世の中にある「数」を、分数で表せるかどうかで分類したとき、分数で表せる数を有理数、分数で表せない数を無理数といいます。

ところで、世の中にある「数」には、整数と、分数と、小数しかありません。

整数は、例えば、3が3/1(1分の3)であるように、すべて分母が1の分数で表せますから、全部が有理数です。

分数は、最初から分数ですから有理数です。

結局、有理数と無理数に分かれるのは、小数だけです。

ここまでのまとめ

(1)「数」は、整数分数小数の、3つしかない。

(2)
整数・・・有理数
分数・・・有理数
小数・・・有理数無理数に分かれる


小数

普通の(今まで習ったほとんどの)小数は、例えば、小数第1位の小数であれば0.3=3/10、小数第2位の小数であれば0.13=13/100であるように、分数で表すことができるので有理数です。

小数点以下のどこまでかがわかっていて、わかっているから「10分の〜」、「100分の〜」、「1000分の〜」、・・・と、分数で表せる小数のことを有限小数といいます。
有限小数は、分数で表せるので有理数です。

1/3が、1÷3=0.3333・・・・であることは知っているはずです。
この0.3333・・・・のように、どこまでも続いていく小数を無限小数といいます。
無限小数も、0.3333・・・・は1/3と分数で表せる有理数です。

では、どんな小数が無理数なのでしょうか?

円周率のπが、3.141592・・・・とどこまでも続いていく無限小数であることは誰もが知っています。
この3.141592・・・・は分数では表しようがありません。
無理数です。

では、分数で表せる有理数の0.3333・・・・と、分数では表せない無理数の3.141592・・・・とではどこが違うのか?

0.3333・・・・は、3という数字が繰り返し出てきます。これを、同じ数字が繰り返し出てくるので循環小数といいます。
循環小数は分数で表すことができます。
(循環小数が分数で表せることはこちらを参照してください。)

3.141592・・・・は、不規則にいろいろな数字が並んでいます。

どうやら、不規則にいろいろな数字が並んでいる小数だけが無理数だといえそうです。

この、不規則にいろいろな数字が数字が並んでいる、「無限小数の中で循環小数でないもの」だけが、無理数です。

循環しない無限小数だけが無理数なのです。


小数の分類

(1)小数は、有限小数(有理数)と無限小数に分かれる

(2)無限小数は、さらに循環小数(有理数)と循環しない無限小数に分かれる

(3)循環しない無限小数だけが無理数である


π(パイ)と√(ルート)だけが無理数

では、循環しない無限小数は、円周率のπ以外に何があるでしょうか?

√(ルート)がそうです。

例えば、2の平方根の√2は、√2=1.41421356・・・・という、循環しない無限小数です。
√3は、√3=1.7320508・・・・と続く、循環しない無限小数です。

結局、中学3年生が知っている数の中では、円周率のπと√だけが循環しない無限小数であり、つまり無理数だということになります。


まとめ

πの2つだけが無理数である


例題:
次の数について、無理数を選び出せ。
5、√6、√9、−11、0.8、−√1.7、5/3、√(4/25)

例題1

問題を解くときは、「πだけが無理数」でやっていくのが一番簡単です。

ただし、√9は√がついてはいますが、√9=3ですから、実は整数です。
同様に、√4/25も、√がついてはいるものの、2/5という分数になおせます。
この2つは、ほんとうは整数と分数ですから、「πと√だけ」の√に入れてはいけません。
無理数は、「πと、√のはずせない√だけ」なのです。

ということから、無理数であるのは、√6と、−√1.7の2つです。



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