アメリカで物を買う日本人は、アメリカの人にドルで代金を払わないといけないので、円をドルに交換する(円を売ってドルを買う)必要があります。

日本で物を買おうとするアメリカの人は、日本人に円で代金を支払わないといけないので、ドルを円に交換する(ドルを売って円を買う)必要があります。

このようにして、全世界で1日に交換される通貨の額は2兆ドル(約200兆円)を超える膨大な額になるそうです。


為替相場・外国為替相場・為替レート

何円で1ドルと交換できるのか(何円で1ドルが買えるか)、1ドルで何円と交換できるのか(1ドルで何円を買えるか)の数値・比率のことを為替相場(かわせそうば)(外国為替相場為替レート)といいます。

NHKのニュースを見ていて、ニュースの最後に、「今日の東京外国為替市場(かわせしじょう)、昨日より40銭円高ドル安の1ドル=92円58銭で取引されています。」などと言っているのを聞いたことがあると思います。

「1ドル=92円58銭」が、通貨と通貨(円とドル)の交換比率、為替相場(為替レート)です。

1ドル=92円というとき、そのわかりやすい意味は、92円出すと、アメリカの1ドル(あるいは、アメリカで1ドルの値札がついた商品)と交換できる、買える、という意味です。


固定相場制・変動相場制

ニュースで見聞きするように、1ドルが何円であるかは、需要と供給によって、毎日、さらに刻々と、変動しています(円よりドルがほしい人が多ければ円安・ドル高に、ドルより円がほしい人が多ければ円高・ドル安になります)。
これを、変動相場制といいます。

日本は、1973年、経済の実態に合わせるために、変動相場制を採用しました。

それまでは、固定相場制を採用していました。
1949年から1971年までは、1ドル=360円と一定のままでした。

開発途上国は、為替相場が乱高下することによる悪影響をきらって、固定相場制を採用する傾向があります。
2010年現在、中国などがまだ、固定相場制を採用しています。


円高(えんだか)・円安(えんやす)

ここ1年間の為替相場は、円が高いときで1ドル=87円、円が安いときで1ドル=95円の間を推移しています。

よく塾生から「1ドルが87円から95円になったら、95円と高くなったから『円高』ではないのですか?」という質問を受けます。

答えは逆です。
1ドルが95円から87円になったら円高、87円から95円になったら円安です。

円「高」、円「安」の言葉が誤解を招きやすいのです。

円高とは、円の価値・値打ちが高くなること、円安とは円の価値・値打ちが安くなることです。
「円」を、「円の値打ち」と読み替えないといけません。

極端な例をいうと、1ドル160円の円安から1ドル80円の円高になると、160円出さないと買えなかった1ドル(あるいは、アメリカで1ドルの商品) が、80円で買えるようになるわけで、円高は、それだけ円の値打ちが高くなったということです。

円高は「円強」(円が強くなること)、円安は「円弱」と言い換えたほうが誤解を与えないかもしれません。


海外旅行と円高・円安

あなたが、円をドルと交換して、アメリカに旅行に行くとします。

円安(1ドル=95円)のとき

95円で1ドルと交換して、アメリカでその1ドルを使います。
アメリカで1ドルの鉛筆を買ったとします。その鉛筆を95円払って買ったということです。

円高(1ドル=87円)のとき

87円で1ドルと交換して、アメリカで1ドルを使うとします。
アメリカで1ドルの鉛筆を87円払ったら買えるということになります。

日本人が海外旅行に行くときは、今まで95円であったものが87円で換えることになり、円高のほうが得だということがわかります。


外国から日本に来る旅行者にとっては、逆になります。

1ドル=95円(円安)のときは、1ドルを円に両替すると95円手に入るので、日本で95円の物を買うことができます。
1ドル=87円(円高)のときは、1ドルを円に交換すると日本の87円の物しか買えません。

外国人旅行者にとっては、円安が得、円高が損です。


輸出・輸入と円高・円安

輸出企業と円安

87円=1ドルのとき、日本の自動車会社は、日本では87万円の車をアメリカでは1万ドルで売ることになります。

急激に円安が進み、95円=1ドルになったら、日本の自動車会社は自動車購入者から受け取った1万ドルを日本円と交換すると95万円を手に入れることができます。

日本の自動車会社は、何もしないで8万円の利益を得たことになります。

このように、輸出企業にとっては円安は利益を増大させます。

輸出企業と円高


95円=1ドルのとき、日本の自動車会社は、日本では95万円の自動車をアメリカでは1万ドルで売ることになります。

急激な円高で87円=1ドルになったら、自動車会社は売上代金の1万ドルを円に交換すると87万円しか受け取れません。

95万円の自動車を売って、87万円しか手に入らないので、自動車会社は大変な損をこうむります。

輸出企業にとっては、円高は損害をもたらします。


好景気・不景気と円高・円安

好景気と円高

日本の景気が好いとき、企業は、お金を借りてでも(景気がよいので儲かって返せるあてがあるから)企業活動を活発にしようとします。

利子が高くても銀行からお金を借りようとする人が増えますから、日本の金利(銀行が貸し付けるときの利率)があがります。

もし、日本は好景気で高金利なのにアメリカが不景気で金利が低いとすると、お金を運用する銀行や投資ファンドは、利子がつかなくて価値が増えそうにないドルを売って、高い利息が望める円を買おうとするはずです。

こうして、アメリカより日本のほうが景気がよいと、ドルを売って円を買いたい人が増えて円高に向かいます。

不景気と円安

アメリカが好景気で日本が不景気だとします。
アメリカの金利のほうが日本の金利よりは高いはずです。

当然、お金を運用しようとする銀行やファンドは円を捨ててドルと交換しようとするはずです。
そうすると、ドルの需要が高くなって、ドル高、円安に向かいます。

つまり、日本が不景気だと、円安に向かう傾向があるということになります。



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