石狩平野の泥炭地があります。


シラス台地

南九州の鹿児島県から宮崎県南部に広がる火砕流や火山灰などの火山噴出物でできた台地の層をシラス台地といいます。九州南部は、桜島や霧島山など、今でも活発に活動をしている火山の多い土地です。

シラス台地の語源は、白い砂のことをあらわす語「しらす」だとされています(時代劇で奉行の取調べで罪人が座らされる「おしらす」と同義)。

雨水がすぐに地中にしみこんでしまって保水できない、地下水の圧力が弱く井戸を掘ってもくみ上げることができない、大雨でがけ崩れを起こしやすいなどの特徴があり、農業、特に稲作には不向きな土地の代表的なものでした。

安土桃山時代から江戸時代にかけて、稲ほど水を必要としないサツマイモの栽培が進み、大豆やアブラナもさかんに栽培されるようになりました。
現在はダムの建設で農業用水の確保もできるようになり、笠野原台地などで、、果物、花、タバコなどの栽培がおこなわれ、牛、豚、鶏の畜産も北海道についで生産額の多い土地になっています。


関東ローム層

関東地方のほぼ全域をおおっている、富士山や浅間山の噴火によって広く拡散した火山灰が粘土化した土壌によってできた地層を関東ローム層といいます。

ロームとは粘土分の多い粘り気の強い土壌をさす英語です。粘土の含有率が25〜40%のものを地質学上の用語でロームといいます。
関東ローム層は、火山灰が堆積し、火山灰に含まれていた金属分が酸化されて粘土となった、いわゆる赤土によってできているのが特徴です。

高台や台地を構成しているので農業用水の確保が難しいこと、火山灰でできた土壌であることから植物の生育に必要な栄養分をあまりふくまないことなどから、農業、特に稲作には向かない土地でした。

そのため現在でも畑作がさかんで、群馬県キャベツきゅうり、こんにゃくいも、栃木県いちご、かんぴょう、茨城県メロン、はくさい、千葉県らっかせいねぎ、埼玉県はブロッコリーなどの日本有数の産地となっています。


泥炭地

低い土地にある湿地で、植物が低温のままで十分腐らないまま炭化したものを泥炭(ピート)、泥炭を多く含んだ土地を泥炭地といいます。
わが国では北海道の石狩平野やサロベツ原野が有名です。

土地が非常に軟弱であるために、農地として造成するのが難しい土地が多く、石狩平野は特に、明治政府が北海道で畑作と畜産を奨励する政策を採用したこともあり、稲作の割合が少ない地域でした。

土地改良や客土(農業に向かない土地に別の場所から土を持ってきて土壌を改良すること)によって、現在では石狩平野は日本有数のの生産地になっています。


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